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僕は魔法少女に変身する  作者: マナマナ


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33/42

仲間だから 9

「みんな!平気?」

 

「ごほ、ごほ・・・ジーアこそ大丈夫なのか、ごほ」

「ティーナ、よかった。ミアンもグローも無事みたいね。ブーア、タイミング、バッチリだった?」

「ああ。ジーアが話しかけてきた時はびっくりした。シャハトはあたい達が心の中で喋れるの知らなかったみたいだから気付かれなかった。あいつの注意をこっちに向けてジーアが近づくのを気付かせなかった。でもほんと、生きててよかったよ」

「ほんとです。気を失わない様にするの大変でした。でも間に合ってくれて良かったです。あれ以上だったら今頃みんなやられていたでしょう」

「ほんとほんと。あたしあいつに舐められた!もう最悪!ほんとお風呂入りたい」

「なあジーア、それ、なんか凄すぎねえか?」

「えへ。そうなのティーナ。これなら絶対シャハトのマルヴ破壊できる。私達はこの戦いに勝利するの」


 シャハトは予想以上に苦しみもがいていた。舌は壊れた玩具のように四方八方ベロベロしている。自分でも制御ができていないみたいだ。


「ググ、ググ、ググ、貴様!死んだんじゃなかったのか!変な声まで出したのに!」


 ジーアはアダマスの鎌を構えると

「もう終わり。あなたのマルヴは私達が元の世界に帰してあげる。そして転生の環に戻って新しい命となってこの世界に生まれてきて。それが私達魔法少女の役割だから」

「き、貴様なんか!貴様なんかにぃ、俺が、やられるわけ、ねえだろぉ!」

 シャハトの舌はジーアを突き刺すように襲いかかってくる。だが真っ赤な光の雨がカマボコのように切り刻んでゆく。それはミアンのカード達だった。

「赤短鮮血!さっきのお返しだからね。あたし。本気で怒ってるんだから」

「わたくしもですわ」

 グローはずっと体内に帯電していた電気を一気に放つ。シャハトは顔半分が真っ黒に焼け落ちた。


「名前はありませんけど効き目は抜群なんですよ。気に入っていただけました?」

「ならあたいも」

 ブーアは体を銀白色の金属に変えて

「ティーナ。あたいにとびっきり熱いやつ頼む!」

「オッケー任せなブーア」

 銀無垢の体はあっという間にティーナの熱を全体に行き渡らせていく。真っ赤な体になって

「名付けて『赤い彗星アタァック』!不味くて悪かったな!」

 ブーアはシャハトの体を貫くと完全にマルヴが顔を出した。もう守る体は何処にも無い。


「グググ・・・こ、これが貴様等の力・・・・」


 そろそろ終幕が降りる頃合いにティーナが一歩前に出て


「確かにお前の言うように私達はそれぞれの力を十分には引き出せてはいない。私達は仲間だ。みんなで力を合わせれば負けることなんてけっして無い。私は自分の弱さに負けて一旦はみんなから離れた。一人の方が上手くいくような気がしてた。でもそれは間違いだった。そんな私に仲間が気付かせてくれる。お前は私達の仲間としての団結の前に負けたんだ。ちと長くなっちまったがお前にも感謝してる。お前がいなかったら私達は分裂していたかもしれなかった。さあ、シャハト、自分の世界に帰る時間だ。後は任せたぞジーア!」


「任せて。みんな未来に行こうね」

 ジーアの身体はピンクの光で輝いている。


「ググ、ググ。・・・ティーナ・・・負ける・・・のか?俺は、まけ、る・・・?」


「今楽にしてあげる。いっけぇ!」

 ジーアはシャハトのマルヴに向かってアダマスの大鎌を思いっきり振り降ろす。激しい衝撃音が波動となって世界中に響き渡ってゆく。


「うわ!・・・か、固い!こんなの初めて!くぅ・・・跳ね返されちゃう!」

 ジーアの手が震えてきた。このままだと本当に跳ね返される。あと少しなのに。

 もっと。もっと。私に力を・・・そう願った。


「仲間だろ。私達」

「そういうことですわ」

「力が足りないなら遠慮なく言ってくれ。あたい達は『チーム魔法少女』だろ」

「あたしも、あたしも!混ぜてよ」


 みんなでジーアのステッキを支える。


「みんな。うん、私達は仲間。そしてこの世界を守る『チーム魔法少女』だよ!」

五人が揃うと眩いばかりの光が色とりどりに重なって勝利の象徴のように世界を照らしている。


 少しずつマルヴにアダマスが食い込んでいく。


「・・・や、やめ、ろぉ!壊れる・・・父上ぇぇぇぇぇ・・・・シャハトは・・・・・・負けました」


 シャハトの顔は見る見る崩れてゆく。まるで灰のように真っ白になって

「申し訳ありません!!!!」

 その言葉を最後にマルヴはアダマスによって完全に真っ二つに割れた。


「シャハト。これで生まれ変われる。きっと次は良い人生が待ってるよ」

 粉々になっていくマルヴ。それは夜空の星のようにキラキラと散っていく。


「お・・・終わった・・・倒した」


 ジーアの力は抜けてゆく。同時にアダマスの大鎌は光となって天に還っていく。


「ありがとう・・・力をくれて。ありがとうジーア、原子達。それから・・・みんながいたおかげ。グロー、ティーナ、ミアン、ブーア、みんな大好き・・・・・」


 今度は気が抜けてジーアの体は地上に向かって降下していく。


「おっと、大丈夫か?」

「・・・・・・ありがとうブーア・・・魔法力・・・使い過ぎちゃった・・・みたい」

「安心しろ。あたいが家まで送ってやるよ」

「うん・・・お願い。ティーナいる?」

「いるよ。何だジーア」

「もう一人になるなんて言わないで。悲しくなっちゃうから」

「すまん。ほんとごめん」

「ほんとですわ。仲間割れなんてしている場合じゃないんです」

「まだ根に持ってるのかグロー。謝ったよな私。相変わらずネッチコイ性格だよ。お嬢様なんだからもうちょっとそれらしく振る舞えってぇの」

「何ですって!今回だってあなたの品の無い行動が・・・」

「ハイハイ終わり終わり。でもこれでやっといつもの二人に戻ったな」

 ブーアの言葉にグローとティーナは顔を合わせると思わず笑ってしまう。それを見て今度はみんな笑う。


 世界は今魔法少女の勝利と優しさの笑い声で満ちている。


「ねえねえみんな」

「ミアン分かってるって、風呂だろ。このきれい好きめ」

「それもあるけどティーナあれって見える?」

「何?どれよ?」


 ミアンの指差す方をみんな目を凝らして見る。そこにはシャハトのマルヴの破片が漂っていた。


「なんかさ、消えないで動いているように見えるんだよね。あたし達勝ったでいいんだよね」

「マルヴを壊したんだ。当たり前だろ」

「だからだよ。変だなって」

「まさか復活するんでしょうか。そうなったらかなりまずいことになりますね」


 魔法少女達の視線が集中した、まさにその時、闇の隙間から大きな漆黒の手が伸びて欠片達を持っていってしまった。


あまりにも一瞬のことで何が起こったのか誰にも分からなかった。再び魔法少女達に緊張が走る。


「な、なんだ、今の?」

「分かりません。しかしこれでマルヴは完全にこの世界から消えたようです」

「まだ何か出てくるのか?」

 ブーアが言った後、ティーナはシャハトの言葉を思い出す。

「アイツ確かこんなこと言ってたな。自分にはあと五人兄弟がいるって」

「ほんとですかそれ!そう言えば最後に父上って」

「言ってた。あたしも聞いた」

「もしかして・・・その兄弟が今から出てくるの?どうしよう・・・もう魔法力ない」

 ジーアの言葉が終わるのを待っていたかのように闇から何かがすり抜けてくる。

「来た!お前、シャハトの・・・・」

 

 戦いは終わってなかった?これからが本番なの?誰もがそう思っていた。

そろそろ一区切り見えて来そうかな。

読んでいただきありがとうございます。

でもご安心。←何が?

物語はもう少し続きます。

読み返すと楽しいシーンが無いような…

どんな展開が待っている?

それを知るのは彼女達だけ。あ、私か?

次回も読んでいただけるよう頑張ります。

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