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僕は魔法少女に変身する  作者: マナマナ


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21/30

もう一人。そして世界は動き出す 4

「おいおい。これってやばくないか?」

「すっかり囲まれてしまいましたね」

「うわ〜・・・すごい数・・・」

「さて・・・どうやって闘おっか。なんか策ってある?」

 ジーア達四人は見た目で圧倒されていて狼狽を越えてしまって冷静な判断が出来ない冷静さの中にいた。


「あたいに任せな」

 変わらずやる気満々のブーアは両手の拳を胸の前で突き合わせると

「ここの地面が土でなによりだ」

「土?ねえブーア、土をどうするの?」

「まあ見ててくれ。合図したらみんな空に飛び上がるんだ」

「そ、空?」

「ああ。いっくぞ〜、あたいの魔法力、解放!」

 大地が揺るぎ始める。地響きが辺り一面に轟く。

「今だ!みんな飛ぶんだ!」

 言われた通り一斉に空を目指す。

 

 その瞬間、大地がもの凄い音を立て隆起を起こし始める。ドリーチェの大群はジーア達目掛けて次々飛びかかろうとしたが、土が壁のようになってどんどん迫り上がってきて、ついには地上にいくつもの壁をつくる。ドリーチェの跳躍力ではとても越えることができなさそうだ。あたらめてみると囲い込まれたドリーチェの大群がいる。牧場だってこんな光景を見たことはないだろう。壁はさらに四方から迫りドリーチェ達は隙間なくすし詰め状態に追い込まれてゆく。


「お〜凄いなブーアの奴。土を操れるんだ」

 ドリーチェの攻撃は一切届かなかった。そして隆起が収まると今度はその土の壁から沢山の玉が飛び出していく。更にその玉一つ一つが形作られていく。やがて出来上がったのはブーアの分身達だった。その数は分裂したドリーチェと同じかそれ以上に見える。


「凄いわねブーア。あんなことも出来るなんて」

「でもさジーア。あれってただの泥人形だろ。強さはどうなんだろうな」

「分かんない。ねえグロー、そろそろ私達も本格的に準備した方がいいかな?」

「ジーア、これを見てからにしましょ。それからでも遅くはありません」

「うん。けど・・・ちょっと・・・」

「心配なのは分かります。わたくしだって気持ちは同じです。信じましょうブーアのこと」

 グローはあくまでも冷静な立場を貫こうとしていたが

「私は加勢するぜ。止めるなよグロー」

「あたしも闘いたい」

 待てないティーナとミアンがグローに詰め寄る。やっぱりジーアも一歩前に出た。

「まったく・・・ジーアもなの?」

「私だってブーアのこと信じてる。けど、私達は仲間なの。今日会ったばかりだけど私達は同じ魔法少女なの。ブーアはああ言ってるけど、それってブーアが私達に自分のこと信じてもらいたいからであって、もう十分信用出来るって分かったから、だから今度は私達みんなで力を合わせた方がいいと思うの。あんな魔法、絶対もの凄く魔法力使ってるって」

 ジーアの真っ当な言葉にグローは納得した。

「分かりました。わたくし達も行きましょう」

「そうこなくっちゃ。おっしゃ〜、ブーア待ってな。今、私の魔法見せてやるよ」

「あたしも行くよ。みんなに見せてあげるんだから」

 ティーナは全身から炎を上げ、ミアンはカードを従えた。


 その様子を見ていたグローはジーアの方に向き直おると

「わたくしよりジーアの方が向いてるみたいね」

「急に何のこと?」

「リーダーです」

 グローははっきりと言う。ジーアは急にそんなこと言われても状況が飲み込めないでいた。

「そ、そんなことないって。グローの方が私より冷静だし。グローがリーダーでいいと思うよ。みんなだって賛成してたよね」

「ほんとうにそうかしら?わたしくの言うことよりジーアの言ってることの方がみんなには伝わるみたいだし」

「私は状況にただ補足しただけ。だって、グローはブーアを信じてるからこそブーアに任せようと思ったんでしょ?私は多分無理。出来ないよ」

「ジーアはみんなの心を一番よく理解してると思います。大人という余裕の現れなのでしょう」


 こんな時に大人と子供を比較するのはずるい。そんなの当たり前の答えしか出ないでしょ。


「もう!いつものようにしっかりして!リーダーはグロー。あなたが私達のリーダーなの。大丈夫心配いらない。自信持って!そして私の言ったこと信じて。それに仲間なの。助言なんて当たり前のことなのよ」

 ジーアの説得が届いたか分からないが、グローは深く目を閉じて再びジーアのことを見ると

「・・・分かりました。行きましょうわたくし達も。ジーア、ブーアをサポートするわよ」

「もちろんよ。グローはそうじゃなきゃ張り合いがない。自信持って。いくよグロー。受け取って」

 ジーアはステッキを構えてグローの為に水素と酸素を集める。グローは集まった元素を反応させて大きな水の塊を作った。

「ありがとうジーア。この辺りに水がないからどうしようかと思っていたところですわ」

「その調子。だんだん普段通りのグローになってきた。やっぱりグローはそれでいいんだよ」

 グローは顔を赤くしながら

「当然。わたくしは魔法少女達のリーダーなんですから。・・・ジーア、ありがとう」

 ジーア達はブーアを取り囲む様にその場に降り立った。


「・・・みんな」

「ここからはわたくし達も戦います。もう十分です。ブーアはわたくし達の仲間。世界の理を守るための魔法少女です」

「・・・みんなに認めてもらえたってことでいいのか」

「認めるもなにも、私は最初から仲間のつもりだったけど。さあブーア一緒に戦おう。それとも疲れか?」

「ティーナ・・・冗談言ってもらちゃ困るな。あたいは体力が自慢なんだ」

「頑張りましょう。でもホント無理してるなら言って。私達は世界のための仲間なんだから」

「そうそう。早く終わろう。そしてお風呂入ったら気持ちいいよ」

「ジーア・・・ミアンも・・・風呂か、悪くない」

「そうそう。今からあたし達の力みせてやるんだから」

 魔法少女達は顔を見合わせるとみんな微笑んだ。みんなが一つになっていく。


 ドリーチェの群れは容赦なくジーア達に襲いかかってきた。そんなこと百も承知。


「いっけ〜。私の炎でくたばっちまいな!」

 ティーナは炎を弾丸のように次々相手目掛けて放ち、四方八方から飛びかかってくるドリーチェを次々と丸焦げにして動きを封じるとさらに内側から膨張して破裂してゆく。

 グローは水を氷に変化させ、さらにファンネルの形にしてその先端から超高圧で圧縮した水を相手に向けて放つ。ドリーチェは粉々になってゆく。その威力はビルの壁くらいならやすやす破壊出来る程である。

「わたくしの敵ではありませんね」

「あたしだってやるんだから」

 ミアンはカード全部に祈りを込める。

「あたしの魔法。名付けて『赤短鮮血』みんな気をつけてね」

 ミアンはカード自体を武器にする。カードは真っ赤に色を変え、次々と血の雨霰のように相手に斬り掛かる。

 しかし切れ味は抜群なんだが甘い所もあって命中率がイマイチなのだ。一番最初に使用した時はジーアのスカートを切ってかなり際どいところまでジーアの足は露になったし、ティーナに至っては髪を豪快にかすめて危うく『波平さん』になってしまうとこだった。とにかく数打ちゃ当たる的攻撃を習得していた。

 おかげでこの魔法の時はみんな距離を取るか、それぞれで防御しないとならなかった。


「うわ〜今はいいけどちょっとでも調子に乗ったらすぐにコントロールが甘くなるんだから。でもみんな凄い大活躍。私も負けてられないね。よっし、原子達いくよ。ステッキに集まれ魔法原子『オリハルコン』。私に力を貸して」

 ジーアも独自に魔法を開発していた。『魔法原子』これはかなり特別な原子だ。

 それはどんな原子なのか・・・みんなの前で初披露するジーアだった。

北風が強くて鼻水が飛ばされてゆく今日この頃です。

読んでいただきありがとうございます。

散歩が趣味の私です。

歩きながら風景を見たり、空気を感じたり。寒いけど気持ちが良いです。

気持ちをリセットしているつもりが目に入ったカフェに入るとか煩悩丸出しです。

そして帰ってきたらPCと睨めっこです。

今年も残り数えるほどですが、次もよろしくお願いします。

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