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竜と私の生きる道  作者: すず
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1.序章

初めまして、すずと申します。


初執筆につき色々不備があると思いますが、一人でも多くの人に読んで頂ければ嬉しいです。



――真っ白な雪が降り積もり、一面の白銀世界が作られる。私は、この北の大地で生きてゆく。



 この世界には魔力という概念がある。

魔力を巡らせ水や風などの自然現象を操る。身体にまとえば身体能力を強化する事も出来る。


 遥か昔は多くの人が魔力を使って生活していたが、今では魔力を持つ者はいないに等しい。いや、僅かな魔力があったとしても気付かずに一生を終えるか、制御が難しく使うには至らないのかもしれない。今の時代、魔力を自由に使いこなせる者など数える程しかいないだろう。





 雪が積もった森の中。しんと静まり返る雪景色に、どこからか獣の唸り声が響く。怯えた様子も木陰に隠れることもなく少し開けた場所で悠然と立っているのは一人の少女だった。


 寒さから耳を守るようなふかふかの黒い帽子に首まである長襟の黒いコート。膝までのブーツもしっかりした雪国仕様だ。そよ風のような微風をおこし獣の声から位置を探る。魔力で操る風に乗って、ある方向から獣の吐息と唸り声が聞こえてきた。


 見つけたと小さく呟いた少女は、周囲を見渡して思案する。こんな所で火を使うのは木に延焼してしまう。水を使うのも雪に染み込んで雪崩がおこりやすくなる。魔力のみで仕留めるのは無理そうだ。


 少女は考えを巡らせながら腰の剣に手をかける。ゆるやかに魔力を身体にまとい筋力を強化する。軽く腰を落としいつでも反応できるように身構える。


ぐるるるる…


 獲物を狙うような唸り声が少しずつ近づいてきた。


 少女は楽しそうに口の端を上げながら他の方向へも風を操り警戒を怠らない。さくさく…雪のせいで殺しきれない足音がすぐ側まで迫っている。


――さぁ、来い!


 しんとした静寂の後、襲いかかってきたのは少女の倍以上もある巨大な熊だった。





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