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転生公爵は土属性  作者: 梅雨川
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学園入学

そして5年の時が経ち、私は学園に入学する時を迎えていた。

学園に入学に際して、王都への転居した。


ところで、クラウディア家の領内でのことなのだが、クラウディア家は商業も行っているようで、全てを領内で回しているため、外との文明差もあるらしい。そしてどうやらクラウディア家とその分家の領内では、王国で使われている通貨とは別の通貨らしく、新たに両替しなければならなかった。本当に面倒だった。


さて、ここでクラウディア家の普通をご紹介しよう。


まずペンについてだが、すでに万年筆の時代を超え、ボールペンと言う物が存在し、挙句の果てに鉛筆まである。もうそろそろ、シャープペンが出来るのではないだろうか?


時計も、無魔法添加の腕時計が存在している。

魔法技術で腕時計を製造していた当時は、腕時計に録音能力や防衛能力をつけるのが流行ったらしいが、今は腕時計にそんなものをつけなくても、と言うのが主流だ。


余計に文明が進んでいると思い、転生しても楽だな~なんて考えていたのが悪かったんだろう。


いざ、領から一歩外に出てみれば、そこには中世時代以下の生活が存在した。


辺境ではいまだに井戸水を引き、食卓にはいまだに干し肉が使われているとか。


そんな状況だが、王都に近づくに連れその生活水準はどんどん上がっていく。


辺境では物々交換が主流だが、王都近くでは金銭による商売が成り立っていた。

それでも、王都でも暖房や加湿器は無く、冷房もない。そして、極めつけは羽ペンである。


これには参った。

生まれてこの方、前世も含め、羽ペンなど使ったことがないので、本当に困った。


ようやく王都の生活、主に寒暖差や冷たかったりぬるかったりする水、ちょっと堅いパンなど、生活を送るのに慣れてきた。


いわゆる環境に順応してきた。


そして、ついに学園での生活が始まろうという入学式の日、その瞬間が訪れた。


「新入生の諸君、私は王立ドリビアン学園の好調を務める、ロートル・マリス・フローレンです。本学へのご入学、まことにおめでとう。諸君らはこれから三年間、貴族としての教養とともに勉学に励んでもらうことになる、互いに切磋琢磨し・・・・・」


校長の長い話を聞いていると、ふと思い出したことがあった。


それは、前世アニメ化した乙女ゲーの2話辺りに出てくる学園の入学式の情景に似ていた。

そして、この物語の主人公は定番の魔法力が強い平民の女の子、メアリー・ボーンと言う子である。

彼女は金髪のショートの髪の女の子で、辺境の農村出身の美人である。


そして、その攻略対象は、やはりと言うか、第一王子サラ・エインズ・ドリアンが同時に在籍し、更にさらに宰相の息子、クリス・ボン・ホーレン。そして国内有数公爵家の息子、サジェスト・リビアン・ポートマス、そしてライト伯爵家の長男であり、ハリスの騎士、クライアンである。



第一王子サラ・エインズ・ドリアンは、第一王子で、すでに王太子である。

金髪碧眼、長髪な上にイケメンフェイズ、そして輝く笑顔。

まさに、主人公の代名詞で、清廉潔白、頭脳明晰、おまけに国民に絶大な人気がある。

そんな、みんなに臨まれている次期国王様は、ある時、恋をする。

平民出身の子爵令嬢、メアリ―・ボーンに。そして、現在の婚約者である、公爵家の、えーっと。まあ今はそれは良いか。とにかく、彼女を悪役令嬢にして、婚約破棄宣言するのだが。このゲーム、落とし穴がある。

乙女げーに珍しい現実的なストーリーこそ、男女問わず人気を博した理由。

それは、騎士クライアン以外のエンドは、悪くはないが、良くもない。


まず、宰相の息子クリスとのエンドだ。彼は家柄も悪くない上に金持ち、その上青髪のイケメンフェイス、安定した感情を持つ冷静沈着な青年だ。まあ、悪くはない。しかし、家柄に劣るので、クリスの父親に別の愛人を用意される。それに怒ったクリスは、メアリ―を連れ家出、その後二人はひっそりと国外で暮らしたと。


公爵の息子である、サジェストとのエンドは、反対された父親を幽閉し、家を乗っ取ってしまう。その後、他公爵と馬が合わなくて決別、その後も普通に公爵やってるが、まあ、二人は、真実の愛を手に入れた。そんな感じだ。唯一、父親だけが不幸である。金髪の上赤い目をしている。情熱的で、何事にも全力。


祐逸最もいいエンドの伯爵家の息子、クライアン。父は王立騎士団の騎士団長。父親譲りの大人っぽい顔月に加え、温厚かつ冷静、その上金色の瞳をしているという、ちょっとしたギャップがある。全体の状勢をよく見ているところがポイントで、主人公をその時々で助けている。メアリーとのエンドは、別段反対されることもなく、幸せに暮らす。


そして、最もバッドエンドと言われるのが、王子とのエンドだ。

王子の場合、婚約破棄したのち、その責任を問われ、その上婚約者の実家に超嫌われる。挙句、メアリ―は皇子をたぶらかした魔女として幽閉、王子も同じく皇太子の地位を廃され、幽閉される。二人で生活することは可能だが、子供もを作ることを許されず、外に出ることも許されず、精神を病んだメアリー王子は、ストレスにより過労死、メアリ―藻後を追うように死んでいく。


とまぁ、そんな感じだ。


無論、そうなってくると、悪役侯爵令嬢は、四公爵家の内のどこかである。しかし、今回の展開、まったくもって蚊帳の外である。

そう、いわゆるモブと言う奴だろう。物語に関係していないが、群衆の中に埋もれている貴族の坊ちゃんの一人。まぁ、別段それでも問題ない。そもそもかかわろうとしていない。結局、悪役令嬢は追放もされないし、ただ婚約破棄されるだけ。理由は簡単。王子のご乱心だ。それも。王子のルートを取った場合のみ。王子ルートにならなかったのなら、そのまま結婚、それなりに幸せな家庭を作る事だろう。


さて、そんな俺が最近になって驚いたこと。それは、入学式後初の登校日の放課後の話である。


「さあ、貴族のご息女、御令嬢の皆さま!こちら、サトウ商会の新商品、【万年筆】でございます!今ならオーダーメイドの注文を受け付け、気に入った方とのお揃いもご用意しております!ただし!ここにある商品は一本のみの販売となっております!」


20代後半ほどのイケメン男性が食堂で商売をやっていた。


そして、俺はこの男を知っている。


例の乙女ゲーアニメに出てくる悪徳商人と言う設定の、レンツ・ニーナである。

悪役令嬢に支援したり、いろいろ恋路を助けたりと、そう言う事をする立場だ。

だが、見たところまっとうな商売をしていて、と言うか、行動と言い作っているものと言い転生者にしか見えないのだ。


最も、クラウディア家では俺が生まれる前から鉛筆やボールペンが普通だったのだが。


周りの生徒たちはそれにつれられてどんどん購入していく。


俺から、と言うか、クラウディア家の分家やその領内で暮らしている者からすれば、今更な代物であり、あんな高い金を出すに値しないと考えているのは、言うまでもない。


こうして、波乱になりそうな、ドキドキ学園生活が、始まった。

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