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現像出来るまでドキドキ

 デジタルカメラと違い、フイルムカメラの場合は、撮影したフイルムをカメラ店に渡して、現像が出来上がるまで、撮影した写真が無事に問題なく写っているかが全くわからず、ドキドキの日々を過ごすことなります。


 ペンタックス645を主機として使っていた頃には、120のリバーサルフイルム(スライドで使うポジフィルムのことです)1本で、15枚の写真撮影が出来たのです。


 普段の普通に風景写真を撮影する分には、用心のため自分が適性露出だろうと判断した状態から、露出オーバーと露出アンダーで3分の1ステップずらした予備2枚を含めて、計3枚を1セットとして撮影していました。


 その後に使うようになったペンタックス67Ⅱでは、1本で10枚の撮影が出来るため、適性露出と判断した状態と、3分の1露出アンダーまたは3分の1露出オーバーの、2枚1セットでの撮影でしたね。


 ところが、花火や夜景のバルブ撮影や長時間多重露光など、この3枚1セット等が出来ないケースが多々あります。


 この場合は、過去の撮影経験による直感だけが頼りなので、通常よりも更にドキドキしながら、現像の結果を待つことになります。


 毎年1月に奈良で開催される、若草山の山焼きなどは、1時間もの撮影時間をかけて、たった1枚の写真を多重露光で撮影するのですから、なおさらです。


 この日は、薬師寺の五重塔を前面に黒いシルエットにして、花火と順々に燃える若草山をバルブ撮影しようと、写真仲間の中で都合の付いたF1さんと2人で撮影に出かけました。


 バルブ撮影での多重露光のため、便利な小道具として、バルブ状態でロック出来るレリースと、レンズを覆うのに書道用の真っ黒の下敷きを使うことを考えたのは、中々のアイデアでした。


 若草山の山焼きを始める前に打ち上げる花火は、バルブ状態でシャッターを押してシャッターロックし、レンズ開放のF4で花火を見ながら『直感』だけで、2~3秒を1回露光。


 その後はレンズをF16まで絞り込み、若草山に火が付いて燃え終わるまで、何度も何度も数十秒の露光を約1時間の間、自己満足で繰り返し、撮影は終了です。


 たった1枚だけの撮影で、結果を見るまでドキドキでしたが、待ちに待った現像結果は、中々に素晴らしい満足の出来る風景写真となりました。


 ただ、黒いシルエットの薬師寺の2塔の五重塔と、ライトアップされた興福寺の五重塔の間に、大きな建物の明かりが白く目立ってしまったことが、ほんの少しだけ残念でしたね。


挿絵(By みてみん)


 直ぐに撮影結果の出るデジタルカメラと違い、現像して結果が出るまでのドキドキで待つ楽しみも、フイルムカメラならではの醍醐味なのかもしれませんよ。


 今思うと、フイルムカメラは限られた少ない枚数しか撮れない。


 フイルムの感度は固定で決まっているから、都合よく変更できない。


 フイルムを買うのも、現像するのも、デジタルデータ化するのにも、プリントするのにも、全てにお金がかかる。


 フイルムカメラは、デジタルカメラより色々と出費がかさむのが、難点でしたね。


 ただ、フイルムカメラは、少ない撮影枚数で結果を残すよう、常に努力と工夫を毎回することになるのですよ。


 だからか、好みの写真・気に入った写真・大きくプリントしようと思える写真が出来る確率は、デジタルカメラを使う今よりも、結構高かったかなと思います。

 今ではデジタル一眼レフカメラで、花火と山焼きの写真を複数枚を撮影しておいて、比較名合成とかの技術で写真を合成作成してしまうのだとか。

 これも時代の変化なのでしょうが、何だか残念な気分になってしまうのは、私が古いタイプの人間なのでしょうか・・・

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