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#013

武装鉄道希望隊 #013




「選抜メンバーを発表するわ」


 ノゾミ班長は、いつもより少しばかり弾んだような笑顔で、全員に聞こえるようはっきりと言った。

 バスケットコート2面分程度の体育館にいる隊員は、全員が彼女に注目し静まり返っている。いつものにぎやかさが嘘のようだった。先輩達はみんな同じ表情をしている。心から楽しそうな、わくわくしているような顔だ。


「まず、総司令はカムイ。あんたが落とされると終わりなんだから、責任重大よ」

「よっしゃ任せとけ!」


 カムイ隊長は、彼からすれば低すぎる位置でノゾミ班長とハイタッチをした。責任重大と言われながら、負担など微塵も感じさせない、堂々たる姿だ。


「アサルト班はリアスちゃん、ハヤテ、トキワ、アサヒ、ヤクモ、フタバ、そしてミコト。リーダーはそっちで決めておいて」

「今回のメンツ濃すぎねーか?ミコト引いてんぞ」

「いえ、そんなことは……」


 引いているわけではなく、生まれつきの小市民感が暴走し、恐縮しているだけだ。名前を呼ばれてしまった以外に理由はない。覚悟はしていたが、ここまで本気だったとは。バケツなんて抱えている場合じゃない。


「楽しくなりそうじゃないの!」

「リアスちゃん専用イケメン部隊化してる気が……」

「あはは、間違いないや」


 アサルトとは強襲のことだ。相手より速く、集団で一気に畳みかける必要がある。

 アサヒ副班長は苦笑いを浮かべている。そんな彼の義手に腕を絡めている男性(リアスちゃんと呼ばれているのが彼だろう。その他のメンバーは一応顔馴染みだ)の、こちらはとても晴れやかな笑顔が印象的だ。モデルのように体型が美しく、この場にいる男性隊員の中でもかなりの美形だ。しかし聞こえてきたおネェ口調は一体なんだろう?


「次、スナイプ班ね。私とヒビキ、アスカ、そしてギンガ。危なげなくいけるメンバーを選んだつもりよ」

「妥当だな。つか、欲しいとこ取っただろ……」


 スナイプとは遠距離からの狙撃を意味する。余程の銃の腕前がなければまずできないのだろうと、素人でも理解できる。

 ヒビキさんは、ハヤテ部長が班長を兼任している爆発物処理班の副班長だ。すごく仕事ができる人らしく、忙しいハヤテ部長に代わって班員に指示を与えている姿が印象的だった。アスカさんは確か、殺し屋さんことトキワ班長の部下だった。ギンガさんは俺と同じ、チーム・アルファの一人だ。

 

「最後、支援班はスバル君、ハクト、カエデね」

「僕、のぞみんとやりたかったー」

「あんた銃持てないくせに何言ってんのよ、カエデ」


 支援班に名を連ねたのは、作戦参謀と技術の持ち主だという。

 スバル部長は普段通りの柔和な笑みを浮かべている。いつ見ても安定の王子様フェイスだった。ここにホタルがいたら、やっぱり見惚れているのだろう。他の二人は、会ったことがない。ハクトさんは目付きが鋭く、柄のついたタオルを頭に巻いている。カエデさんは、女の子のようだ。ノゾミ班長に擦り寄っているくらいだし、きっと同年代なのだろう。


「以上よ。的に動きを分析させないために前回とは少し変えてるわ。前回と同じ訓練をしてた人には悪いけど、今日から早速この班で連携して」


 的って言った。敵や相手ではなく、的って言った。

 ノゾミ班長は手にしていたバインダーをアサヒ副班長に預けると、室内に備え付けられた大型の用具入れの鍵を開けた。一人で入って行ったと思えば、中からハヤテ部長を呼ぶ声がする。呼ばれた彼は小走りで後に続く。


「ノゾミがスナイプかー。10分で終わりそうだな」

「ノゾミって元々スナイプ向きだからなー」

「相手の40人編成が5分で片付いたのは今でも伝説だろ」


 一体どんな試合だったのだろう。ただの一方的な殺戮(ただし負けるのは多人数の側)のような気もする。

 数分と経たないうちに、二人はいくつかの荷物を持って出てきた。大きな木製の箱を適当に並べると、ノゾミ班長はまた倉庫へと入る。その姿を見てようやく、俺は手伝わなければと立ち上がる。新人の分際で何をのんびり眺めていたのか。


「今回は15人のテロリストを100名小隊で沈静化するのに何分掛かるか、を計測するって名目だ」

「それにしても人数比が露骨だなー」

「いい加減、勝ち星挙げなきゃ士官学校の面目丸つぶれなんだろ」

「数人相手に100人投入して勝って、なんか嬉しいのかな……?」


 フタバ先輩の疑問は誰もが感じているところだろう。俺も正直、首を傾げたくなる。先輩達の話を聞いている限りでは、武鉄側は毎回勝っているわけで、こんな人数比で負けた時に彼らはどんな気持ちになるのだろうか。想像すると、居たたまれない。

 ハヤテ部長に指示をもらい、箱の蓋を一つずつ開ける。中に入っていたのは、アサルトライフルだ。


「遠慮も容赦もいらん。武鉄隊の精鋭の恐ろしさを見せてやれ」

「あー楽しみ!イケ好かないエリート共が泣き叫ぶ姿ったらないわよ」


 全ての荷物を出し終えたのか、ノゾミ班長も顔を出した。その表情は心底弾んでいるように見える。彼女のこんな顔を見たのは初めてだった。

 指示されるまま蓋を開けては置く。スナイパーライフル、ハンドガン、ショットガン、そしていくつものカラフルなペイント弾がきっちり整頓されていた。精巧に作られている銃は、全てペイントボールガン、つまるところペイント銃であり偽物だ。これならあまり怪我もしないし、逆に怪我をさせることもないだろうと、少し安堵する。


「こちらの勝利条件は、『制限時間の20分中に相手側の総司令を討つ』、『相手側を全滅させる』、『20分間武鉄側の総司令と一部が生存する』ってことらしいわ。簡単ね」

「そりゃいい。どれだけ遅くても5分で司令官狩るぞ」

「この作戦で重要なのは、スナイプが相手にいかに勘付かれることなく、迅速に配置につくかだな」

「アサルトは人数減らすことなく、常に動かなきゃだね」

「つってアサルトに弱いとこあるか?」


 それは条件反射だった。俺の右手は、真っ直ぐ上に挙がっていた。


「……、無言で手を挙げるな、ミコト」

「自信ねーのは分からんでもないけどな。さて、ミコトの隣に誰つけるか」


 20分を脱落することなく乗り越えれば、形式上は武鉄側の勝利となる。しかし、日々特別な訓練を積み、本物のテロリストと戦い続けてきた先輩達にとって、ただ制限時間を生き残るだけ、という選択肢はないようだ。

 いよいよとんでもないことになってきたのではないかと、季節に似合わないうすら寒さすら覚える。


「勝利条件があんまり簡単だから、いつも通りこっちで勝手に達成条件つけるわね」


 ノゾミ班長は、クラスメイトが昼休みにみんなでバレーボールをしよう、なんてノリで、俺を青ざめさせた。


「来たぞ、恒例のムチャぶりタイム……」

「今回は脱落者ゼロ、以上よ。タイム制限は設けないし、楽勝でしょ?」

「……、ノゾミ、ミコトが息してない」

「なんでよ!」

「ちなみに達成できなかった奴……、ぶっちゃけやられた奴は?」

「そんなの訓練過量に決まってるじゃない」


 頑張る気はあった。それでも、目の前が真っ暗になる。だめだ、脱落して班長に失望されるのが容易に想像できた。班長だけでなく、リーダーや他の先輩達にも見放されてしまうかもしれない。

 不安や心配が確信になり、どんどん膨れ上がっていくのを止められなかった。こういう思考は良くないと、俺の悪い癖だと分かっているのに、止まらない。一度始まったマイナスへの算段は、どこまでも負の答えを導き続ける。


「ミコト」


 優しく肩を叩かれ、振り向いた。フタバ先輩が眉を下げ、心配そうに俺を見ている。目が合うと眉は下げたまま、優しく微笑みかけてくれる。


「そんなにビビらなくて大丈夫。リーダーもあたしも居るからさ」

「1年目で出るなんて経験、滅多にできねぇんだ。どうせなら楽しめよ」

「本番まで、あと1週間もあるんだ。ミコトはきっと努力家だから……、そうだな、今日と同じ訓練を詰めば動きは格段に良くなる。リーダーの言うように楽しめるよ」


 フタバ先輩の言葉は、俺の中にすとんと降りてきた。曇り空に晴れ間が差すように、穏やかに優しく降り注いでくる。さっきまで膨らみ続けていた不安はいつの間にか消え去り、心の奥底で小さなやる気が芽生えているのを感じる。

 落ち着きを取り戻した俺を察してか、フタバ先輩はにっこりと笑いかけてくれる。心臓が一度だけ、普段より大きく音を立てた気がした。


「一緒に頑張ろ」




***




 HKR帝国軍士官大学 “Western River Sta.”管区校内、Bジム。学校内施設でありながら、ここだけは管理者が武装鉄道隊となっているため、いつでも自由に使用できた。使用用途は主にチーム・アルファの訓練だ。朝から晩まで、もっと言えば、夜中の終電後から明け方まで、必ず誰かがトレーニングに励んでいる。4日前も、訓練中だったチーム・アルファに合わせて、ここで選抜発表を行った。

 今も彼らは、彼らの誇りと技術の精度を高めるため、長時間の訓練に臨んでいた。


「随分サマになったじゃない」


 ノゾミには、少しだけ心配事があった。発表のその時、唯一の初参戦であるミコトの顔色が時間を追うごとに悪くなっていったことだ。

 ミコトの入隊当初から何となく察してはいたが、彼はどこか気負いすぎる節がある。やはり気にしておいた方がいいと思い、自分でなくてもいい仕事は全てアサヒに押し付けた。そうして無理やり時間を作り、会議から帰ったばかりのカムイを連れて、わざわざ学校まで足を運んだのである。


「たった4日間でここまで仕上がるとは……、流石だな。リーダー・ヤクモ」


 Bジムの入り口付近で、ノゾミとカムイは訓練に見入っていた。訓練自体には参加せず、たまに指示(雑すぎてほとんど野次にしか聞こえなかった)を飛ばしながら監督していたヤクモは、溜息を漏らす。そのまま腰を下ろすと、彼は床に足を投げ出す。


「……、ノゾミ、カムイ。ありゃ化け物だ。俺の手でどうにかできるような奴じゃねぇわ」

「どういうこと?」


 ヤクモは胸ポケットからメモ帳を取り出し、ノゾミの足元へと投げた。彼の口から放たれる雑な指示に見合わず、几帳面にびっしりと文字が書き込まれている。ノゾミは、彼の熱意が詰まったメモ帳を拾い上げると、丁寧に目を通し始めた。内容は訓練の内容、チームメイトの1時間おきの状態。そして、この数日間、ミコトがクリアしてきた訓練量がグラフ化されている。


「今はまだ、経験の差で勝てる。ミコトの動きはまだまだ教科書通りで単純だからな。だが応用力、経験、実践……、全部積んだ先にどうなるやら」


 グラフの伸び方が示していた。ミコトの持つ潜在的な才能が、徐々に開花し始めているのだ。刺激を受け続けられる環境に身を置くことは、人をより強くし、高みへと連れていく。かなりのプレッシャーを与えることになってしまっただろうが、チーム・アルファにミコトを預けたのは、やはり正解だった。


「ホンモノの逸材だったってわけか」

「ヤクモはそれ以上だって言いたいみたいね」

「逸材なんて範疇とっくに超えてるっつーの。規格外だ」


 ヤクモは乱暴に髪を掻き上げると、ノゾミが差し出してきたメモ帳を受け取った。3人の視線の先では、ミコトが戦地での前進行動の訓練を受けているところだ。ミコトは落ち着いた様子で説明を受け、すぐに自分で動き始めた。その隣で、フタバが声を掛けながら励ましている。できた!できました!とミコトの歓声が響くと、チームメイト全員が笑顔に包まれる。

 ノゾミは真剣な面立ちでその様子を見つめていた。


「お前、銃教えてたんだろ?気づかなかったのか?」

「あはは、ノゾミちゃんは気づけねぇよ。我が管区最高の腕前だ。どんな銃見たって物足りねぇだろ」

「……、言われてみれば、命中精度は高いって感じてたわ。そうよね、入隊からまだ、間もないのよね」


 ノゾミは、戸惑っているようだった。視線の先にいるのは、いつも少しおどおどしながら、それでもひた向きに努力し続ける、彼女の知っているミコトとは違う人物のように見えたからだ。5本の指で足りるほどしか日数は経っていないのに、ここまで顕著に違いが現れるなんてことが今まであっただろうか。

 ヤクモはメモに挟み込んだチェックリストに、赤いインクのボールペンで丸を書き込む。実戦演習まであと3日間、明日からは選抜メンバーとの訓練になるため、基礎的な訓練を詰め込むことができるのは今日だけだ。この様子だと、何とか間に合ったらしい。


「訓練場、もう空いとる?」


 入口付近に立っていた三人に声を掛けたのは、渋谷 梁だった。靴を脱ぐのが面倒だったのか、ドアの前に置いてあるすのこに膝を立てている。いつもの駅係員の制服ではなく、黒いTシャツにトレーニングパンツというラフな姿だ。


「先輩?」

「ああ!火曜日!!……すんません、すぐ片付け」

「かまへんかまへん、急がんでええから。メンバー、全然集まってへんし。急かしてすまん」


 毎週火曜日の19時から23時までは、渋谷率いるOB部隊の訓練時間として使用することが認可されている。ヤクモは時計を確認した。18時59分、普段通りならば既に片付けが終わり、先輩達へと引き渡している時間だ。慌てて立ち上がると、訓練中のメンバーの元へと走っていった。

 渋谷はジム用の上履きをカバンから取り出し、靴ひもを確認するように結び上げる。隣には、いつの間にかノゾミが座っている。顔を上げると、ヤクモに指示を受けたメンバー達が慌てて片付けを始めていた。


「ところでお前ら今何の、訓練……」

「実戦演習のために根詰めてるみたいっす。ミコトもすげー頑張ってんですよ」

「数日後なのよ。渋谷さんも観に来るでしょ?」

「……」

「渋谷さん?……、リョウ兄?」


 渋谷の視線の先には、ミコトがいた。苦笑いを浮かべ、そんなに持てませんよと言いながら、モデルガンを両手いっぱいに抱えている。


「……、ハヤテ……?」


 ノゾミには、はっきりと聞こえた。随分掠れた、振り絞るような小さな声だったが、兄貴分は彼の相棒の名前を呼んでいる。遠い過去を見つめる両目に映っているのは、ミコトではない。


「しっかりしてよ!お兄ちゃんがいるわけないじゃない!!」


 彼の腕を掴み揺さぶりながら、ノゾミは悲痛の声を上げていた。びくっと跳ねるように、渋谷は現実へと引き戻される。今にも泣き出しそうな、妹分の顔。一体何をしていたのだろうと、辺りを見回す。カムイは神妙な面持ちだ。ノゾミの声に驚いたのか、片づけをしていたチーム・アルファの動きも止まっていた。その中には、心配そうにこちらをうかがうミコトの姿もある。どうやら、やらかしたのは自分のようだ。


「あー……。まーた、老眼入ってんな」


 妹分の頬を軽く摘まみ、すぐに離した。お兄ちゃんがいるわけない、その言葉が彼女にとってどれだけ残酷なことか。どうか泣かないでくれと祈りながら、渋谷 梁は立ち上がる。

 呉羽 奏と、ミコトは顔がよく似ている。他の人に言ってもあまり理解はされない。当然だった。似ているのは、自分とあいつが出会った頃、15歳の頃のハヤテだ。面接にやって来たミコトを見た時、渋谷は困惑した。あれからミコトを見れば見るほど、10年前に戻って来たような、そんな気分になった。


「ただの、老眼や」


 誰ともなく呟くと、彼は一人、訓練の準備を始めた。彼の仲間が揃い始めたのは、その数分後のことだった。




***




 会場は、街の中心部から少し外れた所にある廃村だった。攻撃によって破壊され、手付かずとなった地域を管理する名目で、実戦演習場として使用しているのだと説明を受けた。ひん曲がって途中で切れている線路や、崩れかけたビルの壁があまりに生々しい。


「さて、いよいよ本番だ」

「やっぱ円陣組んどこうぜ、きっと映ってら」


 場内にはいくつものカメラが設置されており、学内の見学会場と中継が繋がっている。安全上の理由で、観客はこちらで直接見ることはできないが、色んな角度からの映像を楽しめるそうだ。また、隊員がそれぞれ身につけているIDカードのマイクロチップから、常に情報が送信されるため、両陣営の選手情報も見ることができるのだという。パブリック・ビューイングとでも言うのだろうか。


「ほらほらミコトも!早くおいで」

「はい!」

「今日はカムイ行っとけ!」

「よっしゃ任せろ!ノゾミちゃん、最初の頼むぜ」


 肩を組み全員の顔を見渡す。見る顔、全てが凛々しくやる気に満ち溢れている。仕事の時とは少し違う、心から楽しもうと期待している顔だ。

 ノゾミ班長はどこか満足げに微笑み、すっと息を吸う。


「安全!快適!迅速!正確!!」


 いつもの円陣と同じ掛け声だった。ノゾミ班長の凛とした声が、大きくがつんと響く。カムイ隊長は、にっと笑い口を開いた。


「勝利優先!お祭り上等!どこまでも楽しめ! Wind of !!」

「MAROON!!」


 それは、初めて聞くフレーズだった。初めてなのに、すとんと心の奥に落ちてくる。気合の入った、男性達の太い声が主立っているのに、とても美しい響きだった。Wind of MAROON、マルーンの風。美しい響きは、いくつもの風を起こしながら走り抜けていく帝国鉄道、もっと言えば帝国そのものを指しているように感じられた。


『これより競技が開始されます。健闘を祈ります』


 静かに開始が告げられた。顔を上げた全員は、清々しい笑顔とやる気に満ち溢れた歓声を上げた。その中には、自分の声も響いていた。

 カムイ隊長は、やはりにっと豪快な笑みを浮かべて言った。


「さあ祭りだ!楽しんでこい!!」


 指示通りの場所へと、それぞれが走り出す。俺にも、重要な役割がある。俺が失敗すると作戦が破綻するとまで告げられている。それでも、いつもほどのプレッシャーを感じることもなかった。慣れなのか、それともこれが自信なのか。不思議と気分は落ち着いていた。

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