悪魔と天使
悪魔と天使どちらか正しいのかなんて誰もわからない
自分が正義だと思うことは相手にとって悪かもしれない
そう考えると相手のことを少しは理解できると思います。
序章
天使と悪魔。
天使は「秩序」と「善」を、悪魔は「混沌」と「悪」を象徴する存在だとされている。
人々は当然のようにこう信じていた。
――天使は善であり、悪魔は悪である、と。
だが、なぜ天使が善で、悪魔が悪なのか。
その理由を説明できる者は誰一人として存在しなかった。
それでも人々は疑うことなく善悪を決めつけ、天使を崇め、悪魔を恐れ続けた。
⸻
人間暦562年
かつて天使と悪魔は長きにわたり対立していた。
しかし両者の戦力は拮抗しており、どちらも決定打を欠いていたため、大規模な戦争へ発展することはなかった。
均衡は保たれていたのだ。
だが、その均衡はある日を境に崩れ去る。
⸻
人間暦662年
人間界で神への信仰が広まった。
各地に教会が建てられ、人々は神へ祈りを捧げるようになる。
そして神の使徒とされる天使は崇拝の対象となり、悪魔は討つべき敵として語られるようになった。
いつしか人間たちの間には共通認識が生まれていた。
――天使は正義。
――悪魔は悪。
その結果、戦いの構図は変わる。
天使 VS 悪魔だった争いは、
天使・人間連合 VS 悪魔へと変貌した。
悪魔たちは劣勢へと追い込まれていく。
さらに悪魔たちの内部でも対立が発生していた。
天使との全面戦争を望む「過激派」。
そして、話し合いによる和平を望む「穏健派」。
悪魔の大半は過激派に属していたが、穏健派も確かに存在した。
しかし同胞同士の争いは悪魔たちの結束を弱め、結果として天使たちに攻め込む隙を与えてしまう。
悪魔たちは外敵と内輪揉め、その両方に苦しめられていた。
⸻
人間界 アビディアの森
アビディアの森には数百人の悪魔たちが暮らしていた。
本来、悪魔は魔界で生活する。
それにもかかわらず彼らが人間界に住んでいるのは、穏健派の中でも特に力の弱い者たちだったからだ。
過激派との衝突を避けるため、彼らは人目につかぬ森の奥でひっそりと暮らしていた。
「アス! こっちも運ぶのを手伝ってくれ!」
そう声を上げたのは、真っ黒な髭を蓄えた老人だった。
呼ばれたのは、夜空のように美しい漆黒の髪を持つ青年。
「わかったよ、ロノ爺さん! 今行く!」
青年――アスは笑顔で返事をすると、抱えていた薪を置き、老人のもとへ駆け出した。
彼はまだ知らない。
この穏やかな日々が、もうすぐ終わりを迎えることを。
私「月陽」が初めて投稿する小説です。
初めてと言うこともあり未熟で読みにくかったり
間違いがあるかもしれませんが読んでいただけたら嬉しいです。
続きは逐一投稿する予定です。




