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僕は魔法少女に変身する  作者: マナマナ


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31/44

仲間だから 7

 ジーアは周りを見回している。何かを探しているみたいに。

「だったら・・・ない・・・どこにもない!いないの!シャハトがいない!」

「何だって!」

 魔法少女達は一斉に振り向く。


魔法少女達の前にはティーナの放った炎はなく、あるのは何も無い闇と静粛だけだった。ジーアの言う通りシャハトの姿は何処にもなかった。


「ほ、ほんと。どこいったのかしら。みなさん集中して下さい。油断は禁物です」

 グローの声は緊張で張り詰めている。

「マルヴまで燃えちゃたんじゃない。だって凄かったから」

「もしかしてマルヴ自体がなかったとか」

「ミアンもブーアも確かめるまでは決めてかからない方がいいと思います。わたくしもあのドリーチェのマルヴは見ていません」

 ジーアとティーナも顔を見合わせる。

「倒してない。グローの言う通り集中した方がいい」

「どうしてそう言えるんだ?結構な魔法力使ったんだぜ。あれで燃えてないなんて信じられないけど」

ティーナはまだ信じていない。ジーアの頬には一筋の汗が流れる。緊張という汗が。


「引っかかってるの」

「は?何がだ?ジーア」

「初めて会った時シャハトはこう言ったの。自分達もドリーチェだって。だからドリーチェであることを考えたらマルヴは絶対あるはずなの。なきゃ駄目なの。そうじゃなきゃ私達魔法少女に勝ち目なんて絶対にない」

 ジーアはステッキを握る左手に力が入る。額にも嫌な汗が滲み始める。

「きっと今も何処からか私達のことを見ている」


    「ご名答、だ〜い正解。みなさんにはご褒美あげないとね」


 闇の間から声が響いてくる。と同時に目の前の闇自体が動き出す。闇という空間の中から現れる。

 

 真っ直ぐにジーアの首にあっという間に巻き付いた。


「・・・う・・・う・・そ」


「ジーア!」

 

 ジーアにはティーナの声はもう届かない。耳の奥から鈍い音が聞こえる。全身の血が止まってしまった。何も考えることができない。ゆっくりと力がキリキリ、キリキリ音を立てて締め付けてゆく。


 闇は腕の様に形を歪めてから闇自体がシャハトの姿形に変化していく。

 ジーアは全身の力が抜けていく。左手にあったステッキは真っ直ぐ地上に向かって落ちて闇の中に紛れてしまう。


「シャハト!姿を見せろ!」


 ティーナの声に返事するように笑い声が闇夜にこだまする。

「ククク。慌てるなよティーナ。あんまり騒ぐとこいつの首が闇に消えていくことになる」

 ジーアの顔は真っ白に血の気がない。だらりと人形のように揺れていた。みんな助けたいのに一瞬の判断がジーアの命に関わると思うと攻撃の一手が出せなかった。


「ジーアを離せ。お前の相手は私がしてやる」

「私に一撃加えたからっていい気にならないように。偶然よ。でなきゃ私に指一本触れるなんて絶対出来っこないんだから。いいこと。さっきのはサービスよ。それにしてもあんな不味いもの私には食べれないわ」


「不味いもの?おいグロー何のこと?」

 グローは言い辛そうにしている。代わりにミアンが答えた。

「シャハトの奴、ブーアを舐めた瞬間不味いって言ったんだ。でもグローのことは美味しいって。あいつホントにあたし達食べるつもりかも」

「はあ?グローは美味くて、ブーアは不味いって?」

 ティーナはさらに聞こうと思ったがブーアが制して

「そのことは後だ。今はこの状況をなんとかしないとジーアが・・・」

 一瞬目を離した時だった。ティーナに何かが投げつけられる。


「こ、これは」


「ククク、貴様等が下らんこと話してるから退屈してつい力を入れちまった。そしたらこいつ『キュ〜』なんて声出して完全に沈黙した。もう終わりだ。形見だ、受け取れ」

「・・・なんてことしやがる!殺すことなんてなかっただろう!」

 ティーナは涙を浮かべてシャハトに向かって怒鳴った。シャハトが滲むように闇の中から姿を現す。その姿に一同驚愕する。


「ク〜クク。ティーナ、貴様の攻撃のおかげで俺の身体がおかしくなっちまったじゃねえか。それにこれを見ろ。俺達の魂でもあるマルヴが暴走してんだよ」

 シャハトのマントはすっかり焼け落ち、露出した身体の胸のあたりに赤く光るマルヴが顔を覗かせている。心臓の様に鼓動を打っている。

 シャハトの身体自体は透明なのか闇なのか分からないが首から上、肩から腕以外は何も無いように見える。だがその漆黒の身体から覗くマルヴの放つ光は異様な位明るい。


「終わりにするか。今から魔法少女はこの世界からいなくなる」


 シャハトはジーアを放り出す。ジーアの身体はそのまま重力に従うように落ちて消えていってしまった。

「ジーア!」

「ティーナ、あたしに任せて」

 ミアンはジーアの後を追おうとした時

「誰も行かせない。お前等もすぐに行く。だから必要ない」

 シャハトは腕を伸ばす。それは際限がないくらい伸びていき、残った魔法少女達全員を取り囲んで締め上げていく。


「があぁぁぁ!は、離せ!」

「い、いたぁい!離して!死んじゃう!」

「うう・・・こ、このままでは・・・」

「な、なんて力だ・・・くっそ!」


「ククク、ククク、言い残すことはないか魔法少女達。いや、依り代に選ばれた哀れな人間達よ。安心しろ。この世界はもうじき父上のモノになる。残った人間達は父上の復讐の代償としてじっくり殺していく。人間達にとっては恐ろしい世界かもしれないが俺達にとっては楽園になるだろう。さあ。終わらせよう人間の歴史を。そして始めよう新しい歴史を。魔法少女さえいなければとっくの昔に人間なんて滅んでいた」

 シャハトは笑いながらジワジワといたぶることを楽しむように力を増してゆく。


 黒い笑い声と悲痛な叫び声だけが今この世界に響いていた。

あ〜もう〜1月も半分過ぎたよ〜〜〜〜

読んでいただきありがとうございます。

知り合いにお餅を貰いました。なんと自分で搗いたとか。すごい。

これはぜひお汁粉にしたい。なので餡子を買いにいかないと。

私のお気に入りは『わかば』というたい焼き屋さんのモノです。

都内には三大たい焼き屋があります。その中の一つです。

お餅は今年初。楽しみ〜。甘いものを補充して頑張って書くぞ!!

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