(8)すみません。保留でお願いします。
「リン……自分の役割を放棄するのか……?
そうなると、お前は神の意志を背いた罰として
不幸のどん底に落ちるぞ……
そうなる前に俺のところに来い」
ぎゃああああああっ俺様節きたーっさすが王子様だ。
って、これ以上に不幸のどん底に落ちるって
意味分からないんですけど!!
そう、僕が心の中で叫んでいると
賢者さまがローレに向かい
「おや、もうリンさんは、神の巫女として
役目は済んでるだろう?だったら
別に君の所へ行かなくてもいいはずだよね?」
その言葉を聞いた僕とローレとルーンが
目を見開き驚いて賢者の顔を見た。
「どういう事ですか!?賢者さま もう僕の役目は済んだって!!」
「君は、すでに勇者と巫女を産んだから、もうその役目は終わったってことだよ。だって神の力とかは子供たちに譲られているはずさ
なあ、王子さま?知ってだろう その事を?」
はい!何それ初めて知りましたよ
じゃあ、別に今はローレと結婚しなくても良いってことじゃ……
そう思い、ローレは眉をしかめながら賢者を睨んでいた。
「それは、本当のことなんですか?ローレ様
僕が子供産んだら、巫女の役目は終わりという事は?」
「ああ……そいつが言ったとおりだ……」
ローレが苦々しく呟いたのを聞いて
信じられないと見つめてしまった。
「だから、リンさんは、神の祝福を受けられないとか大罪人にはならないよ。まあ、そんな事になったら僕が宿命の糸を引きちぎる予定だから、安心したらいいよ♪」
……―ってなにげにスゴイことおしゃったよ!!賢者さまああああ
と言うかなんでそこまで僕のことを?
「あっあの賢者さま、なんで僕のことを、
そこまでして、助けてくれようとするんですか?」
疑問に思って聞くと――
「もちろん、君のことが好きだからだよ。それと奥さんにしたいと
理由もあるけど―?それじゃダメかい リンさん」
―――ええええええええぇぇぇぇぇぇぇっ
その時、周りの空気がピシッと固まった。
ポカーンとしている僕に賢者さまは
「ああ、私なら君をぜったいに幸せにするよ。だから
返事はゆっくりと待ってるからね」
と言ってくれた。
えーっと、
えーっと、すみません。
もう僕の頭がいっぱい、いっぱいなんで
そのお返事は永遠に保留とかダメですか?