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僕は魔法少女に変身する  作者: マナマナ


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魔法少女として本格始動 5

 ティーナの身体が赤く光を放ち始める。

「一体どうするのジーア?このままだとわたくしたち丸焼けにされてしまいますわ」

「く、くるしい・・・・たすけて・・・」

「ミアン頑張って。もう少しの辛抱して。私が今から酸素と炭素を集める。グローはそれを反応させて二酸化炭素にするの。それをさらに冷やしてドライアイスにして。そこまでしてくれたら後は私に任せて。ティーナ!私が合図したら思いっきり燃やしちゃって、いい?わかった?」

「おう!いつでもいいぜ」

「急にそんな・・・」

「なんだお前。あんなに偉そうだったのに。弱気か」

「なんですって。お前なんて言わないでくださる。弱気にもなります。いきなりやったことないするのです。上手くいくのか・・・」

「ちょっと、喧嘩なら後にして。お願いだから協力して。グロー信じるの。強く願えば絶対上手くいく」

「・・・そうでしたね」

 やっとグローも青い光に包まれる。やる気が出てきた証拠だ。みんな準備が整ったのをジーアは確認。


「始めるわよ。酸素と炭素よ私達の元に集まって」

 静かに言葉を放つジーアはステッキに力を込める。ピンク色の光が渦を巻くようにステッキの先端から周りを包んでゆく。『O』と『C』の文字が光となって踊る。


「集まってきた・・・さすがに複数だと魔法力使うわ。いいわ、いい子達。そろそろかな」

 ジーア達はすっかり酸素と炭素の原子に被われている。十分集まった。

「グロー、今よ。お願い!」

「分かりました。言われた通りにすればいいのね。わたくしも反応させる魔法は初めてよ。上手くいくといいけど。さあ、お前達、反応しなさい。言うことを聞くのよ」

 グローは何とかブローチに触れると原子達に命令する。

 グローの魔法に反応して大量の二酸化炭素がティーナ以外の魔法少女達に集まって、いつしか全身をくるむ程になっていく。

「グロー、もう一つお願い」

「分かってるわ。さあ、今度は固まりなさい」

 気体だった二酸化炭素は見る見る白く固まりだす。ジーア達はドライアイスの玉に包まれてゆく。

「今よティーナ!思いっきり燃やして!」

 出番を今か今かと力を蓄えていたティーナが答える。

「待ってたぜ!みんな燃えちまえ!!!」

 ティーナは真っ赤に燃え上がる。その炎はドリーチェ全体に広がってゆく。ドライアイス玉ももの凄い勢いで白い煙に昇華されてゆく。

「ジーア、これって大丈夫でしょうね?」

「これくらい平気よグロー。こいつの力が緩んだらいっきに脱出よ。聞こえてるミアン」

「・・・う、うん、それより息苦しいよ」

「しょうがないじゃない。酸素じゃないんだから。だんだん弱くなってきてる。もう少しよ」


「うおおおお。燃えろ!燃えちまえ!」

 炎はドリーチェをすっぽりと覆う。ティーナ自身は太陽のように燃えている。


「今よ!みんな思いっきり飛んで!」

 ジーアの掛け声でグローとミアンはドライアイスの玉をぶち破って外に飛び出す。溜まっていた冷気のおかげで誰も火傷をすることもなかった。


「良かった。みんな無事だね」

「あ〜苦しかった。酸素、酸素」

「ジーア、いいアイデアでしたわ。おかげで魔法力結構消費しましたが」

 上空から燃え盛るドリーチェを見下ろす。半分以上燃えたところで体からマルヴが顔を覗かせている。

「見えた・・・あれがマルヴ。あとは壊せばいいのね」

 ジーアは今度はどんな原子を使って破壊しようかと考えているとグローは全身を光らせている。

「最後はわたくしに任せてもらえないかしら」

「え?いいの?魔法力だって・・・」

「まだ余裕があります。それに新人にいきなり手柄を取られるのも気に入りませんから」

「・・・そういうこと・・・はいはい、分かったわ。ミアンもそれでいい?」

「いいよ。早く終わってお風呂の入りたいし」

 風呂・・・その言葉にグローは物申しそうな顔をしたがこの場はスルーした。

「じゃあ任せるね。お〜い、ティーナこっち」

 ジーアの手招きにティーナは振り返る。炎の勢いは収まることはない。

「なんだよ。最後までやらせろよ」

「いいから。こっちに来て」

 ティーナは炎を収めてジーア達の元に向かう。結構素直なのかもしれないとジーアは思った。

「いいとこだったのに」

 ティーナは文句を言ったが、疲れているようにも見える。酔っていたからハイになって魔法力を加減せずに使っていたに違いない。

「まあまあ、そう言わないで。ドリーチェは幾ら外側を壊しても駄目なの。最終的にはマルヴを壊さないと終わらないの」

「マルヴ?」

「そう。見えるでしょ、あの赤く光っているの。あれがそう」

「ならそれすら焼き尽くしてやる」

 再び赤い光を放つがさっきのような勢いはなくなっていた。

「魔法力が弱いです。最後はわたくしに任せてもらえないかしら」

「・・・まあ、確かに結構疲れたけどな。まだまだやれるぜ・・・あ・・ちからが・・・」

「いいから。無理しないで。ここはグローに任せよう、ね」

 ジーアに支えられてとやっと自分がどういう状況か理解したみたい。

「・・・わかったよ。じゃあ、先輩の戦い、見せてもらおっかな。悪いな・・・体が重くて・・・えっと」

「私はジーア。いいよ。仲間だから協力するのが当たり前でしょ。グローあとはお願い」

「分かっていただけて嬉しいわ。わたくし・・・もう一つ得意なことがあります」

 青い光が強くなると同時に空気がピリピリしだす。静電気のもっと強いやつだ。近くのジーア達の髪も逆立ち始める。

「これは?」

「見てなさい、みなさん。わたくしの最大の魔法。何万ボルトの稲妻で弾けてしまいなさい!!!」

 グローは右手の人差し指を天高く伸ばし上空に電気を集めた。そして集まった電気の玉をマルヴに向かって放った。大きな雷鳴とともに稲妻がマルヴに直撃する。一瞬だが世界が昼間のように明るく照らしだされる。

「きゃあ!凄い音!」

「うお〜耳が、耳が」

「痛い!」

 マルヴはガラスの玉のようにパリーンと音を立てると砕け散ってしまう。その後には無音が辺り一面支配していた。


「・・・すごい。グローってこんなこともできるんだ」

「うわ〜・・・最悪・・・髪が元に戻らない」

「お前、凄いな。あれを最初にやられてたら一発で負けてたな」

「ティーナ、何度も言うようだけど、わたくしのことお前なんて言わないでくださる」

 グローの周りにはまだ電気の残りがあった。それを見たティーナは慌てて

「あ、ああ、分かったから・・・その・・・魔法収めてもらえないか」

 ティーナの慌てぶりにみんな笑う。

 今、この世界には魔法少女達の笑い声しか存在していない。おかげで戦いの緊張が解けた・・・でも


「無事終わった。でも・・・これが始まりなんだ」

 冷静になったジーアはこれから続く戦いのことを考える。

 始まりがあるなら終わりだってある。それはいつ?私達はいつまで戦うことになる?

 それは私自身が辞めると言った時、もしくは死んだ時?

 その可能性だってある。それなのに引き受けてしまった。本当にこれで良かったのだろうか。


「どうした?辛気くさい顔して。それにしても魔法少女、楽しみだぜ」

「ティーナ・・・これからどうなるのかなって。私、ちゃんとできるかなって」

「ジーア。弱気は駄目です。でも無理はもっと駄目です。わたくし達が世界を守っているのです」

「グロー・・・そうだね。その通りだと思う。私、ちゃんと決意したはずなのにもう弱気になってる」

「ジーア、あたしの魔法、もっと導いてよ」

「ミアン。そんな風に言われたら私・・・」

 あれ?私、なんでみんなに励まされてるの?

 ちょっと待って。もしかしたらこの中で一番の年上なのに・・・・・・


 もう一回思い出せ最初に気持ちを。こんなウジウジした中年に僕はなりたかったわけじゃない。

 情けないおじさんほど面倒な存在はない。自分が子供だった頃、あんな風にはならないって決めていたのに、今まさに僕はなりたくなかったおじさんそのものになっている。

 

 ジーアは頬を叩いて気合いを入れる。いや、入れ直す。

 自分が受け入れたのなら責任は自分にある。社会人なら責任を負わなくてはならない。たった一回の実践で弱腰になるなんて・・・

 まだまだ自分の人生を輝かせることできるはず。それは若いからとか年寄りだからじゃない。

 自分自身なんだ。僕の人生なんだ。僕が中心で回らないとならない。


「もう大丈夫。きっと私も疲れたんだと思う」

 再び見る世界はさっきとは違って見える。気持ち一つでこんなに変わるものなんだ。

「目の輝きが戻ったみたいね」

「グロー・・・みんなの方が私より覚悟ができてると思ったら負けてられないって」

「疲れたし、もう解散か?」

「ちょっと待ってティーナ。はいはい、提案」

 ミアンの明るさには心が癒されるとジーアは思う。

「一体なんなのです?早くして下さい」

 ミアンはカードを展開して魔法を使う。一体何を提案しようとしているのだろう。

 みんなミアンの次の言葉に注目していた。

11月最後のアップ日(前回のは間違い)

本当に忙しない時期になりました。

いよいよ師走。

とっくに走っているのに年末に向かってさらに加速?

時代の速さが身に沁みる今日この頃です。

それでも自分のペースは守ってアップしていきます。

次回もよろしくお願いします。

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