もう少し話すことあると思うけど、爆発のことしか話していない
修三メール『ああ、疲れた。金くれ』
陽介メール『増やしに行こうよ♪』
『もう負けたよ。金くれ!(添付画像ガ○ダムのア○カ絶叫)』
『人は嘘を繰り返す』
『嘘じゃないよ!お金ちょうだい♪(添付画像やっほーな女子高生)』
『君は嘘の塊だね(添付画像ホクトのザコ流血)』
『本当にザコが好きだな』
コンビニで今週のマガ○ンを立ち読みしていた修三は、スマホが鳴ったので外に出た。陽介からだ。
ひゅうううううーーーー、風が冷たい。寒くはない。
「やあ、はあああ、負けたよ」
「嘘だな、すぐわかるよ」
「少しは人を信じたほうが良いんじゃない?」
「声でわかるよ」
「そうか、まあ確かに今日は休みじゃないから行ってない。昨日負けたんだよ」
「そうなの?ブラパ?(インドネシア語でいくら?の意。この場合スロット幾ら負けたの?)」
「いや、嘘だよ」
「あっはっはっはっは、カスが!」
「てへ♪」
「こーのカス野郎、本当に嘘つきだな」
「まあ、昨日も今日も仕事だよ。今仕事帰りでマガ〇ンを立ち読みしていたところだよ。今何やってるんだい?」
「ビール飲んでゴロゴロしているよ」
「ちょっと最近ゴロゴロし過ぎじゃない?太るよ。(スロット)打ちに行けば?」
「どうせでないし、もういやだよ」
「じゃあ新しい趣味を探すか」
「趣味ねえ」
「例えば人間観察とか。具体的にはてっちゃんウォッチングだよ」
「はっは、やだよそんなの。そういや少し怒らせたかもしれない、二日くらい前からメールが来てないんだよ。刺されるかもしれん」
陽介とてっちゃんは『けなしあい宇宙』と異名をとる罵りあいをメールで繰り広げている。それも1、2年ほぼ毎日。内容は『早く金持ってパチンコ屋に来い!』『もうやめろカス野郎』『お前のせいで10万負けた。早く返せ』『かわいそう、お前は一生独身だ!』などなど。
「ええ?あんなに仲良しだったのに」
「別にあれは仲良しとは言わんよ。でも奴からのメールが来なくなった。最後のメールがきつすぎたかな」
「彼もあれで案外とプライド高いからなあ」
「たしかにねえ」
「最近、5メートル以上近づいている?」
「食堂でだいたい彼の背後を取ってるよ。正面は危ないからな」
「あっはっはっはっはっはっは」
「はっはっはっはっはっは、やばいよ、彼の怒りが爆発するかもしれん」
「じゃあ、彼の気持ちを再現してみようか。ってあれだカーテン開けたらベランダにいるんじゃないの?」
「はっはっはっはっはっは!カスが!いないよ」
「いやわからんぞ。消灯時刻とかゴミ袋とか記録しているかも」
「それストーカーだよ」
その後、修三は『春が来た』の替え歌をメールで送った。
『奴が来た!
奴が来た!
どこに来た!
陽介邸(早口で)に来た!
押し入れ(早口で)に来た!
布団の中(早口で)に、来たーーーーーーーー!』
陽介の返答。『汚い歌!ウリイイイ(ザコ吸血鬼)』