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第二章 第六話:「影を追う者、真実を暴く者」

間宮時継の報告を受け、俺は越前国内での警邏組の監視をさらに強化するよう命じた。

「間宮、お前の見立てでは、今回の襲撃の黒幕はどこにいると考える?」

俺の問いに、間宮は静かに目を細めた。

「殿、襲撃の手際が良すぎます。単なる野盗であれば、もっと雑な手口になるはず。しかし、襲われた商隊はいずれも狙いすましたように奇襲されております。しかも、被害者の証言をまとめると、襲撃者は明らかに軍事訓練を受けた者たちです。」

「つまり……軍の関与か?」

「その可能性は高い。信長公の軍でなければ、他の織田家臣の関与が考えられます。先日報告した柴田勝家の家臣筋が動いているかもしれません。」

俺は少し考え込み、次の手を打つことにした。

「ならば、襲撃者の正体を突き止める。間宮、お前の部下を潜入させ、襲撃者の拠点を洗い出せ。そして、警邏組の精鋭を用い、確実に捕らえるのだ。」

「承知いたしました。」

________________________________________

警邏組の潜入捜査

間宮の部下たちは、越前の各地に潜入し、商隊襲撃の拠点を探り始めた。

数日後、間宮が報告を持ってきた。

「殿、ついに拠点を突き止めました。敦賀の外れ、旧朝倉家の廃屋を根城にしているようです。そこには二十名ほどの武装した者たちが駐在し、常に監視を行っています。」

「二十名……間者か、それとも私兵か?」

「動きを見る限り、織田家の正規軍とは異なります。柴田勢の私兵、もしくは堺の商人と手を結んだ傭兵の可能性もあります。」

「なるほど。ならば、強硬策に出る。」

俺は即座に決断した。

「警邏組の精鋭十名と、黒川家の兵五十名を動員する。夜襲をかけ、拠点を制圧するのだ。」

間宮は微笑みながら頷いた。

「殿のご命令、しかと承りました。」

________________________________________

夜襲、襲撃者の正体

その夜、俺たちは敦賀の廃屋へと向かった。

警邏組と黒川家の兵が闇に紛れ、静かに包囲を完了する。

間宮が小声で指示を出す。

「まず、見張りを排除する。」

弓の音が鳴り、一人、また一人と見張りが倒れていく。

「突入するぞ!」

俺の合図とともに、兵たちが一斉に駆け込んだ。

中では、武装した男たちが応戦しようとしたが、俺たちの奇襲に完全に虚を突かれた。

「何者だ!?」

敵の一人が叫ぶ。

「黒川家の者だ。貴様ら、一体何者だ!」

男たちは抵抗を試みるが、次々と捕らえられていった。

間宮が捕虜の一人を引きずり出す。

「こやつ、柴田勝家の家臣筋の者です。」

俺は男を見下ろした。

「貴様ら、なぜ黒川家の商隊を襲った?」

男は口を固く閉ざしていたが、間宮が脇腹を蹴り上げると、苦悶の声を上げた。

「言え。」

「……柴田様のご意向だ。」

「やはり……」

柴田勝家は、織田家の中でも特に武力を重視する武将だ。商業改革による経済力の強化を快く思わず、黒川家の影響力が増すのを抑えようとしたのだろう。

俺は深く息を吐き、捕虜を警邏組に預けるよう指示した。

「この件は慎重に進める。信長公には報告し、黒川家の商業改革が織田家にとって有益であることを改めて示さねばならん。」

間宮が頷いた。

「殿、これで黒幕は明らかになりました。しかし、柴田勝家がこれで手を引くとは思えませぬ。」

「それは分かっている。だからこそ、こちらも次の一手を打つ必要がある。」

俺は夜空を見上げた。

商業改革が進むにつれ、敵もまた増えていく。

だが、俺は決して引かない。

次の策を打ち、さらに越前を強化していくのみだ。


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