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僕は魔法少女に変身する  作者: マナマナ


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18/28

もう一人。そして世界は動き出す 1

 あれから何日か過ぎた。

 正確には一週間と一日。その間三回ドリーチェが現れ、それを倒した。一回だけグローとティーナは喧嘩をした。ミアンはお風呂で二回遅刻して、グローに二回怒られた。


 そして

 僕は魔法少女として活動していない時は普段通りの生活を送っている。家と会社の往復。変わったことと言えばみんなとメアドを交換したことくらいか。

 たまに有栖や瑠璃さんからメールが届く。単なる近況報告というか世間話程度。鏡一郎なんかはこっちから連絡しないと全くの音信不通になってしまう。それも仕方ない。僕と小学生の間に一体どんな話題があると言うのだ?

 夜は自室にてジーアと話していることがほとんどだ。

 それにもう一度化学の勉強をしている。元素なんて細かく勉強したことなんてなかった。もっと深く知れば今後絶対役に立つはず。

 おかげで家族との会話が随分減った。特に娘の綾とは何時顔を合わせたっけって言うくらい会っていない。そう言えば妻が言ってたな。最近、綾が元気無いって。学校で何かあるのだろうか?親として気がかりだが、どうやって話を切り出すか分からなかった。しばらくは妻に任せよう。そう思うと少しだけ後ろめたい気持ちになった。


 今夜もドリーチェは現れそうにない。静かな夜になりそうだな、と思った時だった。


「メール。有栖からか。え〜なになに『魔法少女に変身してください』ってどういうことだ?ドリーチェはいないよな」

 返信。すぐに返ってくる。

「はや・・若いな。え〜と『理由は後で説明します。とにかくお願いします』か。分かった。変身すればいいんだな」

 家族を気にしつつドアも少し開けて周囲に誰の姿もないことを確認して用心のため鍵を静かに締めた。

 僕はにステッキに祈りを込めて振り下ろす。この時に出るピンク色の光はどうにかならないのだろうか。絶対ドアの隙間から光が漏れている。

 ドキドキしながら変身は完了。それから私は心の中でグローに話しかけた。


「ジーアよ。聞こえる?今言われた通り変身したわ」

 すぐに声が返ってくる。

「やっと繋がったわ。あなたが一番最後です。すぐこちらに向かって下さい」

「もちろん可能だけど。で、どこに行けばいいの?」

「わたくし達は今奥多摩にいます」

「おくたま?・・・随分遠いね」

「仕方ありません。ここが指定場所なのです」

「指定場所?」

「詳しくは顔を合わせたときでお願いします。だからなるべく早くいらしてください」


 なんだか要領を得ないが簡単に返事して私は部屋の灯りを消して寝ているようにベッドに細工する。そして怪しまれないためにドアの鍵を開錠してから静かに窓を開けて夜空に向かって飛び出す。


「あ〜変身したのって久し振り。夜もだんだん暖かくなってきたなぁ。さあ、どっち?ええと、奥多摩ってこっちでいいのかな?ま、中央線から青梅線になるから線路を見失わなければ大丈夫かな」

 私は線路を常に視界に入れながら大急ぎで飛んだ。一体、奥多摩に何があるのだろう?


 しばらく飛ぶと街の灯りがだんだん少なくなってゆくし気温も少しだけ変わる。

 都会の街中とは違う匂いもしてくる。緑の匂い。マイナスイオン。山を越える。

 私は暗い視界の中、路線を見失わないようにするのに骨が折れた。

 やがて最終駅が見えてくる。もうこれ以上先には線路は無い。

 その先には山々が荘厳な感じでそびえている。思わず深呼吸。空気・・・美味。


「おっそ〜い。待ったよ」

「ミアン、お待たせ。みんなは?」

「うん。みんなそこに」

 ジーアはミアンの指す方を見る。グローとティーナが少し離れた所で何かを探している。

「お待たせ。グロー。早速聞かせてもらいたいんだけど」

「最後なのに随分なご挨拶ですね」

「だって、ドリーチェじゃないのに集まって、何の用なのかなって」

「そうだよ。ジーアが来たから私達もやっと教えてもらえるよ。で、グロー、こんなとこまで連れてきて何があるんだ?」

 どうやらティーナもミアンも詳細は知らされていない。

 グローは全員が揃ったことで話始める。


「分かりました。そのことなんですけど。昨夜わたくしが魔法少女でいる時に声を聞いたんです」

「声?それって・・・」

「そうですジーア。わたくし達じゃない魔法少女の声です」

「何それ、五人目?」

「そういうことですミアン。新たな魔法少女が一人増えたようです」

「ほぇ〜また増えたの?で、今度はどんな人がなったんだ?」

「ティーナ、それはわたくしにも分かりません。それでみんなと一度会いたいってことで集まってもらいました。場所は彼女の指定だったのでこの場所になったのです」

 ついジーアも周りを確かめてみる。でもまだその姿は見えてこない。

「で、その魔法少女はどこにいるの?」

「もう約束の時間は過ぎているんですけど・・・それらしい人・・・見当たりませんか?」

 みんなで空や地上を見てみる。

「う〜ん。見る限りいないみたいだよ」

「だよな。グローさ、もしかして騙されたんじゃないか?」

「は?騙された?わたくしが?もしそれがティーナなら雷を今すぐ頭に落として差し上げますわ」

 急にパリパリ音がする。なんですぐに本気になるかな・・・ジーアはとりあえず宥めておく。

「こわ〜。言っとくけど私じゃないよ。そんな子供地味たことしないって。ミアンじゃないか?なんたってまだ小学生だし」

「ち、違うよ。あたしだってそんなことするくらいならゲームしてるし」

 ゲームという言葉にグローがまたピリつく。ジーアは溜息をついてグローを宥めた。


「冗談です。分かっていますから。新しい魔法少女はブーアって言ってました」

「ブーアか。確かに新しい魔法少女みたいね」


 しかし未だ現れる気配がない。魔法少女達は待った。待つことしかやることがなかった。


 急に足元から声が聞こえる。みんな一斉に地表を見る。

 さっきまで誰もいなかったはずの駅前に一人の姿が確認出来た。その人物は手を振っている。


「おい、あれじゃないか?」

「降りてみましょう」

 一同地上に降り立つ。

 そしてその人物をあらためて見ると白髪のおばあさんが立っていた。小柄だが背筋がシャンとしている。まだまだ元気と言った感じが伝わってくる。

「まさか・・・・」

 ティーナが言うとおばあさんはニコニコしながら近づいてきた。

「あんたら魔法少女じゃろ」

「ええ、はい。・・・もしかして・・・ブーアなの?」

 グローが聞いてみる。するとおばあさんは大きく頷いた。その瞬間一同声には出さないが驚きの色が顔に出る。そして同じことを思った。


『魔法少女って分かんない』


「そうだ。おれがブーアの依り代、『権田原 くま』だ」

「ご、権田原・・・」

「く・・・くま?」

「かかか。立ち話もなんだ。すぐそこがおれの家だ。みんな行くで」

 そう言って少し先を指差した。笑うと顔中のしわが『笑い顔』へと変化するのが面白かった。

「それと、みんな元に戻るんじゃ。その格好目立ってしょがないわ。家には孫もおってな、そんな格好のベッピンさん四人が家に来たら、うるさくてかなわんからな。無理言って済まんの」

 みんなは黙って頷いてその場で鏡を出して変身を解いた。

 権田原くまはみんなの姿をそれぞれ見て、ついでにみんなも軽く自己紹介を済ませた。変身を解いた姿で顔を合わせるのは仁と有栖以外は初めてだった。

「よしよし。じゃあ行くか」


 山の稜線が見えるほど星明かりがある。そんな街灯の少ない道を歩き始める。

 魔法少女同士ならともかく、そうではない今はそれぞれ初対面みたいなものだから、なかなか会話の糸口が見つけられずつい無口になってしまった。だから黙ってくまの後をついて歩くしかなかった。

 

 そして十五分くらい歩いた時

「ちょっと遠くないか?」

 最初に口を開いたのは瑠璃だった。

「もう少しじゃ。それにそんなヒールだと歩き辛かろう」

「だからさ、家の前まで飛んでいった方がよかったんじゃないかって」

「まあそう言わずに、もう少しって言ってらっしゃることだし、頑張って歩きましょう」

「ねえ、あんたグローでしょ?随分変わるんだね。大人しくなっちゃって」

「まあ、そのことは今は置いとこう」

 不穏な空気に僕は急いで間に入った。ほんとこの人変わらないな。

「あんたがジーアの依り代。見た目は意外と若いね」

「そうかな?」

 若い人にそんなこと言われると正直照れてしまう。返答に困っていると

「なに真に受けてるのよ。社交辞令に決まってるでしょ」

「・・・・・・。瑠璃さんこそティーナとあんまり変わらないな。髪だって同じ色してるし」

「だから言ったじゃん。似た者同士。あとは・・・鏡一郎は何してるのかな?」

「え?僕?今ミアンと話してる」

「会話ねえ。今そんなことしてたら魔法力減っちゃっていざという時に困らない?」

「まあね。でも少ししか使わないし。文句ならミアンに言ってよ。向こうが話したがるんだよ」

「ふ〜ん。ずいぶん口が達者ね。ねえ何の話してんのよ、あんた達」

「何って・・・別に」

「別にだって。子供は正直が一番なのに。そうだ、鏡一郎から私のことってどう見えてる?」

「どうって、会ったばかりだし。強いて言うなら・・・化粧の濃いおばさんってとこかな。僕は子供だから正直に言ったつもり」

「な!可愛くないわね・・・まあ、小学生にどう思われてもいいけどさ。でもおばさんはないんじゃない。せめてお姉様って言ってよね。まだまだ華の二十代なんだから」

 鏡一郎はそれ以上何も言わなかった。

 そのあとの道中、九 瑠璃は『疲れた』だの『足が痛い』だのと一人で喋っていた。

物語を書くときは音楽を聴いていることが多いです。

今もパソコンとテレビで別々の音楽を聴きながら書いています。

読んでいただきありがとうございます。

この時期は音楽番組が多くていろいろ聴けて楽しいです。

私はバンドブームで青春を育った世代です。(どうでもいい情報かな)

聴いてる音楽に結構文体が影響を受けている今日この頃です。

そんな私ですが次回もよろしくお願いします。

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