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第二章 第五十一話:「倭寇討伐と黒川家の正道」

史実でも、倭寇といっても日本の海賊でない人々が、倭寇を名乗って襲っていたりします。

天正五年(1577年)晩秋——広州・明国官庁

堺の商人たちの工作により、「黒川家が倭寇と通じている」という疑惑が広州の官僚たちの間で広まりつつあった。もしこれが確定してしまえば、明国との交易交渉は完全に破綻する。俺たちは即座に対応を決定し、行動を開始した。

「まずは、この噂を打ち消すための動きを取る。」

俺は藤堂宗春、間宮時継、斎藤友継と共に作戦を練った。

「どう動きますか?」

藤堂宗春が尋ねる。

「明国の役人たちに対して、我々が倭寇の討伐に協力することを申し出る。そして、すでに捕えている密貿易者たちを明国側に引き渡し、黒川家が違法な交易には関与していないことを証明する。」

間宮時継が頷いた。

「それならば、疑いを晴らすだけでなく、我々の信頼を高めることができますな。」

「その通りだ。加えて、堺の商人たちがどのように動いたのかを探る必要がある。」

________________________________________

*倭寇討伐の提案

俺たちは広州の官庁を訪れ、張文興と沈国泰に直接申し出た。

「黒川家は倭寇とは無関係であり、むしろ彼らを討伐する意思がある。」

沈国泰が眉をひそめた。

「討伐、だと?」

「我々は織田家の庇護を受けており、日本国内の治安維持にも関わっている。倭寇が明国に害をなしているのであれば、それを取り締まることは、我々にとっても有益なことだ。」

張文興はしばらく考え込んだ後、俺を見据えた。

「貴殿の言うことは尤もだ。しかし、証拠が必要だ。」

「すでに、我々は日本国内で密貿易に関与していた者たちを捕えている。その中には倭寇と通じていた者もいる。彼らを明国側に引き渡し、詳細な調査を行っていただきたい。」

沈国泰は驚いた表情を見せた。

「貴殿が自ら証拠を提出するとは……これは、誠意と見てもよいのか?」

「その通り。我々は明国との正式な貿易関係を望んでおり、闇の交易に頼るつもりはない。」

張文興は深く頷き、沈国泰と視線を交わした。

「よかろう。では、黒川家が倭寇の取り締まりに協力するという約定を正式に交わそう。」

俺は静かに頷いた。

「感謝する。」

________________________________________

*堺の策謀の露見

その後、間宮時継が堺の動きを探り、重要な情報を持ち帰った。

「堺の商人たちが、密かに明国の役人に賄賂を送っていた証拠を掴みました。」

俺は目を細めた。

「それをどう利用する?」

「明国側にこの情報を伝えれば、堺の信用を大きく損なうことになります。」

「だが、迂闊に告発すれば、こちらの立場も危うくなる。慎重に進めねばならん。」

俺は藤堂宗春に目を向けた。

「明国側に接触し、堺の動きが交易の公平性を脅かしていることを示す。その上で、堺の商人たちを正式に調査させるのだ。」

藤堂宗春は微笑んだ。

「つまり、堺を自滅させるわけですな。」

「そうだ。」

________________________________________

その夜、俺は広州の港を眺めながら考えた。

「倭寇討伐の約定を交わしたことで、黒川家の信用は確実に向上する。」

藤堂宗春が頷いた。

「次の焦点は、いかにして勘合符の正式な発行へと繋げるか、ですな。」

「そして、その間に堺の妨害を完全に封じる。」

俺は静かに微笑んだ。

「黒川家が商業国家としての地位を確立するために、次の一手を打つ時が来た。」


海上警察を作らねばなりません。

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