みんなー!新元号が発表されたぞッ!!
「新元号が決まりました……それは、未来が明るく照らされるように、という意味を込めた言葉です」
政府の偉い人の発表に、集まった記者団がざわつく。
その内の一人である女性記者が物怖じしない様子で、官房長官に訊ねた。
「それは、何という言葉なんですか?」
「はい、お答えしましょう。……それは赫奕とした灼熱の意思の力で全てを超越し、あの"小説家になろう"にも記された伝説の存在……」
そこまで聞いてから記者団が「まさか……」とざわつき始める。
身を乗り出し慌てて官房長官の発表を阻止しようとする者達もいたが、彼等は警護によって取り押さえられた。
その様子を満足げに眺めながら、自信満々に官房長官は新たなる時代の始まりを告げる――!!
「平成の終わり、次なる新元号……それは、"赫天"です!!」
刹那、燃え盛る降誕の焔や"BE-POP"な旋律とともに、山賊達が姿を現す――!!
「よっしゃあッ!!これで、略奪解禁だズェ〜〜〜ッ!!」
「大胆な追い剥ぎを許してくれるとか……政府、めちゃすこ♡」
そんな事を好き勝手に口にしながら、膨大な山賊達が凌辱に見せかけた純愛劇を繰り広げたり、魂ごと焼き討ちし尽くすような略奪をしようと、街へと繰り出していく――!!
「あ、あぁ……!?最早、これまでなのか……!?」
その様子を見ながら、記者達はこれまでの最低限の秩序に満ちていた"平成"という時代と、既存の文明社会の終わりを如実に感じとっていた――。
今日は、エイプリルフールだぞ♡