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間章


 長い回廊にみっつの人間が向き合って立っていた。


「見たかね、薔薇侯」


 山のように巨大で筋骨逞しい大男がひとりに尋ねた。


「もちろんですとも剣元帥」


 尋ねられた深淵色の長衣を着た男が優雅にうなずいて、隣の男を見た。


「これは、忌々しき事態と考えていい」


 深紅の法衣を着た最後の人間が憎悪のこもった声で言う。


「これだけの魔力をもつものが辺境に現れたこと。そして、かの者に協力したこと。どちらを取っても捨て難い事態である」


 法衣の人間が手に持った資料を残りの二人に見えるように開いた。


「事態は早急に解決しなければならない」


 空中に浮いた資料を睨んでいた三人に、見るからに緊張が走った。


「して。どうするというのだ? 法典枢機卿。かの者が逃げ込んだのも、かの者が現れたのも我らが領土ではない」


 巨大な男が噛み潰すように言うと、法衣の人間が凶暴な笑みを浮かべた。その周囲に赤い光の玉がいくつも浮かび上がる。


「何を腑抜けているのだ遠征者。我々の正規法を忘れたのか?」


 その言葉を聞いて、軍服をたなびかせて大男は踵を返し笑い声を上げた。


「この件、我が”奪還軍”が、速やかに解決いたそう」


 そう宣言して、誰もが忽然と消えていた。


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