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転生公爵は土属性  作者: 梅雨川
3/14

主にクラディウス家について

今回は物語は進みません。

説明口調ですが、最後まで読んで頂けたら幸いです。

真夜中


クラウディア領に隣接する、ホールマン侯爵家の領境に走る一つの団体がいた。


本作の主人公、マロンの両親の団体である。


未だに列車より馬車の方が早いというこのご時世、個人用の馬車を持つ者は、少数であった。

それも、列車より早い馬車となると、裕福層に限られていた。


前後左右には金属製の枠が付いた馬車が並走し、中央には一際大きく、落ち着きのある木製馬車が走っていた。


そう。

この馬車こそがマロンの両親であり、クラウディア家の当主、エドワード・マリス・クラディウス・クラウディアと、その妻マリアの物だった。


「ずいぶんと遅くなってしまった」


赤い瞳に黒い髪と言うクラウディア家特有の特徴をしたエドワードは、窓外を眺め、ため息をつくように言葉を吐く。


馬車の中は照明を落とし、落ち着きのある空間が広がっていた。


エドワードの隣には、寝息を立てる妻、マリア。


馬車が黙々と暗闇の中を駆け抜ける中、事は起こった。


突如、通りかかった崖が崩れ落ち、クラウディア家一行を闇へと葬らんばかりに巻き込む。


落ち着きを取り戻したその場には、クラウディア家の旗と、つぶれた護送車が一台。


こうして、マロンの両親は行方不明となった。


========

マロンは、とても落ち着かない様子だった。


家族との顔合わせを控えた当日の事である。


マロンの10歳の誕生日を記念し、両親が戻ってくる予定だった。


そもそも、クラウディア家は国内一の大貴族である。

そんな両親が領地を出て忙しいのには理由がある。


=Claudia Kingdom history=

今から500年前

とある大陸に10の小国が集まった国、クラウディア帝国があった。

クラウディア帝国は、10の国を対話と取引により統一することに成功した賢王と呼ばれる、初代国王、フィリップ・マリス・クラディウス国王のもと、連合王国として栄えた。


時は過ぎ、建国から400年のある時、連合王国の最後の小国【ドリアン公爵】が他公爵と共闘し、一斉にクーデターを決起、成功させ、残るはクラウディア王家が所有する広大な領地だった。

そこは、連合王国でも珍しい、赤目黒髪の種族が暮らす直轄地であった。


しかし、当時の王家は多大な戦力と資源を持ち、いくつかの土地の割譲をもって一切の争いに幕を閉じることに成功。


その後は、ドリアン王国の公爵家として繁栄し、今では王国時代の直轄領を超えた領を持つ。


現在ドリアン王国に公爵家は七つ、その内四つは、四公爵家と呼ばれ、多方面に影響力を持つ公爵家だ。


そして、その四公爵が総力をもってしても敵わない相手こそ、クラウディア公爵家なのである。



以上、~クラウディア帝国の繁栄と破滅、第一章五節最終項より抜粋~


そして、クラウディア家は長いこと引きこもりであった。

何故なら、すでにクラウディア家は野心もへったくれもなかったからである。王朝が違えで?実質支配がクラウディアの手にいつでも戻るような時代の中、小さいながらもリスクを冒すことは、クラウディア家にとってマイナスに過ぎない。


それでも国内に影響力を持つクラウディア家には、王族ですら挨拶に来ることがある。


社交界の噂では、クラウディア家が選んだ王子は、必ず国王になる。


そんなクラウディア家を変えたいと願う青年がいた。

彼は若い時から、今なお繁栄し続けるクラウディア家と、内向的な家族の姿勢を見て育ってきた。その青年こそ、長子のロキウスだった。マロンの両親は、そんな習慣を打ち破ろうとするロキウスに対し、厳しい視線を送っていたが、彼が中央に就職してから、積極的に外界にかかわってきた。


本来あった、家訓、次代に呼応した最新の形態を保っていた。そも、この家に長子と言う概念は元々存在しなかった。しかし、時の当主が、兄弟で争うのを痛ましく思い、その代で生まれた長男、あるいは長女に継がせるようにしていた。


そも、そこまで家督争いをしていたかと言えばそうでもないのだが。


そして、クラウディア家の影響力がさらに増してしまった。


今まで放置していた分家の整理やら、学校法人の整理やら、とにかく多方面に手を出していった。

そんな、国内、もはや大陸と呼んでもいいかもしれないほどの影響力を持つクラウディア家の当主は、館のリビングの食卓で両親を待っていた。それこそがマロンである。マロンに、ある知らせが届いた。


「失礼します。マロン様」


入ってきた使用人は、エリーに報告をする。


「エドワード様とマリア様は今夜来れないそうです」


まあ、ここ最近の事ではない。

どうやら俺は、生まれて十年間、ゲーム感覚が抜けていなかったようで、両親の死が俺に容赦なくこれが現実であることを突き付けてくれる。


余談だが、自分の能力やスペックは残酷なほど変わっていなかったし、実際魔法が重宝されることは有っても、日常生活では何ら関係ないことが分かった。


この時、この世界での無双とかは考えない方が良いと思いなおした。


正直に言うと、精神年齢44歳のおっさんは、少し疲れてしまった。今は、絶賛何もやりたくない、惰性に生きる期間なのだ。


そして、ここに来て両親の死か。


俺は、疲れた様にその日は眠り、もう、置きたくないと思いながら、寝入った。

こうして、実年齢10歳、中身44歳のおっさんは、一日を過ごす。


クラウディア帝国自体は国として存在していたので、統一したのは、主人公が異世界の前世で死んでから1500年後に統一したことになります。

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