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一天にわかに掻き曇り

 毎年夏になると、豊橋市の静岡県との県境近くにある葦毛湿原では、鷺が羽を広げて飛んでいるように咲く『サギソウ』が咲いています。


 既に咲いているとの噂を聞いたので、旅行仲間達とハイキング込みで観に行くことにしました。


 多米峠手前の多米町寺門交差点で右折して南下し、突き当りの丁字路を右折し狭い道を走って行くと、葦毛湿原の入り口となる無料の葦毛湿原第二駐車場がありますので、車を駐車して、早速ハイキングです。


 葦毛湿原の中には、トイレも自販機も何もありません。


 無料駐車場の近くにあるトイレに行ってから、ペットボトルの飲料を忘れずに持って、岩崎自然歩道を歩いて葦毛湿原に出発です。


 あちらこちらから聴こえてくる蝉の鳴く岩崎自然歩道の雑木林を歩いて行くと、土の道から湿地帯となり、湿原の中に見学ルートとなる遊歩道の木道が設置されています。


 木道の上を奥へ奥へと歩いて行くと、木道沿いに羽を広げるように咲いている小さな花『サギソウ』がポツリポツリと発見出来ました。


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


挿絵(By みてみん)


 辺り花一面で『サギソウ』が大量に群生で咲いている訳では無いので、木道の周囲をそれなりに気にして歩かないと、見つけられませんよ。


 そんな『サギソウ』を見つけながら、撮影しながら木道を歩いていると、さっきまで青空だった空が、『一天にわかに掻き曇り』で雷の音と共に、真っ黒い雲が広がり始めました。


 周囲で各々散策していた旅行仲間達に「にわか雨が降りそうだから急いで駐車場に戻ろう」と伝えて、慌てて駐車場に戻ることにしました。


挿絵(By みてみん)


 駐車場に到着する頃には、空はほぼ一面真っ黒、ポツポツと雨が降り始めたので、走って車に乗り込むと、ザーっと土砂降り、皆、少し濡れただけで済みましたよ。


 雨が弱くなるのを待って、今回の帰り道に度丁在った、知り合いが脱サラで始めた喫茶店に「久しぶり~、葦毛湿原に『サギソウ』を見に来たから、ついでに休憩で寄ったよ~」と言いながら店内に入り、軽く飲食して帰途につきました。



 葦毛湿原は『東海のミニ尾瀬』と呼ばれるとかで、弓張山地に三方を囲まれた標高70m前後の緩やかな傾斜地に広がる湧水湿地は、市街地近郊にある身近な湿原として、ハイキングのコースにもなっていました。


 湧水湿地としては、国内最大級の広さを誇るのだそうですよ。

 知り合いが脱サラで始めた喫茶店は、夢と理想と現実は違ったのか、不採算だったのか、残念ながら10年ほどの営業で、閉店してしまいましたね。

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