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恋はアルデンテがお好き  作者: ルイ シノダ
12/21

第三章 心のままに (4)

優一は、三咲と箱根で楽しい旅行を過ごします。そして家に帰った優一は、自分が留守だった時に有った美佐子からの電話に心が動きます。

優一は、会いたいという三咲の誘いを断りながら、美佐子の誘いには応じます。新しく表れた石原美奈にも心が揺れる優一ですが。

三咲との箱根での卒業旅行は、楽しかった。昨日の夜の事も有り、三咲は安心したように優一に甘えた。優一も“ちょっと”とは思いつつも三咲の可愛い笑顔に“まあいいか”と言う感じだった。

「優一、ケーブルカー乗ろう。綺麗な景色が見れる」

「優一、ボート乗ろう」

こんな感じで次の一日を過ごした優一は、その日の夕方、三咲を家まで送って行くと自分の家に帰った。三咲が“夕飯も一緒”と我ままを言っていたが、疲れた事を理由に、家に帰った。

駐車場に車を入れる前に一〇分ほどアイドリングをする。回していたエンジンは、止める前に少しアイドリングしないとオイルがエンジンの色々な部分に回ったままになる。始動もそうだが、停止時も少し回して、オイルを落着かせる必要が有った。この辺が純粋なスポーツカーの手間のかかるところだ。これをしないと次の時にエンジンが掛りにくくなる。こういう手間が、優一には楽しかった。駐車場に車を入れてキーロックすると助手席に置いて有るバッグを取って玄関に回った。


「ただ今。お母さん」

可愛い息子の声を聞いてキッチンから出てきた母親のカリンは

「おかえりなさい。早かったわね。優一、植村さんから電話有ったわよ」

「えーっ、なんて言っていました」

「“いない”と言うと特に理由も聞かれずに切りましたけど」

“何でスマホに連絡・・・、あっ、スマホの電話番号知らない。知っているのは三咲だけだ。だから家に、でもなんだろう”そう思っていると

「優一、とりあえず玄関を上がって、手洗いとうがいをしなさい。もうすぐご飯です」

そう言って、母親は、キッチンに戻った。

一瞬自分のスマホを見たが受信が有る訳がなかった。代わりに三咲からの受信のマークが入っていた。運転中なので気が付かなかったようだ。

少し躊躇したが、受信マークにタップして発信するとすぐに三咲は出た。

「あっ、優一、家に無事に着いた。疲れたと言っていたから気になって」

“優しいな”と思いながら

「うん、大丈夫、あの後も道路が混んでなかったので車が流れた」

「そう、良かった。ところで優一。今度大学いつ行くの。もうほとんど授業ないし」

「うーん、ちょっと手帳見てみないと。ちょっと待って」

そう言いながら“なんでそんな事聞いてくるんだろう”と思った。手帳を見ながら

「来週の水曜日にゼミの先生に挨拶に行く。その位」

「そう、分かった。私、火曜日に行くんだけど会えない」

少し黙った後、

「火曜日、その日は、家で用事が有る」

「そう、分かった。じゃあ」

と言って声のトーンを思い切り落として電話を切ると三咲は、心の中に風が吹いた感じがした。

優一は実際には、火曜日にはなにも予定が入っていない。ただ“さっきまで一緒にいたのに”と思うと心に疲れを感じていた。


「どうしたの、優一。楽しい旅行をしてきたのでしょう。顔が暗いわよ」

母親は、心までも読めるのかと思っていると妹の花音までが、

「お兄様、お顔が暗いですわ。何か有ったのかしら」

また、母親と目を合わせて“”ふふっ“と笑うと

「えっ、そんな顔になっています。少し疲れているだけです」

と言って思い切り笑顔を作った。カリンは少しだけ息子の目を見ると何も言わずに食事を続けた。

食事後に二階の自分の部屋に戻った優一は、美佐子に電話しようとして“あっ、スマホの電話知らない”心に“くっ”と言う感じがすると、階下に降りて電話番号の通知履歴を見た。“残っていた”急に明るい顔になった、優一はすぐに二階上がると、その様子を見ていたカリンが、通話履歴をそのまま見ると“植村さんの電話番号”、少しだけ微笑むと通話履歴を元に戻した。

 二階の自分の部屋に戻った優一は、急いでスマホで電話番号をタッチすると“発信”ボタンをタップした。

「はい、植村でございますが」

“初めて聞く声、お母さんかな”と思いながら

「葉月と言います。美佐子さん、いらっしゃいますか」

「どの様な御用件ですか」

疑る感じの声に

「僕が家を不在の時に電話を頂いたので」

ちょっと間をおいて

「少しお待ちください」

依然として疑ったままの声が、ウエイティングミュージックに変わると少し経って

「葉月君、私が電話した件」

心が少しときめきながら

「うん、居ない時、電話貰って」

「どこに行っていたの。一泊するなんて」

“お母さん、余分な事を”と思いながら

「うん、友達とちょっと」

「そう」

声のトーンが少し落ちたが

「明日、空いている。私、大学に午前中言った後、空いているんだ。折角だから会えればと思って」

“植村さんから誘うなんて珍しい”と思いながら

「うん、いいよ。どこで何時に待ち合わせる」

「じゃあ、表参道のヒルズの入口で一二時。食事でも一緒に」

「分かった」

そう言ってスマホの終了ボタンにタップした。心が急に明るくなった優一は、“でも、なんだろう。三咲もそう言えば会いたいと言っていたし。何かあるのかな”全然理由が見えない優一は、お風呂に入るとそのままベッドに入った。

温泉もいいが、やはり自分のベッドが一番寝やすいと思うと“少し子供っぽいか”そんな事を考えながら睡魔の虜になった。


 表参道ヒルズの入口で何気なく立って待っていると青山通り方向から植村美佐子が歩いてきた。さわやかな薄いブルーのワンピースを着ている。

「葉月君、待った」

「いや、さっき着いたばかりだけど」

「とりあえず食事しない。お腹すいた」

「何を食べたい」

「普通に大学生が食べるところの食事」

美佐子は顔を近づけて暗に“学生でしょ”という目付きで優一を見ると

「分かりました」

と言って微笑んだ。なぜか気持ちが軽かった。

結局、ヒルズとは反対側の通りから少し入った“若者が行くお店“という感じの所に入った。

大きなテーブルに向かい合って食べるようになっている。優一は美佐子と並んで座るとおしぼりを持ってきた店員にオーダーした。水はテーブルの真ん中に有るグラスに自分で継ぐようになっていた。優一が、手を伸ばしてグラスを二つとって水を入れると

「ありがとう」

と言って“にこっ”と笑った。水を一口飲むと美佐子の顔を見ながら

「珍しいね。誘ってくれるなんて」

美佐子は、この前、体を許して以来、優一への抵抗が無くなっていた。一つの不安を除けば。

「うん、葉月君と会いたくなって。理由ない」

“そうか、女の子ってそういうものなんだ”。優一は人と会う時は明確な用事が有る時だけだ。後は自分の事をしている方がいい。好きな事ができる。“車いじり”や“水泳”、最近、父親から習えと言われ始めたゴルフ。あまり面白くないが、最低限必要な時が有ると言われて仕方なく練習を始めた。だから、用もなく人に会う暇が有ったら自分の事をしたいタイプだ。ちなみに妹の花音も同じらしい。

店員が、二人の食事を持ってくると

「わっ、おいしそう」

そう言って、今度は、やはりテーブルの真ん中に置いて有った割り箸を美佐子は優一に渡した。笑顔で答えると

「食べよ」

自分も割り箸を割るとおいしそうに食べ始めた。


食べ終わって少し話した後、お店を出た。

「ねえ、ヒルズのお店見ていい」

「いいよ」

優一は、こういうところは、全く縁がない。というか足が向かない。“こっち、こっち”と言う感じで美佐子が手招きしながら歩いて行くと

「何かUSの郊外に有るアウトモールをまねしたような雰囲気だね」

「うん、そんな感じ。葉月君は海外にはよく行くの」

「よく行くって程じゃあないけど、お父さんが“若いうちから日本と色々な国の文化の違いを体で覚えておきなさい”と言って、USやEU、中東や東南アジアなど毎年連れて貰っている。と言うか、お父さんの出張の終わりに時間が取れる時だけ、呼ばれて行く感じ。 計画して旅行に行くと言う感じじゃない。言葉も行ったら“現地語でしゃべるように”と言われているし」

美佐子は、優一の話を聞きながら“すごっ、やっぱり違うな。我が家は、海外なんてそうそう行けないわ。それに現地語だなんて”そう思いながら感心していると

「今度一緒に行く」

驚いた顔をして

「冗談でしょう。行ける訳ない」

「うん、冗談」

と笑うといきなり美佐子の右手が優一の左の頬に触れた。

「いたっ」

「“どきっ”とする冗談言わない」

と言って美佐子が微笑むと“これどこかで見たシチュエーション、我が家の男は妻に頬をつねられるのか”と思うと“えっ”と思って少し顔が赤くなった。

「どうしたの、葉月君。そんなに私、力入れてない」

「いや、何でもない」

そう言いながら、自分の考えた事を否定しない自分自身がおかしかった。


結局、美佐子とは、四時くらいまで一緒にいて、渋谷駅まで一緒に歩いた後、家に帰った。

「ただいま、お母さん」

息子の声に玄関まで出てきた母親のカリンは

「おかえりなさい。優一。何かとてもうれしそうな顔をしているけど、なにかいい事有ったの」

そう言って微笑むと

「少しだけ」

と言って自分も笑うと二階に上がった。


「カリン、来年、優一が入社する“東和エレクトロン”には、社長と人事部長、そして配属先の部長にだけ優一の事は言ってある。私も父が同じ様にしてくれた。花音は、来年三年だな。どうだ、成績の方は」

娘の事は、カリンに任せている。

「ええ、優秀です。そう言えば、同じ大学にあおいさんが入学します」

「あおいさんって、かおるさんとこの」

優一は、結婚前から常に厳しい目で見られ、今も葉月コンツェルンのビジネスパートナー三井財閥の頂点に立つ、かおるの顔を浮かべた。

「そうです。懐かしいですか。お会いになりますか」

「いや、止しておく」

夫は、かおるをプライベートでは苦手なことを知っていた。仕事ではそうもいかないだろうが。少し微笑みながら

「植村美佐子さん。今度うちに連れてくるように言ってあります。お会いになりますか」

少し黙った後、

「いや、やめておこう」

「あら、気にしていたのではないですか」

「いや・・」

言葉がつながらない夫に微笑みながら

「分かりました。私が会います」

そう言って紅茶を口にした。“本当は会いたいのに”そう思うとなんとなく自分が葉月家に初めて来たときの事を思いだした。“あの言葉は言えないわね”そう思うと少しだけ微笑んだ。

優は“カリン、どうしたんだろう。何かいい事でもあるのか”と思いながら妻の顔を見ると自然と視線が顔から喉元へそして胸元に下がった。二人を生んだとはいえ、胸の豊かさは変わらない妻に、少しだけ“どきっ”とすると、その視線を感じたカリンは“ふふふっ”と笑って夫の顔を“じーっ”と見ながら

「そろそろお休みになられますか」

まるで心を見透かされた様に言われると

「うん、まあ」と言ってリビングを立った。


かおるは、結婚して子供が出来てからは、両親と同じ家に住んでいた。父はもちろんだが、自分に全く興味を抱かなかった母親は、あおいが生まれると、まるで我が子のように可愛がった。自分が産んだ子なのに世話は全く両親がしている。

幸い夫には、“かけら”も似ず、母親譲りの切れ長の大きな目に“すっ”と通った鼻筋。惹かれるような唇、魅力的な顔立ちに肩先まで延びた輝く程の髪。若かったころの自分を思い出すような娘だった。ただ自分と違い“うだつの上がらない男”は付いていない。あまり異性に興味が無いという感じだった。

「あおい、大学に入ったら語学は今まで以上にしっかりと身につけなさい。私もお父様から厳しく言われました。分かっていますね」

「はい、お母様、分かっております。あおいは、お母様の期待を裏切るような娘ではありません。しっかりと語学は身につけます。幼いころから既に学んでいる英語、ギリシャ語、フランス語はもちろんの事、ヒンズー語、ヘブライ語とペルシャ語は身につけます。もちろん語学だけではありません。経営に必要な知識、グローバルな視点での考え方もしっかりと身につけるつもりです」

娘の受け答えに満足しながら、それなりに素直に育った娘を、目元を緩くして見ていた。

「花音さんも語学とビジネスにはしっかりと修学しているようです」

“あの男とカリンの娘だけの事はある”

「そう言えば、優一さんは、今年ご卒業で、葉月の叔父様の傘下の会社に入られるそうです」

「だれから聞いたの」

既にカリンから聞いていたが、娘のあおいが知っているとは思っていなかった。

「花音さん。この前お会いした時に、お話になっておられました」

「そう」

久々にカリンの家族の話題になると“カリンに会いたいな”という思いが心に広がった。今の立場では、草々にプライベートな時間は取れない。政財界ににらみを利かせ、財閥を率いる事は、相当に大変何事だ。いまさらながらに父があの時言った事を思い出す。“かおる、三井を継ぐ言う事は容易いことではないぞ”あの時、“分かっています”と言って拓と結婚する事を許されたが、自分の夫は、この仕事には無縁だ。

ただ自分の趣味の世界にいる。世界中にボランティアと称しては、渡航費だけ持って出かける。お金を渡そうとしても“不必要なお金は、身を危険にさらす”と言って受け取らない。 

今もアルゼンチン当りにいる事は、はがきが一ヶ月に一度位来るので分かっている。夫は、それなりに自分に迷惑をかけたくないと思っているのだろう。拓らしい思いやりだ。

ただ、たまには体を抱いてほしい時もある。拓だけが心を許せる相手なのだ。かおるにとって。

「お母様、如何したのですか。少し寂しそうなお顔です」

久しぶりに娘と水入らずで、紅茶を飲む、かおるは少しだけ心に寂しさを感じた。“昔はこんな時、拓と会えば気が休めた。帰ってこないかな”そんな思いが通じたかどうかは解らないが、その後、久々にはがきが届いた。

来月には帰ると。若いころ“うだつが上がらない男”だった拓も年と各国のボランティア活動のせいか、しっかりした体ができ、短い髪の毛と伸びたひげのがっちりした顔立ちになっていた。ただ、両親と娘のあおいは、近寄らないが。カレンダーを見ると来月まで後、一週間だった。


カリンのスマホが鳴った。“誰だろう”と思いながら見るとかおるだった。すぐに画面をタップして

「はい、カリンです」

「カリン、久しぶり、今度時間取れない」

「時間は取れるわ。かおるのが難しいでしょう。合せるわよ」

「ありがとう、カリン。今度の水曜日の二時に会えない」

カリンは、次の水曜日は午後になにも予定が無い事を頭の中で確かめると

「いいわ。どこへ行けばいい」


かおるは既に来ていた。

「かおる、お久しぶり」

そう言って、かおるとテーブルをはさんで反対側の椅子に座ると

「カリン、お久しぶり。元気そう」

「かおるも」

そう言って二人で少し微笑むとトーンを落とした声で

「拓が帰ってきている」

「えっ」と言うと

「家には帰ってこない。私が学生の時から使っていた目黒のマンションにいる」

少し時間が流れると寂しそうな目をして

「左腕が無いの」

「えーっ」

さすがに驚いた。かおるの夫とは、結婚式以来だ。途中、かおるから元気でいるとだけは聞いていたが、まさか腕をなくしているとは。何も言えないままに、かおるの言葉を待っていると

「もう、海外のボランティアには行けない。お願いが有るの。葉月家の傘下に障害者がボランティアしている会社があるでしょう。あそこで働かせてあげて。お給料とかいらない」

カリンは、頭の中で考えながら“確か、横浜にグループ傘下の会社でそういう会社が有った事を思い出すと

「優に話さないといけないけど、問題はないと思う。でも・・」

「分かっている。ここからがちょっと・・身分を伏せてほしい。うちの傘下では、すぐにばれる。マスコミを騒がせたくない」

本当に困った顔をしながらいう大切な友達に

「分かった。任せて。優とは、しっかりと話しするから」

そう言って、カリンと夫にしか見せない寂しそうな顔をしている、かおるに微笑んだ。


 かおるは、カリンと分かれた後、直接会社には戻らずに、目黒のマンションに行った。専用のエレベータなので人と会う事は無い。一階には、若いころから自分を守ってくれている“お付きの者”石崎がいる。安心して上がると自分で持っている鍵でドアを開けた。

「拓」

それだけ言って玄関を上がると、ひげを落とした夫が、ダイニングのテーブルに座っていた。昔と違うのは、顔つきが少しだけ精悍になり、体ががっちりした事だ。

「拓、カリンと話してきた。上手くしてくれる」

「かおる、ごめん。注意していればよかったけど、上から落ちて来た岩に左腕を粉々にされて現地で切るしかなかったんだ」

「なぜ、もっと早く教えてくれなかったの。日本の病院なら切らずに済んだかもしれないのに」

左肩から二の腕まで有るが、それから先が無かった。

「義手はすぐに作るように指示する。もう少し我慢して」

夫以外に絶対に見せた事のない優しい顔で言うと「拓」と言って体を寄せた。

「かおる。上手く出来ないかもしれない」

「いいの」

そう言って、座ったままにしている夫を立ちあがらせるとそのまま唇に自分の唇をふれさせた。

 唇だけを付けながら右手でかおるの背中に腕を回すと

「あちらに」

と言って自分で歩いて行った。ベッドの前に立つとゆっくりとブラウスのボタンを外した。少し意識的に夫に見せるよう取ると、今度はスカートの右のホックをはずしてスカートを落とした。腕を後ろに回してブラのホックを取るとブラの前を落とさないように手で押さえながら夫のそばによると

「拓、あとは」

そう言って右手しかない夫に体を預けた。

何か月ぶりかの体の高揚に酔いながら、声だけが漏れていた。久しぶりに感じる激しい突き上げにかおるは思いきり声をあげた。あまりにも美しい顔からは想像もできない、夫だけに見せる姿だった。

 やがて、自分の体に熱いものが入って来るのが分かると夫が自分の体に覆いかぶさって来た。そして

「かおる、ごめん。僕、かおるの為に何も出来ないのに腕を失って・・」

言葉が続かないまま、涙がこぼれているのが分かると

「いいの拓、結婚した時からの約束。こうして、私のそばにいて」

片腕の中で心のぬくもりを感じながらいると拓はゆっくりと体にキスをしながらかおるの体を下に降りて行った。

 彼の舌が触れると久しぶりの感情に我慢できなかった。夫の頭を抱きながらまるでそこに彼を押しつけるようにしながら声を漏らした。熱い舌がそこに入って来るとたまらなかった。そして

「来てっ」

その声に反応するようにゆっくりとそれがそこに押しあてられると強く押し込まれた。

かおるは、たまらなかった。“これで毎日、拓と一緒に入れる”それを現実に自分の体で感じていた。

「拓、毎日、私のそばに・・」

日常を財閥のトップとして、また経済界の花として気を抜けない、かおるの心の安らぎであった。



片腕を失った夫、拓の帰宅にかおるは悲しみながらも、これからは愛する夫と一緒に居れることに喜びます。

さて、次回は新しい章が始まります。お楽しみに。

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