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久しぶりの新作投稿です
「何これ、キラキラしてて綺麗!」
勉強の休憩も兼ねて、メイドと一緒に広いお屋敷を探検している途中。
あまり使われていない、埃の積もった部屋のドレッサーの中。
私はピンク色に輝いた宝石の付いたネックレスを発見した。
「ねぇねぇ! 私これ欲しい!!」
「旦那様と奥様に聞いてからにしましょうね」
「えー! 私が見つけたのに」
まだ8歳の子供な私だけど、このネックレスがとっても綺麗なことくらいはわかる。
この間お母様のドレッサーをこっそり開けた時に見た、どんなアクセサリーよりも輝いて見える。
そんなことを考えて、ネックレスを見つめていたら、それは突然宙に浮かび上がった。
「えっ!?」
まだ魔法は上手く使えない私、それに魔法の力はほぼ無いと言っていたメイド。
2人とも違うということは、このネックレス自体に魔法がかかっているということで……
そのままキラリと光ったかと思えば、次の瞬間、私の首に収まっていた。
「な、何これ!?」
同じくらい驚いたメイドは、私をお父様の仕事部屋まで抱えて走り出した。
◇◇◇
「こ、これは!?」
お父様はそう言ったきり、私に説明もせず、慌ただしくし始めた。
こうなったお父様は落ち着くまで話をしてくれない。
よく分からないまま待っていると、連絡をもらったのか、お母様まで部屋にやって来た。
「クラリーズ!! 精霊のネックレスを見つけたって、本当なの!?」
と言いながら私の前までやってきたお母様は、私がネックレスを付けているのを見て、更に驚いた表情をする。
「あぁ、なんということ……私達の娘が、まさか精霊に選ばれるなんて!」
その言葉を聞いた執事やメイド達も一気にざわめき出す。
かく言う私も、今までちゃんと勉強して来たので、「精霊に選ばれる」という事が何を意味するのかはちゃんと分かった。
「精霊使い」
この国に1000年に1度現れるかどうかの珍しい存在。
精霊と共鳴することにより、抜きん出た魔法の能力を持つ……って本に書いてあったっけ。
確か、精霊使いになれる人が生まれた時代には、どこからともなくネックレスが現れ、それを付けることで、精霊と交流ができるようになるのだったような……
お父様も書類を書き終えると、私の所まで駆け寄ってくる。
「で、クラリーズ? 精霊は見えているのかしら?」
「ネックレスを付けているんだ。見えているんだろう、な?」
確かにネックレスは付けているけれど……私の視界には期待の眼差しのお父様とお母様、なんだかソワソワとした雰囲気の執事とメイドたちしか映っていない。
困ってしまい暫く無言でいると、お父様とお母様は何を思ったのか、
「あら? もう精霊たちとお話をしているのね」
「クラリーズを選ぶとは、精霊たちも見る目があるな」
なんて勘違いし始めてしまっている。
この雰囲気は……
見えていないなんて言えない!!
そして期待に気圧された私は、つい口走ってしまったのだ。
「み、みえます」
い、言ってしまった……!
そして部屋中が歓喜の声に包まれる中、私は段々と頭が痛くなっていった。
「クラリーズ万歳!!」
「クラリーズ様……!!」
……クラリーズ?
頭の中で知らない声が響く。
『あーもう! あの悪役令嬢のクラリーズめ!! 偽物の精霊使いのくせに、ヒロインちゃんを虐めて! でもまぁ、最後には王子とヒロインにざまぁされるからいいか』
悪役令嬢……偽物の精霊使い……
その瞬間、私は自分の前世と、その時にプレイしていた乙女ゲームの内容を思い出した。
読んでくださりありがとうございます。
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