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K-segment car の誕生

            

青森県は、日本一の人口減少に苦しんでいた。


ピーク時の1983年に153万人だった人口は、2015年国勢調査で130万人に。国立社会保障・人口問題研究所によると、2045年には80万人と推計されいる。22世紀には、明治初年の人口50万人に戻るとの予測もある。


過疎化は、甚だしく3都市圏を除けば高齢化率は50%に達しようとしていた。


平成以降に廃校になった高校の数は、30校を超えた。いわゆる郡部から高校が消えた。


子供たちは、自宅から1時間以上、時には2時間近く掛けて通学していた。正に通勤地獄ならぬ通学地獄である。


また、通学においてJRを使えればいいが、バスや私鉄の場合は莫大な通学費用が家計を圧迫することになる。年間の通学定期代が40万円overという例もある。


このような状態で、新たに家庭を築き子育てをしようと思うものは少なく、農村、漁村、山間部、いわゆる田舎から子供が消えていった。


中には、都市部に家を構え、農村、漁村に通う者も居るが、どうしても土地から離れられない人々は居た。


都市部でさえも、高校卒業と同時に都会に出て、二度と帰っては来なかった。浜田省吾のマネー状態である。


ジリ貧どころか、完全に詰んでいるのが本州のどん詰まりの現状だった。


そこで、カントリーの首相は、大胆な手を打った。


14歳からの運転を許可し、高校からマイカー通学を許可する法令を発布した。


海外に目を向けると14歳から運転できる国は、かなり存在する。


アメリカの高校生は、ほとんどがマイカー通学だ。そこには、公共交通機関の脆弱さという問題がある。それは、正しくどこの国の田舎でも共通する問題である。


正し、通学に使用できるのは、排気量660ccまでとした。また、運転できるのは、あくまでもカントリー内とし、それ以外はジュネーブ交通条約の定めにより、18歳からとした。


660ccは、軽自動車規格であるが、アメリカからの圧力と燃料の水素の積載スペース確保により、最小規格をA-segment car にしたため、排気量は概ね1,000ccまで拡大されていた。


元々、軽自動車でもスポーツタイプが、スピードUPと安全性向上のために、トレッド幅を広げて普通車登録する場合があった。


そこで、カントリーと日本政府は、A-segment car の車体に660cc以下の排気量のエンジンを積んだK-segment car を作った。


ガラパゴス化した軽自動車は、国際的なA-segment car に昇華したが、新たなガラパゴスは残ることとなった。安全性を追求し大きく重くなったBodyに、水素を燃料とした660ccの非力なエンジンは、初期の軽自動車を思わせるものだった。


カントリーでは、通学用のK-segment car に100万円の補助金を出した。日本政府の補助金60万円と合わせて、補助金160万円である。電気自動車であれば250万円ほどだが、エンジン搭載車なら乗り出しで、ほぼ追加の経費が掛からない程の補助金であった。


更に、通学用の水素燃料は、カントリーが全て負担することになっている。


これには、高校生までの医療費負担ゼロ政策と共に、財政を圧迫するのではとの意見もあった。事実、毎年1万人のPublichighschool入学者が居ると仮定した場合、通学用マイカーの補助だけで年間100億円の歳出である。


これに対して、カントリー首相は「毎年1万人のPublichighschool入学者?結構!それを、2万人にしなくてはな」と言い放って、意に返さなかった。

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