夜明け
完全不定期です、ご了承を。ちょっと誤字を修正しました。
誰かのうらみ声、後悔、苦しみ、悲しみ
様々な負の感情が湧き出てくる
「うっ、はぁっ、、」
夢を見てうなされている青年、冷や汗をかきながらなにかにとらわれているような息づかい
その汗が流れる左頬には月明かりに照らされながら不気味に動く紋様があった
「やめろ、、、来るな、、、」
その悪夢は無数の叫び声や泣き声、自分に伸びる無数の手に引き込まれていくようなものだった
「やめてくれ、、、うわぁぁぁ!!」
あまりの恐怖心から声を荒げながら飛び起きる
「またか、勘弁してくれよ。」
青年は汗ばんで寝心地の悪いベッドから身体を起こし部屋の窓から外を見たがまだ日は出てくる頃ではなかった。
部屋を出て宿屋の広間を通り外に出て井戸に向かい水を汲み顔に冷水をあて、悪夢を見たあとの嫌な感覚を消しながら外の涼しい空気を感じていく。
少し白みがかった空を見ながら今日は何をしようか考える。
「静かに暮らすのも飽きたところだし今日から冒険者でもやってみるかあ。」
青年は背伸びをしながら気楽にやることを決めて部屋に戻り身支度をする。宿屋で働く人たちが起き始め少しずつ街からも人の声や音が聞こえ始める。
「あらら、ずいぶんと早起きだね?どうかしたの?」
支度を終えて広間に出てきたら宿屋の看板娘がにこやかに話しかけてきた。
「おお、おはよう。今日からやりたいことがあってさあ、旅にも出たいし冒険者になろうかなって」
彼女に挨拶をしながら早起きの原因を隠しながら伝える。
「いいんじゃない?アンタみたいなワケありさんでもまっとうにできそうだしね、せいぜい頑張りなよ。」
看板娘は小馬鹿にするように言った。
「自分からワケありと言ってるとはいえもっと言い方あるだろ~」
青年は苦笑したが、看板娘は青年を見ずに手だけ振って外に出ていった。
本格的に街が動き出す頃になり出店や露店が並ぶようになったので青年も宿屋から出て行動を開始した。
腹ごしらえのためにパンと肉を買って食いながら通りを歩いていく、目指すのは冒険者ギルドだがその前に街での面白い情報を集める。
他愛もない世間話が多かったが1つだけ面白そうな情報を手に入れた。
街の商売を担当する商人からの情報で奴隷商が街にあるのを聞いた。なんとも嫌な感じだがワケありな青年はここで旅に連れていく仲間を買うのも面白いんじゃないかとそこに向かうことにした。
「流石にギルドで簡単に仲間が見つかるような感じもしないし素性を探られるのも困るからこういうところで買うのもいいかもな、よくない商談だが仕方ないか。」
少なからず良心が咎める部分を抱えながらも自分にできることはないということを思いながら奴隷の取引が行われている場所へと向かう。
「ここか、ずいぶんとでかい建物だな。」
奴隷の取引がされていると伝えられた建物は看板もなく無人かと思わせるくらいだがしっかりとした石造りの建物だった、一見小さな砦や牢獄にも見えるし思ってみればこういう建物ならこの類の取引にはぴったりなものだろう。
青年はしばらく建物の周りを見ていたが人はおらず静けさだけで不気味さを感じていた。聞いた話が嘘なのではないかと思い始めた時、後ろから肩を叩かれて声をかけられる。
「おう、兄ちゃんあんまり人を買うような雰囲気じゃないが本当に買いに来たのかい?」
「なっ、あんたはさっきの!?奴隷商人だったのか?」
声をかけてきたのは奴隷取引の話を教えてくれた男だった。
「まあ、中に入ってくれよそうしたら取引の話をしようじゃないか」
男に言われるままに建物の中に歓迎してもらい部屋に通され向かい合うように席につく。
「まあゆったりしててくれ、これから取引に必要なことについて話すからな。そうだ私はカルロス、察しの通り奴隷商人だ。」
すこし強面だが悪い気はしない印象のカルロスは気さくに挨拶をする。
「ああ、よろしく。それで取引に必要なことって?」
青年は挨拶にすこし戸惑いながらもめんどくさそうに取引について聞いていく。
「難しい書類とかは特にはないよ、簡単な所有証明くらいだからね。名前を教えてくれるかい?」
カルロスはめんどくさそうな顔をする青年に苦笑しながら書類に名前を書くように促す。
青年は渡された紙に名前を書いてカルロスに渡す。
「シドか、いい名前だな。家名とかはないのかい?」
「田舎の孤児だからそんな大層なもんはついてないよ、まずかったかい?」
「かまわないよ、奴隷を買うのは貴族が多いから細かく知っておきたかっただけさ。」
カルロスは確認した書類に署名をしてシドに渡しながら席を立つ。
「それじゃあどの奴隷を買うか選びに行こうか、ついてきてくれ。」
シドはカルロスに連れられて建物の地下へと向かっていく。地下に向かっていく階段を降りていきながらカルロスはシドに奴隷の要望などを聞いていく。
「どんな人を求めてここに来たんだい?奴隷を使いたいとなるなら聞かない方がいいのかもしれないがよかったら教えてくれないか?」
「別に身体を使うわけではないし怪しい魔法の試しにでもないよ、冒険者のお供に欲しくてね。」
「なるほど、その顔の紋様を見ていい印象を受け得ないからって訳かな。それにしても奴隷をそのために買うなんてのも珍しいよ、傭兵を使うよりかは安価とはいえ旅に耐えれるようなのはうちじゃ今はいない気がするな。」
階段降りるのが終わり考え込みながらカルロスは管理している奴隷を見せてくれているが確かに旅に連れていくには頼りない者がほとんどだったのでそれを見ているシドも顔を悩ませていた。だが奴隷達は牢屋で管理しているにしては見なりもちゃんとしてるので自らが持つ奴隷の印象とはるかに違っていた。
「奴隷とは思えないくらい綺麗な管理をしているんだな、カルロスはほんとに奴隷商人なのかい?」
「まあ酷いことは出来ないけど奴隷商人なのはほんとさ、まあ変わり者とは言われているがね」
「確かに変わり者だろうな」
カルロスとシドはもはや談笑をするために地下を歩いていた。しばらく歩いていると大きな独房が見え、シドはそこに人影が座り込んで佇んでいるのに気づいた。
「なあカルロス、あそこの独房に入っている人は?」
「確かあそこにいるのは、そうだこの子なら旅に連れて行っても問題ないんじゃないかな紹介するよ。」
すこし考えたあとにカルロスが何かを思いついたのか独房へとシドを連れていく。
大きな独房はほかの奴隷達が使っているものとは違い石の壁ではなく鉄格子の囲いでどこからでも確認できるようなものだった。
独房の目の前に来て中に入れられている人物をシドは観察する。
そこですぐに気づいたのは尖った耳と褐色の肌だった。人間ではなくてエルフ、しかもダークエルフの女性であった。なんでここに囚われているのか疑問に思うシドだったがそれ以上にその美しさに惹かれていた。肉付きの良さから戦士と予測しちょうどいいだろうと感じたシドは
「彼女を買ってもいいかな?」
「もちろん、彼女の買い手はなかなかつかなくて悩んでいたんだ。旅にでるなら準備もいるだろうしお金じゃなくて私の質問に答えてくれるかな?」
「そんなんでいいのかい?ありがたいし引き受けるけど何を聞きたいんだい?」
カルロスの提案を引き受け口を綻ばせながらシドはその質問に耳を傾ける。
それとは対象的に少し厳しい目つきをしながら口を開く。
「その顔の紋様は何の呪いなんだい?」
笑顔でいたワケありの青年の顔は一瞬で豹変した。
少しずつですが続きを書いていってます




