とある料理店
「いらっしゃいませ」
「どうも。今日は風船が飛んでないな」
「風が荒れてるらしいですよ」
「そうか。どうりで、やたらと風読みがいるはずだ」
「急に今日の仕事がなくなったわけですから。うちは人が少ないので、てんてこ舞いです」
「おー、がんばれ」
「あ、ついでにそこの皿をあっちのテーブルに運んでください」
「なんでだよ!」
「人手が足りないんですって」
「だからって客に運ばせるか普通」
「サンドイッチとオニオンスープのセットが無料になりますよ」
「やる」
「ありがとうございます」
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風に乗って空を飛ぶ風船は、風が強すぎても弱すぎても航行できません。