(4)これやるから黙っとけ
森に行くと、お目当ての薬草を摘み取り、
僕は今の季節なら川辺にさく蛍草も一緒に
持って帰りたいと思い
行ったのが間違いの始まりだったーー
川に出ようとした道からなんと
黒い物体が現れた。そいつは、メアリーが言っていた噂の魔物だが
よく見ると怪我していて、もうほとんど、即死の状態だった。
そして魔物が来た道から
なんと1人の男が出てきてこちらにゆっくり歩きながら来た。
ーあっあれは!?まさかー
その男がこちら見た瞬間、しまったと思った。
気付いたら、逃げないようにご丁寧に金縛りの術をかけて
僕を動けないようし僕に話しかけてきた。
「やあ、こんにちは、こんな所で一人で薬草つみかい?
それと、久しぶりだね?リン」
「なんで、勇者のあなたがこんな所にいるんですか!ルーン」
そう、僕に話しかけたのは、従妹のルーン
職業は・・・勇者らしい・・・けどこいつの本性は、
お金大好きな守銭奴である意味、色々たちが悪いのだ。
「たまたま、だよ。従兄どの」
「お前に、たまたまがあるのものか、どうせ、お金が良さそうな仕事のためだろ・・・」
「はははは、たしかに隣の国のお姫様を助けたらさ、
なんかそこのお姫様の婿に言われたけど
そんなモノよりお金ちょうだいって言ったら、
何かあっちの王様が急に怒りだしてきたからさ
とりあえず、そこの宝物庫から頂けるだけ、
金をもらってきた帰りだよ~」
「・・・相変わらずなんだね ルーンは・・・」
「で、5年前、急に居なくなった君を見つけたと、王子に知らせなくちゃね」
「わあああああっ待て、待て、ルーン 僕はここにいるの黙ってくれ。お願いだ」
「え~~~~~なんでさ、君がどこにいるか知らせたら金1枚もらえるんだぜ。嫌だよ」
「ーー。」
何が金1枚だって~~~~~~なんだそりゃああああっ
けどここは、落ち着いていこう。騒いだら負けだ。
「ルーン。金3枚やるから、僕がここにいるのは黙っとけ」
「マジで!!ドケチのリンが金を3枚も!?わかった。黙ってる!!」
うん。こいつは、ある意味お金以外、
ほんと興味がなくて良かったと心の底から思った――。