表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

12/18

聖水紀ーウオーター・ナイツー第12回●騎士フガンに誘拐されて聖水神殿についたレインツリに属す歌姫ベガは、聖水人から御印かどうか調べられる。それは地球の記憶だ。

聖水紀ーウオーター・ナイツー第12回

(1976年作品)

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/


第7章


歌姫ベラは、聖水騎士団の基地の1つ聖水神殿にいる。聖水騎士団団員フガンが、ベラに話す。


「さて、レディベラ、君が『みしるし』かどうか、これから試されるわけです」


「さっきから、言ってるけれど、『みしるし』ってどう意味なの」


「聖水にとって意味のある記号『みしるし』が、地球にすでに存在するということなのです。


彼らがこの地球へ飛来した意味はそれ『みしるし』を探すことなのです。『みしるし』は

その星の過去の記憶です。ある種の人間のDNAに連綿と記録され残っているのです。


だから詳しいことは私からではなく、聖水人から聞いてください」


「聖水人って」


「聖水人とは、私達、聖水騎士団の前にあらわれる人格体なのです。ほら、彼らです」


フガン、ベラの前に聖水プールがひろがりあって、その中から聖水3人の人型がかたちずくられ、出現していた。


「ねえ、同じ顔、同じ体をしているけれど、個人の性格はあるの」


ベラはフガンにたずねていた。

「残念ながら、私にもわからないのです」


フガンは答える。

聖水人の一人が言った。


『フガン、君ですら、まだそんな認識かね。我々は聖水というひとつの意識だ。その分派なら、同じ顔、同じ体となるだろう。

さて、君がベラか、君が『みしるし』かどうか調べせてもらおう』


「いやよ」


彼らの意識がベラの体にはいってくる。


聖水が生物細胞にしみわたっていく感じがした。あらがいよ

うがない。


「何でも、しゃべるからやめてよ」ベラは気味悪がって思わず叫んでいた。


『我々が知りたいのは君の過去だ』


「私は歌姫アカデミーをでて、奴隷船の歌姫になったのよ。私のお母さんは昔の世界での大阪阪急梅田デパートの売り子よ」


ベラは必死でまた淡々としゃべっていた。


『歌姫は、皆、君のような能力をもっているのかね』


「歌姫なら、流体の生体状態を把握できるわ。彼らの体

細胞の声を聞けるわ」


『歌姫は君のように海水を操れるのかね』


「あれは、違う、私が聖水騎士団に耐光する「レインツリー」組織の人間だから」


『君は、海水の有機体の細胞をあやつることができるのかね。さあ、我々が知りたいのは、もっと過去だ』


「そんな昔のことしらないわ」


『君なら、思いだせる』


『彼女の細胞プロテクトはかなり、固いね』


 ベラは意識を失っている。


ベラの体はプールに横たえられているた。


ベラの心の深い座位へと聖水は潜っていく。総ての人類の過去に聖水は探りをいれていた。


 泥寧地に雨がふり続いている。集中豪雨だ。が、あたりにはまったく生物の姿が見えない。遠くの山並みは火山活動が盛んで常時噴火が起こっている。


 これは、ベラの心象風景だった。


『どうやら、我々はたどり着いたようだね』

聖水人の一人がいった。 


ベラの心は人類発生以前の地球に戻っていた。細胞のDNAレベルの記憶である。聖水は彼女の記憶巣の最深部にたどりついていた。地面には熔岩流がうごめいている。地球の始源紀である。


『ここまで記憶していた個体はいなかったな』


再び、聖水人が言った。 そこに、光る球体が上空から降りて来る。


『おお、あれが、我の先祖の姿なのか』彼らはそのイメージ映像を集中する。



聖水紀ーウオーター・ナイツー第12回

(1976年作品)

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所http://www.yamada-kikaku.com/


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ