古~いランクルで撮影旅行に行った
古い古い旧車って、憧れる方も大勢いますし、レストアした旧車は新車よりも高価です。
でも旧車にイザ乗って運転してみると、最新のテクノロジーで造られた便利機能満載の車に常日頃乗っているためか、とても乗りにく運転しにくいのですよ~
写真仲間の一人、吉チャンさんが、古い古い昭和40年代のランドクルーザーを、フルレストアしたときのお話となります。
「屋外の駐車場に放置したままで、廃車にせず税金だけ払っていたが、確実に10年以上乗ってなかったと思う」とのことでしたね。
吉チャンさんは、ランクルのフルレストアする前には、前期TE47型のトレノをフルレストアして乗っていたこともあったので、中々の旧車好きさんです。
撮影旅行の集合場所に、集合時間ギリギリで、ピカピカになったランドクルーザーに乗って、吉チャンさんが現れましたから、写真仲間達も私も「え~! あのランクル、本当に直したんだ・・・」って、本当に驚きましたよ。
フルレストアしたランクルを自慢していた吉チャンさん、撮影旅行に出発するときになってから、急に「せっかくフルレストアして、ランクルが走るようになったのだから、このランクルで1度だけでいいから、今回の風景撮影に乗って行きたい」なんて、無茶なことを言うのですよ。
今回だけとの条件で仕方なく了解し、予定変更して吉チャンさんのランクルとF1さんのハイエースの2台で、出かけることにしました。
ところがこのランクルは幌仕様で、左右のドアが無くて横棒1本だけ、ドアのカギなんて当然ない、とってもシンプル?な状態でした。
車内と車外を隔てるのは鉄の横棒1本だけ、これで高速道路を走ろうって言うのだから、ちょっと怖いものがあります。
挙句の果てに中央高速道路を走行中に、みぞれ混じりの雨まで降ってきちゃって、寒いのなんのって。
横を大型車が走ると、タイヤが巻き上げる水しぶきが、身体に直接かかるんだから参りました。
吉チャンさんがサービスエリアで、慌てて幌と同じ素材の簡易ドアを取り付けましたよ。
皆「あ~、カゼひかなくてよかった!初めっから簡易ドアを付けろよっ!」て、大笑いしましたっけ。
久しぶりのマニュアル車運転で、重いクラッチを踏むのも疲れたとのことで、吉チャンさんから「ランクルの運転を替わってくれ」って、頼まれてしまいました。
仕方が無いので、皆で休憩ごとに順番で交代をしながら、木曽路を走り、目的地の乗鞍の民宿まで走りましたよ。
そして翌朝には、風も無いスッキリした天気となり、無事に、逆さ乗鞍岳の撮影が出来ました。
古い古いランクルは、今時の乗用車とは、スイッチ類の操作方法が全然違う。
パワステなんて付いて無いから、ハンドルは重たい。
クラッチもアシストが無いから、やはり踏みにくいし重い。
車体は路面のギャップでポンポン跳ねるし、直進安定性なんて全くない。
当然、カーナビもカーステレオも無くて、AMラジオだけ。
後ろからハイエースで付いて行くと、ランクルがエンジンブレーキを掛けたときには、ガソリンの生ガスがそのまま排気管から出てくるらしい。
だから、「後ろに付くと、ガソリン臭くてたまらない」など、色々とありましたね。
でも6気筒キャブレター仕様のF型ガソリンエンジンは、フルレストアで吹け上りも良くて、中々快調でしたよ~。
たぶんですが、キャブレターのセッティングは、吉チャンさんがご自分でされたのだろうと思います。
昔はその道のプロだったらしい人ですので・・・
無事に走り切れましたが、こんなに車の運転で苦労したのは久しぶりでしたよ。
つくづく『今の車は運転が楽だ』と痛感した撮影旅行でした。
吉チャンさんは、ランクルと今時のオートマセダンの車2台所有は、流石に維持費が大変になったとのこと。
おまけに持病の腰痛が悪化とかで、ランクルのクラッチを踏むのが辛くなったとのことでしたね。
だからか、せっかくフルレストアまでして綺麗に直したのに、ランクルは旧車好きの知り合いに譲る形で、手放してしまったそうな・・・
でも、街中で違う方が運転する、あの古い古いランクルを見かけたので、今も問題なく無事使われていることに、少し嬉しくなりましたよ。