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楽しく書けたら良いな、思います。
よろしくお願いいたします。
中間試験がようやく終わった。
試験から解放されると椅子に座ったまま伸びをした。
今日はこの後授業もないので、周囲はガヤガヤとこの後なにするか、ようやく部活に出れる、などと話してる。
俺はほぼ部活に参加してないので、このまま帰るつもりだ。
あ~、お腹空いた、と帰る準備をしていると幼なじみの寺西悠人が隣のクラスからやってきた。
「よぉ、試験どうだった」
「まぁまぁかな」
普段から授業は真面目に受けるようにしてるから、毎回そんなに成績は悪くない。
「さすがだな。俺は今回も怪しいよ」
毎回赤点ギリギリの悠人は今回も出来は良くなかったらしい。
でも、赤点は取った事ないみたいだから、ギリギリ回避はすごいんじゃないかな。
さて、今回はどうなるか。
答案が戻ってくるのが楽しみなような怖いような。
他人事だから関係ないけど。
「ところで、これからカラオケでも行かないか」
早速気晴らししたいらしい。
まあ、暇だし、ということで、一度帰宅して着替えたら、昼飯がてらカラオケに行くことになった。
俺は鳥谷智。高校1年生。
家から歩いて10分ほどの県立高校に通っている。
中学時代はこの成績なら進学校へ、と担任に言われてたが、何より家に近いという理由でこの高校を選んだ。
悠人なんかは、俺が同じ高校にするって言ったらびっくりしてたくらいだ。
おかげで特に猛勉強しなくても好成績を残してる。
悠人とは小学生の時、出席番号で前後だったので話すようになり、それ以来の仲だ。
それぞれに別な友達もいるけど、つかず離れず、気楽に付き合える仲だ。
何より趣味が同じだ。
俺達はあるアイドルアニメのキャラにどハマリしてるのだ。
互いに最推しは違うが、同じアニメのキャラなので、良くキャラソンCDを買っては練習し、一緒に歌ってる。
多分同じようなオタクはクラスメイトにもいるだろうけど、長い付き合いなぶん、お互いに引くことなくはっちゃけられるので、気兼ねないのが何より楽しい。
中間が始まる前に新曲が出たので早く歌いたいのだろう。
もちろん俺もだ。
いつもいい声だと思うけど、今回の俺の推しはいつもよりシリアスな感じで雰囲気が違うし、メロディだけで泣かせてくる。
きっと一回目はイントロだけで興奮して泣くかも。
試験後のテンションヤバい。
落ち着け、落ち着け。
ということで、着替えたら移動だ。
お互いの家に寄ると遠回りになるので、カラオケ店へは現地集合。
楽しみだし、お腹も減ってるしで自然と早足になる。
早めに着いたと思ったら、悠人もちょうど着いたところで、お互いに待ちきれない。
早速部屋を取ってまずは昼飯注文。
ドリンクバーでジュースも準備万端。
料理が来るまで、しばし待つ。