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太陽を盗んだ男 1

ちょっと長くなるので、その1としました。

カーボンニュートラルは、この男がキーポイントとなります。

その男は、地方議員の三代目だった。

だが、しかし、祖父や父の地盤を継ぎ議員となることはつゆとも考えていなかった。

中学時代から、ギターの魅力に囚われバンド活動にのめり込んだ。


これはイカンと思った祖父と親父により、高校卒業と共に英国に留学させられる。

しかし、祖父と親父は留学先を英国にしたことを後悔する。何と言っても、ビートルズを生んだ国である。より一層バンド活動にのめり込む事になる。


何とか6年かけて大学を卒業したが、帰国する気は無かった。

卒業後にアメリカに渡り、何故かコンサルティング会社に勤めていたが、親父が70歳になりそろそろ後継を決める頃となり日本に戻された。


本人は、そのままアメリカに骨を埋める積りだったが、アメリカ人の妻が日本オタクで強固に帰国を勧め、親父の地盤を継ぎ36歳で県議会議員となる。


このまま、のんきに地方議員しながら祖父の代から続く企業の経営もしと思っていたが、18年間の外国暮らしを続けてきた彼にとって帰国した日本は世界から2週遅れの状態だった。


帰国当時のニューヨークで、ラーメンが1杯1,500円するといわれるが、ニューヨークのバイトの時給は2,000円だ。物の値段が上がらずに、給料だけ上がる?そんなファンタジーは世の中に存在しない! コンサルティング会社に勤めていた男にとっては、この国の執政者はバカなのか? と。


特に、この国のエネルギー政策の馬鹿さ加減には怒りを覚えていた。

カーボンニュートラルが叫ばれているのに、反応炉の審査に5年も10年も掛ける事に対して「待ってる内にお迎えが来ちまうわ!」と。


そして、男は知事選に打って出た。果物柄の服を着た現職に勝って当選すると、日本からの独立を宣言した。

第2の「吉里吉里国」の誕生かとマスゴミが騒ぎたてた。


地方交付税交付金を辞退し、独立採算でやることと。核廃棄物最終処分場となること等を条件に日本は独立を許してしまう。

国名をARGAMAと名付けた。Aから始まってAで終わる言葉がいいというのと、あるがままから捩った。


反応炉発電所を国有化しエネルギー立国を目指した男は、ジュリー主演の映画から「太陽を盗んだ男」と言われた。


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