恐山
恐山は、青森県下北半島の中央部に位置する活火山です。
火山の活動によって出来た大きな凹地に、水が溜まったカルデラ湖である宇曽利山湖の湖畔には、日本三大霊場の一つである恐山菩提寺があります。
伝承によれば、恐山菩提寺の開山は８６２年（貞観４年）。
円仁が唐に留学中、「汝、国に帰り、東方行程３０余日の所に至れば霊山あり。地蔵大士一体を刻しその地に仏道を広めよ」という夢告を受け、円仁はすぐに帰国し、夢で告げられた霊山を探し歩いたそうです。
そして苦労の末、恐山にたどり着いたと言われていて、円仁は６尺３寸の地蔵大士（地蔵菩薩）を彫り、本尊として安置したのが、恐山菩提寺の始まりとされているのだとか。
恐山は、地蔵信仰を背景にした死者への供養の場として知られ、古くから崇敬を集めてきた場所とのことです。
下北地方では「人は死ねば（魂は）お山（恐山）さ行ぐ」と言い伝えられているそうで、恐山は死者の集まる山として、古くから信仰されているのだそうです。
明治・大正期には、
「恐山に行けば死者に会える」
「河原に石を積み上げ供物をし声を上げて泣くと先祖の声を聞くことができる」
「恐山の三大不思議（夕刻に河原に小石を積み上げても翌朝には必ず崩れている、深夜地蔵尊の錫杖の音がする、夜中に雨が降ると堂内の地蔵尊の衣も濡れている)」
などが俗信されていたそうですよ。
そんな恐山に行って、信仰心も疑わしい、都合のイイ時だけの身勝手信仰の私が、写真撮影してきた訳です。
恐山円通寺境内は、有名な地熱・噴気地帯とのことです。
そんな境内に入ると、驚いたことに恐山温泉と言う無料の温泉施設がありました。
恐山温泉は、明治〜昭和初期に存在した恐山鉱山（硫黄鉱山）の掘削時に、温泉が噴出したとのことが、始まりとのことでした。
「古滝の湯（男性）」「冷抜の湯（女性）」「薬師の湯（男女交代制）」「花染の湯（混浴）」の、４つもの湯小屋が存在するのですよ。
さらに参拝者のために作られた宿泊施設の宿坊には、全て源泉掛け流しの内風呂と露天風呂があるそうです。
私は写真を写すのが忙しくて、入浴しませんでしたから、温泉内に入浴している方がいたかどうかは不明ですが、効能は、神経痛・リウマチ・胃腸病だそうですよ。
恐山霊場は火山ガスの影響で、草木が生えず動物も稀であることから、これらが地獄や霊場と同一視されるようになったとのことで、確かに一般的な風景とは違った、何となく別世界のような雰囲気がある場所でしたね。
色々な角度から写真を写してみましたが、恐山霊場の雰囲気は出たでしょうか？
