これは恋、いや、これは愛
「ね、まいちゃん!すきだよ!」
こんなこと言ったらまいちゃんに引かれちゃうかな…
もしかしたら軽蔑されちゃうかも…。
いや、もしかしたらもう遊んでくれなくなって会えなくなって一生通話もトークもリアルで話すこともなくなっちゃうのかな…いやだな…まいちゃんとそんなことになるなんて…
私は夢乃空。
世界で一番まいちゃんが好きな女の子である。
もちろん友達的な意味ではなくただひとりの女の子としてである
まいちゃんと付き合ってキスしてハグしてエッチなことをしたい普通の女の子である。
まいちゃんがいない世界なんて生きる意味が無いと私は自信を持って言える。
ん?なんで自信を持って言えるかって??
それは私がずっとその状況に置かれているからである!!!
私とまいちゃんは中学が同じの友達だった。
中学3年生のはじめまであまり喋ったことがなくてその時は全然好きでもなんでもなかった。ただの知り合いでただ軽く話す程度だった。
しかし中学3年の中頃に事件は起きる。
まいちゃんが学校に来なくなったのだ。
理由はわからないが…まぁ、それはいい…
その時の私は友達としてまいちゃんが好きで学校に来ないことが少し残念だった。
時が立ちある時保健室にまいちゃんがいるという噂を聞いた。昼休みになり私は迷うことなく保健室にダッシュした。
「まいちゃん!!!!久しぶり!!!」
保健室につくなり大声で、かなりのハイテンションで入ってきた私をまいちゃんはびっくりして見ていた。
そして少したって(引かれたかな…)と思ったら笑いながら
「空ちゃん!久しぶり!」
と返してくれた。
とても嬉しかったことを覚えている。
その日から私は毎日のように保健室に通うようになった。まいちゃんに会いたい。ただその一心で昼休み保健室に通うようになった。
時が立ち卒業の日になった。
私はあれから何度も保健室に通いつめまいちゃんのことが日に日に好きになっていた。
卒業の日、一緒に写真を撮って楽しく話した。
そしてそのまま別れてしまった。
私はほんとは告白しようとしていた。
けれど自分に自信がなく振られるのが嫌で告白をさけてしまった。とても後悔したけれど仕方ないと思った。
私は今とても後悔をしている。
あの時口で伝えていればこんな後悔なかったのに。
トークアプリで想いを伝えることはなかったのに。
私は先に書いた通りまいちゃんがいない世界なんて生きる意味がないと思っている。
だから今の私に生きる意味は無い。
「ね、まいちゃん!すきだよ!」
私はこの言葉に色々な不安を込めていた。
口でいうか、トークアプリでいうか迷っていた。
トークアプリ。この選択はやっぱりダメだったなと今でも思う。せめて通話にすればよかったと。
バレンタインの日
私は彼女に好きだと伝えた。
トークアプリで伝えた。
冗談抜きで本気で好きだと告げた。
彼女は笑わずに、振ってくれた。
真剣に私を好きになってくれてありがとう。と、言ってくれた。
このまま友達でいようといってくれた。
でも遊びの誘いには乗ってくれなくなった。
私が同性愛じみた発言をすると少し引いている感じにみえた。
まいちゃんからトークがこなくなった。
返事が素っ気なくなった。
後悔した。
別に引かれたから告白しなきゃよかったというわけ
ではない。
ちゃんと口で伝えられなかった私に。
トークアプリで伝えた私に。
あの時告白しなかった私に。
後悔した。
口で言っていたら、 きっとまいちゃんは、
桜野舞はこんなに態度を変えなかったのだろうと。
桜野舞は、いつも笑顔でかわいかった。
悪口一つ言わないから友達を多くもつ人間だった。
私が同性愛者だと知った時も、そんな感じがした、と笑って遊んでくれた。舞は言葉で言えばしっかりと伝わる人で、言葉で言ったら今迄通りに過ごしてくれる人だった。
そんな舞だから、トークアプリで言うのはダメだった。ほんとはわかってた。
口で伝えていたら舞は、きっと昔と変わらず友達でいてくれたと思う。
でも、私は、私にはそんな勇気も自信もなかった。
卒業式のあの日から私は何も変わっていなかった。
振られるのが怖くて、臆病になって。
結局口で想いを伝えられなかった。
こんなにまいちゃんを好きなのに。
言葉にして想いを伝えることができなかった。
まいちゃんがいない世界なんて生きる意味が無い。
ずっと考えている。
どうしたらあの時と同じように喋れるかな。
まいちゃん。
もう1度告白してもいいですか?
今更遅いかな?
それでも次は言葉で伝えたいんだ、
「ずっと好きでした。今も昔もこれからも好きです」
「舞のことを愛しています」
ってね。