一話 新しい自分
「サイボーグになっている・・・」
弘樹は起きたらサイボーグになっていた。視力は7.0に、握力は80キロ、鼻は高くなり、まぶたもパッチリ二重のおまけつきだ。なんだか音もいつもよりはっきり聞こえるぞ・・・
「おい!さっさと出て来い!いるのは分かってる!」
「流石だよ、院口弘樹くん。改造を施しただけはある」
「違うな」
「な、なにがだね?」
弘樹は息を吸いこみ静かに告げる
「俺は弘樹じゃない!今日から俺は【hiro】だ!」
「そうか、ではhiroくん説明をしてもいいかな?」
「あ、ああ・・・」
弘樹いや、hiroは自身がサイボーグになったことにより自信が増し強気なワイルドボーイになった。
なにより目が二重になったことが大きく影響しているのだろう。後に彼は語る
「これは整形じゃないから!首の手術したらこうなってたんだよね・・・そもそも前からこんな感じだったし!」
「まず君はサイボーグになった、ここまでは君でもついてこれるね?」
「ああ、何とかだけどな」
「そうか、では君の機能の一つであるアプリケーション実行機能、これは君の能力の一番の特徴といってもいい。君が自分でプログラムを組み立てて作ったプログラムで君自身の能力を拡張できるんだ!まあ、あくまでも容量の範囲内だけどね・・・」
「へえ、俺にぴったりの機能だな!」
hiroは趣味でパソコンスクールに通いプログラムを作っていた、内容はお粗末なものだがこれだけは誰にも負けない自信があった。このパソコンスクールは上、中、下に分かれておりhiro自身の能力は下の上に属するのだがパソコンスクールの先生を説得し上コースで彼はプログラムを受講している。
「そうだ!昨日俺が作ったじゃんけんプログラム、たしかUSBメモリが俺の鞄に入れてあったはずだ。試しに俺の機能に追加して見るか。無駄な機能だが別に容量が足りなくなったときに消せばいいしな!」
「では、右腕に差し込んでくれそれで読み込めるはずだ。後は脳内でコピーと入力するんだ!」
hiroは鞄からUSBを取り出し右腕に差し込んだ後「コピー」と口に出して唱えた
「どうだ?できたかね?できたのなら君のプログラムを目から液晶に映し出してくれ」
hiroは言われたとおりに目から液晶にプログラムを映し出した。そこにはしっかりと「じゃんけんゲーム あなたの手をおしえてね」と書かれていた
「おお、成功だ!で、では実行して見てくれ!」
「あんまり急かすなよな、見せてやるこれが俺の作ったプログラムだ!」
hiroはじゃんけんゲームにグーと回答をくれてやった。そしてプログラムから帰ってきた返答は「コンピューターが選んだ数字を選んでね」だった
「どういうことだ・・・?これは一体・・・まさか!昨日作った数当てゲーム!」
「うーん・・・キャッシュがたまっているのかも知れないな。一回キャッシュを消してからまた試してくれないか?」
言われたとおりにキャッシュを消してから試すと普通にパーと帰ってきた。じゃんけんには負けた
「最初はこんなもんだよ。気を落とさないで。これから君はその新しい体でこの世界に・・・自由な空に飛び立つのだから!」