勝負
遅くなってすみません。
さてさて、やってきました勝負当日。色々めんどくさいことも起こったよ〜。
呼びたされたりしたしね。
ちなみにこんな感じでした。
「ちょっとあなた生意気よ。年下は年下らしくしていなさい」
「えっと…」
現在、突然現れた女子3人組に囲まれて中庭に連れてこられました。歳はお兄様よりは上かな?年下は年下らしくってどういうことだろ?
「マリー様、わかっていないみたいですわ。これだから子どもは困ります」
「っふん!私から声をかけて差し上げたのよ。有難く思いなさい」
なぜ?
「…あの?失礼ですがどちら様でしょうか?初めてお会いするという認識で間違えてませんよね?」
「まぁ、マリー様を知らないと言うの?マリー様はセルーナ侯爵家のご令嬢ですのよ?」
「本来であれば会話するのもおこがましい。貴女みたいな庶民は嫌ですわ」
いや、私も一応公爵令嬢ですよ?貴族ですよ?まだ小さいからお母様と親しい方とのお茶会にしか参加してませんが?
「年下らしくと言うのは…?」
「まぁ、貴女から話すだなんて。カルロ様に勝ったからといって調子にのってますの?年下らしくとは言葉のままですわ。目上を立てなさい。いくらカルロ様が手加減していたからといって勝つだなんて」
いや、あの魔法手加減して無いと思うけど。もししてるなら特別クラス入れるからね。こんな面倒なことにならないからね。
「しかも!」
あ、まだあったんだ。
「こともあろうに、フィルベルト様達にまで近づくだなんて。あの方達が迷惑してるってなぜ気がつかないのです?」
ちょ⁉これはあれですか?よく少女漫画なんかにあるあの人に近づくなんて許せない‼的なやつ?
しかもフィルベルト殿下って接触したのあの時だけでしょ?それもダメなの⁇
「今後一切ラルフェス様には近づかないように!」
え?相手はフィルベルト殿下じゃなくてお兄様?
「えっと、それは無理です」
「っな!私に逆らうというの?」
逆らう逆らわないの前に家族だからね。無理なのさ。ってもしかして気がついてない?私の家名知らないのか?
「申し遅れました。私アニス家が長女、シャルネーゼ・アニスと申します。」
よろしくしないでいいですよ?
「え?」
「ラルフェスは兄なので、近寄らないというのは無理なのです」
ってか名前で気がつかないかな?サラ達も気がつかなかったから無理か。
でも私お母様とソックリなんだけどな。色違いなだけで。彼女達はサラ達と違ってもうデビュタントしてるでしょ?
「い、妹?」
「はい」
私がにっこり微笑むと彼女達はそそくさと去って行った。真っ青だったね。でもきちんと情報収集してないんだ。自業自得だよ。
っとまぁこんなやり取りを何回もやったよ。勿論フィルベルト殿下に対する呼び出しもあったし。カルロ殿下に対しては殆ど無かったな。人望無いのかな?
でも、やっぱり学園であの二人との接触は控えよう。
めんどくさい。
で、今は皆とスタジアムに向かってます。私場所知らないから案内してもらってる。
講義はちゃんと午前中は出席したよ?午後は潰れたけど。
「ねぇ、シャル。本当に大丈夫⁇実は呼び出しとか受けてたでしょ?」
あれ?黙ってたのにサラは気がついてたんだ?
「気がついてたのですか…。でも殆どがお兄様達に近づくなってやつでしたよ?兄妹だと言えば大概引き下がりましたし」
「え?シャル、呼び出し受けてたの⁈俺知らないんだけど⁈」
あ、やっぱりこっちは気がついてなかったか。
「リューク、私は誰にも言っておりませんわ。サラが気がついてただけです。多分マルクルも気がついてたと思いますが…」
マルクルを見ながら言うとマルクルは頷いた。
「気がつかなかったの俺だけかよ?」
「気を落とさないでください。私が隠していたのです。気がつくほうが少ないと思いますから」
取り敢えずリュークを慰めておく。
「それよりもスタジアムはあの建物だよ。準備はいい⁇」
スタジアムが見えてきたところでマルクルに聞かれる。
「もちろんですわ。それにしても大きな建物なのですね」
辿り着いたスタジアムを見上げため息をついた。
「まぁね。本来はこんなことではつかわないよ」
ですよねー。
カルロ殿下何を考えているのだか。
「シャル」
スタジアムをみあげながらぼへっとしてると名前を呼ばれた。
振り向くとフィルベルト殿下とお兄様がいた。
「あら?お二人とも実技はよろしいのですか?」
いま授業中だよね?
「他の学年も無くなったんだよ?シャル、知らなかったの?この3日間君とカルロ殿下の話題ばかりだったのに」
お兄様が苦笑いしながら答えてくれた。
「そうなのですか?」
皆を見ると頷かれた。1学年だけだと思ってた。なんで私気がつかなかったんだろ?
そんな考えがわかったのかマルクルが理由を教えてくれた。
「この3日間、クラスの誰かと必ずいただろ?あれ、皆が心配してシャルの耳に入らないようにしてたんだ。シャルの側でそんな噂をしたら話かけたりとかして聞かないようにしてたんだ」
なるほど。いいクラスメイトに恵まれたようです。
「シャル、いいクラスメイトだね」
お兄様は私と同じ考えみたいで頭を撫でてくれた。
「でも、何故他の学年まで無くなったのですか?」
「カルロが言い出した。自分の強さを示すためだと」
あの馬鹿が
えっと、フィルベルト殿下⁇最後聞こえないように言ったんだと思うけど皆に聞こえたよ?お兄様また苦笑してるよ?
「なら他の学年の方が見にきてる可能性もあるのですね?」
これだけ大きければはいるか。むしろ全校生徒入っても余裕そう。
そんなことを考えていた私にお兄様が教えてくれた。
「可能性どころかほぼ全校生徒が見にきてるよ」
「え?」
何それ⁇みんな暇なの?
うわ〜。
「大丈夫?」
嫌な顔をしていたらサラに聞かれた。
「もう居るのは仕方ないですわ。でもそれなら私に文句を言う気が起きないようにするのにいい機会だと思いません?」
にっこり
「「「はぁ?」」」
3人はびっくり顔。お兄様はよく出来ましたとでも言いたげな顔。
お前はそういうやつだよ。
ってフィルベルト殿下!聞こえてますから‼
「ふん。逃げなかったようだな。褒めてやる」
本当うざいな。
今はスタジアムのフィールドにカルロ殿下と向かい合ってます。
間も無く開始なんだけど無視していいかな?
「無視をするな!そんな余裕も今のうちだ。今回は魔法も有りだ。貴様には負けん。僕が勝てば貴様はクラス落ち。どうしてもと言うなら残してやってもいいがな」
あーはいはい。
「その時は潔くクラスを移りますわ」
あんたと同じクラス嫌だしね。皆と違うクラスはさみしいけど友達じゃなくなるわけじゃ無いし。
そうこうしている内に審判を勤める教授がフィールドに入ってきた。公平にするため私達とは関わりが無い教授。
変に媚びを王族に売ってる人じゃ無いことを祈ろう。
「ではこれより試合を始める。ルールは相手を戦闘不能にするか場外に出すかだ。危険と判断した場合によっては我々が止めに入る。その際には速やかに戦闘を中止するように」
周りをみると何人かの教授がいた。大怪我しそうなら止めに入るってことか。
「魔法、武器ともに使用可とする。双方準備はいいかな?」
教授がそれぞれに確認し、私達は頷いた。
「それでは始め‼」
こうしてカルロ殿下との再試合が始まった。