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幼少期編1

 俺は気が付けば、転生をしていた。

 恋愛ゲームを苦手とする少人数派の乙女達のために作られた、友情ゲームの世界の登場人物の中でも脇役である男子生徒に転生をしてしまった。

 困ったことに、その男子生徒の顔は前世の俺の顔にそっくりなのである。

 だって、その脇役の“男子生徒”は俺をモデルにして出来たキャラクターなのだから。


 何故、俺をイメージしたキャラクターが友情ゲームにいるのかって?

 その答えは至って簡単だ、『友愛学園』のゲーム制作会社の責任者は、……俺の幼馴染みだったからである、ちなみに男な。

 そんな幼馴染みは、俺をイメージしたキャラクターを作りたいと騒ぎ、いざそのキャラクターの案が通ると、攻略対象になるなんて駄目と愚図った。

 しかし、ゲームに俺を登場させたいが、攻略されるなどもっての他と考えていた幼馴染みは、張本人である俺に相談してきた。


「ねぇ? 俺はお前をイメージしたキャラクターを、恋愛ゲームの攻略対象にしたくないんだけど、俺はお前が出るゲームを作りたいんだ、お前はどうしたら良いと思う?」


 その言葉を聞いて、俺凄く愛されてるって思ったよ、……友人としてだぞ、けして恋愛感情としてではないからな。勘違いするなよ?

 幼馴染みは昔からそうだった、性格は若干変わってはいるものの、顔が良かった幼馴染みは女子からも普通に慕われ、数人に告白される等、モテていた。

 それでも何故か、幼馴染みである俺を第一に考え行動する、そんな幼馴染みの行動に女子達は気に食わなかったのだろうな。

 俺に嫉妬をぶつけ、その事を幼馴染みにバレ、結果的には嫌われるハメになってしまったのだが、……本当にアイツは、女子には容赦がない。

 まあ、一部の女子達は、ニマニマと寒気がするような笑みを浮かべながら俺達の様子を影から観察し、謎の本を交換し合っていたのを覚えている。

 今でもその光景は何がされていたのかは俺はわからず、未だにその話をしても幼馴染みは生温かい笑みを浮かべて、その話だけは毎回教えてはくれない。

「お前にはわからなくて良いことだよ」

 と、そう言って、話を毎回反らされる。

 そんな経験をしてしまっている俺の配慮から、アイツは俺をイメージしたキャラクターを、恋愛ゲームの攻略対象にしたくはなかったのだろう。


 そんな幼馴染みの思いから俺が思い付いた案が、友情ゲームと言う訳だ。

 その案を聞いて、幼馴染みは複雑そうな顔をしながらも、幼馴染みも恋愛ゲームよりは良いかと納得し、作り出したのが『友愛学園』なのである。


 俺に似せたキャラクター、一條騎里(いちじょうきさと)に転生してしまったのだが……、俺の方はどうにかなるとして。

 ……幼馴染みは、今頃大丈夫だろうか?

 俺が言わないと、幼馴染みは面倒くさがって、飯を三日抜くのは当たり前。

 幼馴染みが体調を崩していないか、俺は幼馴染みの体調が心配なんだが。

 案外、幼馴染みの方がケロリと平気そうだったら、俺は泣くぞ……。



◇◆◇◆


 現、三歳児な一條騎里である俺には、三歳離れた兄貴がいるのだが、ゲーム設定の通りの騎里への溺愛振りに驚かされたけど、最近は諦めている。

 まあ。それは良いとして、『友愛学園』の世界観についてなのだが、建物の外観は中世風なのだが、科学が発展した近未来な世界観となっている。

 『友愛学園』の世界には魔法と言う存在はないが、……超能力や陰陽術等の不可思議な力があるのは、前世の時に幼馴染みから得た情報であるので、確実なのは確かである。


 『友愛学園』は、そんな超能力や霊力を持つ子供達を育成する学校でもあり、逆に不可思議な力を持たない子供達に“科学武器”の扱い方を教える学校でもあるのだ。

 ちなみに科学武器とは、自然エネルギーを燃料に形状が変化する武器のことで、科学武器には自分の遺伝子が組み込まれており、自分の科学武器は自分にしか使えないようになっているが、稀に一卵性双生児の双子で武器を交換できることがあるらしい。

 科学武器は政府から戸籍を登録したと同時に作って貰え、戸籍を登録している国民には必ず与えられている武器なのである、……自分の身を守るための手段として。


 何故、自分の身を守るために“科学武器”が必要なのかと言うと、この世界には霊力が満ち溢れており、その霊力を吸収した“幽霊”が具現化し、負の感情も吸いとってしまった幽霊は“悪霊”となり、人に襲い掛かる。

 そんな悪霊を倒せる者を増やすために訓練を受ける場として、『友愛学園』は存在しており、万が一に協力して倒す必要性がある場合、即座に討伐隊が組めるようにするための社交場としての役割も担っているらしい。


 ちなみに俺は超能力を持っている、『精霊遣い』と言う超能力で、超能力の恩恵かはわからないが、精霊が見える精霊眼の力を持っている。

 科学武器は“鍵”のような形をしている。……だが、例え貴族の次男と言う立場だとしても、三歳からの英才教育はゆとり世代である俺には精神的に少し辛いです。



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