8.おわりに
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〇最初に
読んでくださった方。本当にありがとうございました。如何だったでしょうか。これは自分で悲劇なのかそうでないのか悩んだのですが、最終的に彼女は彼女の世界で一等幸せになれたと信じて前書きでは悲劇じゃないと宣言させていただきました。結局のところ思い込もうとしているだけに過ぎないのですが、それが僕にとっての答だとさせてください。
ここから下は物語の背景や解説なんかを書いてゆくだけです。引き返す方にもう一度お礼を言わせていただきます。ありがとうございました。
〇雑談
※Edgarとの関係についてはもう少し下で。
・物語背景
不思議の国のアリスです。3年前精神科通いしていた時にどうしようもなく鬱憤晴らしたくなったんですよ。そしたら、当時付き合ってた子が僕が絵本好きなの知ってて不思議の国のアリスの原本をプレゼントしてくれた。よく考えたら精神科通いの恋人にこの本渡すのはある意味ハードww ゴリゴリハードだったよww 芋虫の爺ちゃんの問答とか本当に心折れるww 原本のアリスちゃんも実際に美紅ちゃんと似たようなやりとりをしていたのですが、あの子は逆に食ってかかってたww アリスちゃん強い子ww とりあえず、いいネタが入ったのをいいことに心折れそうになりながら書きなぐったやつがこれです。それを今回、連載中の作品が煮詰まったのを機にリメイクしました。
・原本との比較
結構忠実になぞりました。原本は幼女の冒険譚なんで、主人公を少し大人にして人物達の会話や言葉の意味なんかを掘り下げて書いてみただけです。それもかなり個人的な解釈で。いろいろ端折ってますが、冒頭のあたりなんかはかなりっていうか全く同じ流れですね。変わるのはやっぱり"帽子屋のせがれ"が出てからです。いないもんね、原本にそんな奴。孫とかまででちゃってるし。あの意味不明なごちゃごちゃとした家族関係も事細かに設定はありますが、結論を言うなら親子と名乗ってても血縁関係は特にありません。鼠や白兎達のくだらない洒落も原本の雰囲気をそのまま活かすために入れました。書いてて寒過ぎて辛かった。頑張ったよ。
・裏設定
Edgar関連の裏設定は後ほど。謎の女性、メアリ・アンについて書かせてもらいます。原本でも登場する彼女。実際にアリスちゃんも彼女と間違われます。そこで、この物語において彼女はどういう存在であったか。裏設定というだけの設定もないのですが、イルマが美紅が来訪したことに浮かれて家を彼女のために飾りたてようとしましたよね。アレ、白兎がメアリ・アンが来た時にすでにやってたんです。妙に綺麗なアンティーク調の室内は、メアリ・アンがいた時の名残だったんです。そしてメアリ・アンは白兎が女王に召し上げられたと同時に消え去ります。彼女が人間だったから地上へ戻ったのか、はたまたそうでないのかは決めてませんが。彼女が誰かは僕自身よくわかりません。美紅が、イルマに白兎になってほしくない、自分はメアリ・アンのようになりたくない、と思ったのもコレに気付いてしまったからです。わかりずらいね。
ちなみに女王様やアリスについてもそれなりの設定はあるのですが、ややこしくなるだけなので端折ります。アリス=女王様=リリス設定でした。
・水銀
昔のことだから覚えてないですが、帽子屋さんって水銀扱ってたからちょっとパッパパラリラ気味な人がいたらしい。よくわからないけど。だから帽子屋メインの話で水銀をタイトルにしたんだと思う。夢寐はリメイク後に足しましたが。
・登場人物
美紅はあの通りちょっと思春期真っ盛りの悩める女の子ですね。不思議の国のアリスを僕の解釈で掘り下げるにはもってこいの人材でした。兎穴を落ちてる最中、実際にアリスちゃんもお茶を飲むんだけど、アリスちゃんはおマセさんだからそういうことをしてみたまでで。本当に落ちたらみんな阿鼻叫喚でしょww 落ち着いてられないでしょww だからアリスちゃんと同じ行動がとれるように死に対してほんわか覚悟ができてる鬱気味な女の子を主人公にしたんです。他にも、大洪水になる程泣いたり、芋虫の問答に答えられなかったり、心情は違えど少女のアリスちゃんと共通の動きができるように美紅を作り上げました。だったらアリスくらいの女の子にすればよかったんじゃね? と思うかもしれませんが、僕はこの話を掘り下げて書きたかった。ど素人の僕が幼女で心の葛藤なんかをゴリゴリ描くのには無理があった。だから美紅ちゃん。本当に大抜擢でございました。
イルマとオズマ以外は皆原本に出てます。鼠や沢蟹、オウム、門番まで。擬人化したりしなかったりは気分でした。台詞やなんかも原本になぞらえて言わせてます。白兎やチェシャ猫、美紅に絡みが多い人物はさすがに性格やなんかにアレンジ加えちゃってますが。大体あってると思う。
・結末について
ありゃー……まあ、あんな感じで。美紅ちゃんが精神疾患とか、頭がトチ狂ったとかいう明確な表記はしていないので彼女がどうしてああなったかは御想像にお任せします。が、タイトルは水銀です。ぶっちゃけ当時のイカれた僕がイカれた話を書いただけなので、なんと言っていいのかわかりません。美紅ちゃんにとっての世界がどこかとか。断言できるのは、彼女は"死"を選んだわけではないということです。
〇ここからEdgar関連
・世界観
本編を読んでくださった方はお気づきかと思いますが、不思議の国は魔界だったということですね。元々そういう設定でした。実のところ、オズマはこの作品から引っ張って来たキャラクターでした。所謂"帽子屋のせがれ"だったわけです。リメイクでは孫として登場してもらってますが。父さんがいなくなってからオズマがどういう経緯で眼鏡屋になったのかはそのうちAnotherで書く予定です。この美紅ちゃんの一件とも絡んでくるので。……そんなに絡まないけど、ちょっとだけね。
・イルマとオズマ
上記の通りです。もっとぶっちゃけると、イルマは"オリジナル帽子屋のせがれ(リメイク前)"の方で"アンリ"って名前にしてました。アンリ君。本編で吸血鬼してるあの子。あの子の名前は"オリジナル帽子屋のせがれ"から持って来たんですよ。"オリジナル帽子屋のせがれ"の名前をアンリ君に、設定をオズマに分け与えた結果が今のEdgarです。それでこのイルマはリメイクのため穴埋めとして登場したわけですが……思った以上に書きやすかった。オズマの父ちゃん扱いやすかったー……彼はモテ過ぎて困ってたようですね。それで女性に対して紳士的に振る舞うものの何処か仮面的になっていた。そんな人。裁判の時書いてて泣きそうでした、何故か。こいついい奴だ。どうでもいいですが、ガトーも本当はこの物語に出てました。リメイクでは削ったけど、帽子屋のせがれの家の執事で"土蜘蛛"って設定だった。「今一緒に住んでるのは蟻と、蜘蛛と、」ってイルマが言ってたあの蜘蛛。蜘蛛執事が神の子になるなんて出世したね。
・本編との関連性
Anotherでも本編でもちょこっと出ると思います。気付かない程度かもしれませんが、まあ、絡みはあります。無関係な人は誰一人としていないのがAkashic Recordsシリーズだから、仕方ないですね。
・最後に
だらだらと書き綴りましたが、こんなでも思い入れのある作品です。数年ぶりに読み返して懐かしくなりました。僕の作品はやっぱり重いうえにしんどくてイカれてる。今はマシになったかなーと思います。
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー誠。