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栄翼の瞳  作者: 水城四亜
17/79

17捕 獲

「・・・・み。・・・・つみ・・・つみ」

誰かが、呼んでいる。

「堤!」それが自分の名だと意識の端で捉えた瞬間、ひどく、重い体ーどうやらうつ伏せになっているらしいーを起こすことはおっくうで、冷たい石の感触を感じた顔だけをゆっくり上げて、瞼を次に持ち上げた。

薄暗かった。外からの風が渦を巻いて、不気味な音を立てている。どうやら、ここは岩穴のようだった。

「気がついたか?」少し、首を傾げると上月の姿があった。

この位置からだと胸のあたりしか見えないので、私は起きあがる。

「上月・・・ここはー?・・・痛っ。」その途端頭に痛みが走った。私は手でそこを抑えた。どうやら、怪我をしているらしい。そして、布の手触りを感じて、

「連中・・・やってくれるよなああっ。殺さず捕らえるだけなら、はじめからそうしろってんだ…っ。」

思い出した。現状を確認してから悪態をつく。




森で途方に暮れた私たちはとりあえず上月の勘に頼り木々の中をさまよった。
その結果火と思われるものを見つけたんだがーーー


「や、邪馬台国?」私は呆然としながらその集落を見つめた。
丁度崖の下に位置するその街は、あたりをすっぽり山に囲まれていて、擂り鉢の底にある集落という よりは昔の砦という感じだ。


「違うだろう、いくら何でも・・」上月も動揺を隠しきれないらしく、声が上擦っている。 それもそうだ。こんなの映画ぐらいでしかカラーで見たことはない。歴史の教科書に出てきたような、弥生時代の集落が目の前に、見間違いでなければ、あったりするのだ。遺跡でもそっくり持ってきて復元して人が住んでいたらこんな感じだろうか。
火は、闇を照らす松明だった。
私は何かのテーマパークの建設中であることを願った。…がだめだ。
ものものしいこの雰囲気は何だろう。
砦、と私が例えたのは、名古屋城のお堀もどきに万里の長城のような壁が、木を使って組み込まれていた。 まさに、これから戦をしますという体制なのだ。

名古屋は地元です。妙にマイナーですみません。(笑)

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