デジタルなチェキ FinePixPR21
随分と古い話となりますが、ほぼ四半世紀前の1999年11月に『プリンカム』機種名FinePixPR21と言うデジタルカメラとチェキが合体した、異色の不思議カメラが発売されました。
デジタルカメラとインスタント写真の2つの機能を持つことにより、撮ったその場で画像の確認やパソコンを活用した画像伝送そして、撮ってすぐにカードサイズのフルカラープリントを何枚でもプリントできるなど、今までのカメラの常識を破った新コンセプトカメラと言う、うたい文句でしたね。
しかし、残念ながら定価が99,800円(税別)と高価なことと、本体サイズが大き過ぎることなどもあり、次のモデルが出ることも無く『プリンカム』は一代限りで消えて行きました。
定価が高すぎたこともあり、あまりにも売れなかったので、最後の最後は10,000円程度の捨て値、バーゲンセールでの投げ売り状態で売っていましたよ。
私もちょっとした撮影記録用・写真配布用に便利かな~と思って、バーゲンセール時にラッキーと思いつつ、10,000円で買っちゃったんですよね~
インスタグラムの影響なのか2017年5月に再び『プリンカム』と同様のコンセプトで、スクエアフォーマット(画面サイズ62mm×62mm)の『ハイブリッドカメラ』として販売し始めているのだから『プリンカム』は、ちょっと時代の先に進み過ぎていたんだと思います。
『ハイブリッドカメラ』は価格的に言っても、エントリーモデルのコンパクトなデジタルトイカメラとチェキの2台を買ったよりは、少し高いかな~程度に収まっていますから、随分と安価になったものですね。
技術とアイデアの進歩でしょうか、チェキサイズのminiフォーマット(画面サイズ46mm×62mm)で今販売しているモデルは、サイズ的にもとてもコンパクトになりましたからね。
1999年当時であっても、ソニーのウォークマン的な発想で、無駄を極限まで省いて、もっと小さくもっと軽く作れていたら、もしかすると時代の寵児となっていたかもしれません。
なにせ初の試みの製品でしたから、開発スタッフが出て来たアイデアを、あれもこれもと色々盛り込み過ぎたんだと思います。
私も、もっと軽くするために、もっと安価にするために、フイルムカートリッジを入れるための開閉扉がモーター駆動の扉でなく手動の扉だったら、使う乾電池が単3乾電池4本でなく単4乾電池4本とかだったら、AC電源の使用を考慮しなかったならなどと、たらればの世界ですが・・・
この厳つく大きな『プリンカム』を買ったときに、ついつい思ってしまいましたからね。
では『プリンカム』は、どんな使い方を多くしていたかですが、撮影旅行を含む様々なイベントで大活躍でした。
イベントの参加者を、参加グループ単位で記念写真として写して、その場で直ぐにチェキフイルムにプリントして、参加のお礼・記念品として配布してしまうのです。
一々イベント参加者に個人情報である送り先等を記載してもらって、後から郵送等で送る必要も無いから楽でしたね。
必要な場合は、イベント参加者に後日イベントの様子としてホームページ(職場のインターネットとかイントラネットのホームページ)に掲載する許可を貰えるかの確認をして、許可を貰えたか方々だけ掲載させて頂いていました。
なにせデジカメ機能で撮影時同時記録された写真データが『プリンカム』の記録メディア(スマートメディア)内に、230万画素のそこそこ高画質で残っているのですから、本当に便利でしたよ。
また、馴染みの喫茶店のマスターにちょくちょく頼まれて、新メニューとか、ランチメニューとか、季節のお薦めメニューとかを撮影しましたね。
そんなこんなで中々便利に20年以上使っていたデジタルなチェキの『プリンカム』も、ついに電源が入らなくなってしまい、お別れすることとなりました。
製造メーカーも余りにも古すぎて対応してくれないので、修理なんて不可能ですからね。
折角買い換えるのならば、フイルムサイズが大きいスクエアフォーマット(画面サイズ62mm×62mm)の『ハイブリッドカメラ』の方が良いだろうと、程度の良い中古品を探して購入して使い始めましたよ。
ただ、生産が追い付いていないとかで、チェキフイルムが中々売っていないのが、悩みの種です。




