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不老少女の罪  作者: 嶺緒
生贄の人魚と不老少女
1/3

生贄の人魚

 

 逃げた。逃げて逃げて、逃げ続けた。遠くから声がする。体力は限界。僕はその場に倒れ込んだ。

「おい、いたぞっ! 捕まえろ!」

 背後から声が聞こえる。売られてしまう、その恐怖が僕を支配した。

 でも、その感情は妙に心地よかった。視点が合わなくなる。

 そして、ゆっくり、ゆっくり、意識が落ちていった。次の主人が良い人であることを祈りながら。



 意識が戻ってきたのは、クラッシック調のメロディーが聞こえてきた時だった。

 微かに香るコーヒーの匂い。身体を包むようなふかふかな毛布。

 長い間ロクな生活をしていなかったせいか、天国にでもいるんじゃないかと勘違いしてしまう程の

 安心感が僕を包み込んだ。

 キィィィ、と音が聞こえた。慌てて振り向くと、扉が開いていて、今までで一度も見たことがないくらい

 綺麗な人がそこに立っていた。

「目覚めたようだね。気分はどうだい、少年」

 少しハスキーだけど透明感のある声で、その人は訪ねてきた。

 天使、いや女神のようなその姿に思わず見惚れる。

「ついておいで。晩御飯が出来たところさ。一緒に食べようじゃぁないか」

 そう言ってその人は部屋から出ていった。僕はその人を追いかけるようにして、部屋を飛び出した。

 下半身には、あるはずのない脚がついている。普通に歩ける、という現状に口角が上がった。

 目の前にある木製の扉。僅かな希望を胸に僕はドアノブを捻った。    



 

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