12鼓 動2
設計された図面のように精密で、パズルの最後のピースをはめ込んだ瞬間。
完成されたそれは、軽い振動を起こしていた。
まるで、歓喜に震えるように。
「・・・・堤?」
笑っていた。 彼の友人は、まるで最高傑作を見るようなーおそらく気づいてはいまいがー笑みをもらしていた。 それは、黒曜石を土台とした太古の首飾り。 四つの翡翠が共鳴を起こしたように静かに、静かに鳴っていた。 その、土台にたった今はめ込まれた瑠璃色の石。2千年の時を越えて土にまみれそのほとんどが失われたにもかかわらず、その石は磨き込まれ蛍光灯の光を反射させていた。
「・・・・『栄翼の瞳』彼らはそう呼んでいるらしいね。翼を現すモチーフがそう呼ばせたのかな?」誰に言うとでもなく堤はつぶやいた。
「・・・・さぁな。文明に奢った人間をひがむ人間がつけたんじゃないのか?」上月は言いながら堤に近づく。何かが、警報を鳴らしていた。 このままではいけない、と。
「ごらんよ。やっと一つになった。これで・・・・・・が発動する。」
「!堤っ。」首飾りに手をかざした手首を強引につかみ、思いっきり、殴る。
突如炸裂した、ものすごい痛みで、私は我にかえった。
「・・・!・・・い、いってぇえーーっ。」 もう、痛いなんてもんじゃない。 上月は普段手は商売道具だからたいてい足を使うーそれも十分悪いがーので、拳を使った時に加減が出来ない。だから、容赦なく、痛い。 これで舌かんで死んだらどうしてくれる。