国宝 旧開智学校校舎
松本市内には、なんと『松本城天守』以外にも『国宝』の『旧開智学校校舎』があります。
場所も松本城のすぐ近くですから、散歩気分で歩いて行けますよ。
明治6年(1873年)に開校し、明治9年(1876年)に竣工した旧開智学校校舎です。
昭和34年の台風による水害をきっかけに校舎の保護のため、新校舎を建設して文化財指定を受けた校舎を移築復元することが決まり、現在地への移転修理工事が行われました。
昭和36年(1961年)に重要文化財に指定されていた校舎は、令和元年(2019年)に近代学校建築としては初めて『国宝』に指定されました。
国宝指定にあたっては、「近代化を推進した開化期の洋風建築受容を示し、近代教育の黎明を象徴する最初期の擬洋風学校建築として、文化史的に深い意義を有する」と評価されたとのことです。
今は教育のあゆみを伝える教育博物館として、校舎の公開と明治時代から脈々と受け継がれてきた歴代の教育資料約11万点を展示する博物館となっています。
旧開智学校校舎に実際訪れてみると、今の極力無駄を排除した鉄筋コンクリート製のマッチ箱のような校舎の外観と違い、とても温かみがあってお洒落な感じがしましたね。
現在だと、地震等の天災や火事を考えると、鉄筋コンクリート製の校舎になってしまうのかも知れませんが、やはり木材の雰囲気は良いですよね。
内装だって教室や廊下の床、階段や手すり等が木材だと、維持管理が大変かもしれませんが、木の柔らかさで転んだ時などのケガが軽く済むと思いますし、修復しながら永く使い続けられる気がしてなりませんが、今の時代はスクラップアンドビルドですから、やはりムリなんでしょうね。
また、照明の飾りや扉の飾り、明り取り窓のステンドグラスなども、お洒落で素敵でしたね。
でも考えてみれば、丈夫と言われている鉄筋コンクリート製の校舎だって、鉄筋の酸化とコンクリートの中性化で脆くなり、100年もすればそろそろ寿命なのですから・・・どっちもどっちかな?
どちらにしても、マッチ箱のような面白みのない形の校舎ではつまらないので、これからの校舎は安全性を配慮しつつも、100年後にも残したいと思えるような校舎の造りであって欲しいと、この旧開智学校校舎を見学して思った次第です。
追伸
2階建て校舎のような建物を撮影する場合、下から見上げるようになるので、どうしても上の方が小さくなるので、台形のような形の建物になってしまいます。
あおり撮影が出来るシフトレンズを使うなり、画像編集ソフトで加工して台形を四角に補正すれば良いのですが、シフトレンズは都合よく持ち合わせていませんし、あおり補正可能な無料の画像編集ソフトもインストールしていないので、今回は諦めですね。




