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聖水紀ーウオーター・ナイツー第15回■地球での目的を達した聖水人は、聖水騎士団の壊滅をはかる。一人、聖水騎士フガンのみが生き残る。

聖水紀 ーウオーター・ナイツー 第15回■1976年作品


作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所


http://www.yamada-kikaku.com



聖水紀[第8章]


聖水神殿の中央大広間に聖水騎士団が結集していた。

聖水人数名が出てきて、騎士団は静まり返る。


『聖水騎士団の諸君、本日をもって聖水騎士団は解散する』

聖水人のひとりが発表した。


「何ですって」


「どういうことです」驚きの声が聖水騎士団かのあちこちからあがっていた。


「まさか、『みしるし』を手にいれたからではないでしょうね」発言したのはフガンだった。


『そのとうり。我々が『みしるし』を手にいれたからだ』


「じゃ、やはり、あの『みしるし』はベラだったのか」


「そう、そのとうりだ。我々が探していた『みしるし』はベラの体の中にあった」


「それで、あなたがたが地球での役割を果たしたので、我々聖水騎士団はご用済みという訳ですか」聖水騎士団団長アマノ博士が冷たく言う。


「そうだ。我々は『みしるし』を手にいれたことで、地球にきた目的の一つは果たした」


「一つですと、まだ、何か」アマノ博士がつづける。


「アマノくん、まだ、わからんのか。アマノ君ですら」


「我々、地球人が宇宙意識をもつという」アマノ博士がさらにつづける。


「そういうことだ。それには一番必要なことが残っている」


「まだ、何か、望んでいるのですか」


「そう、肝心なことがまだなのだ」


「一体、それは」


「地球人全体を我々、聖水の仲間にすることだ」


「あなたがたは、いったいまさか」アマノ博士が驚きの表情で叫ぶ。


「アマノくん、君の思うとうりだ」


「団長、いったい聖水は」アマノの顔は気色ばみ、皆の方をふりかえった


「聖水人を滅ぼせ。こいつらは人類を完全に融解し、聖水に飲み込もうとしている」


「何ですって」


「そんなことが」


聖水騎士団より、驚きの声があがる。


『ようやくきずいたようだね。そのとうりだ』


騎士たちは目の前にひろがる神殿の聖水プールにたいして攻撃をしょうとする。


が、いかんせん聖水人の敵ではない。


神殿の聖水プールや広間の四方の壁が崩れる。聖水があふれる。


聖水の波は聖水騎士団たちの体を持て遊び、波間に飲み込んだ。


『これが、宇宙の意志というものだよ』聖水人はそう告げた。


「わたしは」聖水騎士団1人フガンの意識がもどる。


「なぜ、私は」


『君には、用事がまだある』聖水人がいった。


「私フガンがあなたがた聖水人にしたがうとでも」


『そうせざるをえんだろうね』聖水人はいいはなった。


「生きるも地獄、死ぬのも地獄。それならば、すこしばかり個人の意識として生きながらえてみますか。このわずかばかりの生命を楽しんでみましょう」

フガンは聖水騎士団の姿のまま、叫んでいた。元の神殿の聖水まみれの中で

その声は虚しく響いた。


聖水紀 ーウオーター・ナイツー 第15回■1976年作品


作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所


http://www.yamada-kikaku.com


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