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魔人教授の怪奇譚  作者: 泥陀羅没地
序章:人と魔の交わる日
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プロローグ

どうもどうも皆様今日は、はじめましての方ははじめまして、泥陀羅没地に申します。


本作は作者が息抜きに執筆する作品です。


誤字脱字はあります、ストーリーの構成は未熟かもしれません、投稿頻度はクソです。


それでも良い方はどうぞお読みください。

――ガサッ、ガサッ――


荒い呼吸、湿気た空気が嫌な熱気を身体に貼り付け、不快感と苛立ちが心身を蝕む。


「確かこの辺りだったねピカロ君?」

「大分古い地図ですが、確かにこの辺りだと思いますよ」


一人の男……いやまぁ私、“不身孝宏(ふみたかひろ)“と、道案内の現地人ピカロ・エディソス君の会話なのだが。


「しかし、本当に在るんですかねぇ…“紀元前の遺跡“なんて?」

「さぁね、有るか無いかは探さねば分からんよ、ピラミッドだって紀元前の代物が砂漠の中で見つかったから有名なんだ、我々考古学者がこうして不明瞭な情報を地に足着けて消耗を気にしながら財布の中身に顔を青くして精査する事で真実が明るみに出る」


私はそう言いながら案内人の通った道を進む。


――パキッ――


「ッ!」

「……やっぱり何も無いですよ、ただの岩場「いや、違う!」」


そして開けた岩場に出た時、私はピカロ君の言葉など耳にも入らぬ程に心臓が高鳴った。


「見給えよピカロ君!」


何故ならば陽の光が照らす岩場の光景が、古めかしい紙切れに描かれた絵と酷似していたのだから。


「“空の火が尤も灯る時、尤も暗き場所に己が腕を捧げよ、さすれば王の宝物庫への道開かれん“…つまりは――」


私は案内人の前に出て、周囲を見渡す、この岩場で尤も影の濃い、3番目に大きな岩石へ近寄る。


「――ハッハッハッ!…見つけた、見つけたよピカロ君!」


3番目の岩石、岩岩が組み合わさり創り上げた深淵の穴に手を入れる……そして、奥の“鍵“を引っ張る。


――ゴゴゴゴッ――


それと同時に岩壁にもたれ掛かる岩岩が音を立てて崩れ、その奥に薄暗い洞窟の入口を覗かせる。


「良いね、ワクワクしてきた…本当に遺跡があるかもしれんぞ!」

「そうですね、もしかすれば財宝の山が眠っているかもしれないですね!」


私とピカロ君は持っていたライトを引っ張り出し、中へ意気揚々と突撃する。



「あ、落とし穴!」

「タカヒロ!?俺は蛇が苦手なんだ!」

「ええい、君の所は蛇がよく出るだろう!何を怖じ気付く事がある!?」

「無理なものは無理だ!」

「ただ毒があって絞め殺す筋力を持っているだけだろう!?」

「それが怖いんだよ!」


落とし穴、針山等など、恐るべき罠の数々をくぐり抜け、我々は等々“其処“へたどり着いた。



「……“王の宝物庫“」

「凄い……」


其処は、金銀溢れんばかりに積もった、財宝の山、調度品に金貨、銀貨、純金の武器に、一際目を引くのはまるでこの財宝の中のどれよりも価値があると言わんばかりに堂々と置かれた、白の小さな――。


――ドスッ――


「……グフッ!?」

「タカヒロ、俺は何て運が良いんだ?……こんな宝の山に有りつけるなんて!」


背後から走る痛み、口から溢れ出す紅い雫……崩れ落ちる私を置き去りに、ピカロは恍惚の表情で財宝に向かう。


「ピカロ……君…」

「コレだけの金があれば俺は億万長者だ、セレブ生活なんて何十年何百年も続けられる、二度とこんな泥臭い真似をする必要もなくなる!」


そう言うとピカロ君は宝を物色し始める、白い小さな、“鎖に縛られた箱“に手を触れ、そして鎖を切り、開いた……。


その直後だった。


――ベチャッ――


ピカロが死んだのは。


「な……に……?」

『アァァァァ…何千年ぶりの空気だぁ?』


箱から現れた、黒い腕は、崩れ落ちるピカロの骸を掴むと、その姿を箱から現す。


『下等な人間に封印されて暫く……腹が空いた』


そう言うとその黒い化け物は己を押し込めていた箱を投げ捨て、ピカロの骸を貪り喰らい歓喜の声を上げる。


『おぉ、暫く飯を喰らわぬと男の硬い肉も美味くく感じるのだなぁ!…女の肉は、子どもの魂はさぞ絶品であろう………む?』


暫く独り言を呟くソレは、死にかけの私の存在を認めると、その顔を疑問に歪める。


『勿体無い、勿体無いなぁ…こんなに血が溢れては味も落ちるだろう……まぁ良いまぁ良い』

「……君は、悪魔なのかい?」


――ギロッ――


『下等な猿の分際で我に話し掛けるか……ククッ、以前の我ならば嬲り殺して魂を喰らってやったが今は気分が良い、喰らう前に少しの戯れに付き合ってやろう』


化け物はそう言うと顔を下品に歪める。


『我は“アスタロト“…偉大なる悪魔の大公爵にして汎ゆる魔術を修める者也』


黒い化け物は…アスタロトはそう言うと、その顔愉悦に歪める。


『クククッ、クハッハハハッ、愉快、誠に愉快!人間の魂が此処まで増えているとは!…良い、実に良いぞ!』


アスタロトはそう言うと舌舐めずりをして私の身体を掴む。


『我がいぬ間に神も悪魔も精霊も尽く消えているなぁ?…つまり、全て我の餌にしてもええよなぁ?』


独り言を大声で喋ると、アスタロトは私の身体を喰らい始める。


『なぁに、貴様には永遠の命を与えてやるとも、我の血肉として、魂としてなぁ?…ゲヒッ、ゲヒッヒッ♪』


――ゲヒャッヒャヒャヒャッ♪――


そして、私の意識は黒に染まった。








その日、世界は驚嘆し、恐怖する……とある熱帯雨林からこの世に降り立った、封印されし悪魔の暴虐に……しかし。



それから凡そ3日後…世界を恐怖に震え上がらせた化け物は突如として消える事と成る。


その原因は……。



『やぁやぁ、3日ぶり悪魔君』

『どういう事だ!?この我が何故封印されたのだ!?』


再度封印された悪魔の内で楽しげに手を振る一人の男のお陰(所為)だとは誰も知らない

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