第二章 第十七話:「交易と新たな味覚」
南蛮貿易によって、今までにない食材が入ってくると、現代人ならこうしたくなりますね。
敦賀港の朝は活気に満ちていた。波止場には新たな商船が停泊し、堺からの商人が荷下ろしを進めている。彼らが運んできたのは、南蛮渡来の香辛料や砂糖、そして干し肉やチーズといった珍しい食材だった。
「殿、今回の交易では南蛮の食材が豊富に手に入りました。」
斎藤友継が、持ち帰った荷を前に興奮気味に語る。
「砂糖に胡椒、オリーブ油まで……これは面白いな。」
俺は目の前の食材を見つめながら、ある考えを巡らせていた。
「これらの食材を使って、新しい料理を作ってみよう。」
「新しい料理、ですか?」
「そうだ。食文化の発展も商業の一環だ。南蛮の食材と日本の食材を融合させることで、新たな市場を開拓できる。」
俺は賄いの者たちを呼び、新たな料理を試作することにした。
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*現代風の味覚を取り入れる
まず俺が取り掛かったのは、鰻の蒲焼きの改良だ。
この時代の鰻の食べ方は、まだ単純な焼き物が主流であった。しかし、俺の記憶にある現代の蒲焼きを再現できれば、新たな名物として広められる。
「まずは、鰻を捌いて蒸し、柔らかくする。その後、南蛮渡来の砂糖を加えた特製の醤油ダレで焼くのだ。」
「なるほど……! 砂糖を加えることで、より深みのある甘辛い味になるのですね。」
料理人たちは興味深そうに俺の指示を聞きながら、試作を進めていく。
しばらくして、炭火で焼かれた鰻の蒲焼きが完成した。
「おお……香ばしい!」
口に運ぶと、ふんわりと柔らかく、それでいてタレの甘みと鰻の脂が絶妙に絡み合っている。これはいける。
「これは素晴らしい! ぜひ城下の食堂でも提供できるようにしよう。」
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*南蛮料理の導入
さらに、俺は南蛮の食材を使った料理も考案することにした。
「胡椒を使った肉料理、砂糖を加えた果物の菓子、オリーブ油を使った揚げ物……可能性はいくらでもあるな。」
「殿、堺の商人たちにも振る舞えば、さらに交易の発展につながるのでは?」
「そうだな。次の堺との交渉では、これらの新しい料理を振る舞い、商人たちに興味を持たせるのも一つの手だ。」
こうして、俺は商業だけでなく、食文化の発展にも乗り出すことになった。
この新たな味覚が、人々の生活を豊かにし、さらに黒川家の影響力を高める武器となるかもしれない。
「商いは金だけではない。人々の暮らしを変えることこそが、本当の力だ。」
俺は焼きたての蒲焼きを一口かじりながら、次なる展開を思案していた。
とりあえず、ウナギの蒲焼きを作ってみました。お話しの本筋にはあまり関係ありませんね。




