目が覚めると
気がつくと真っ白の天井
いつもの寝室の天井とは違う影も差し込んでいない均一の明るさの
一面白自分の見えない…
そういえば台風の豪雨の中気にもせず外に出て…
突然の光と衝撃で…
もしかして車に轢かれたんじゃ…
…ということは病院…かな…?
周りを確認したいのに首も手足も動かせない
これは…酷い重症なのかも…
どうすることもできなくてそのまま白い光景を見つめたままでいると唐突に音が聞こえだした。
何かの物と物が擦れる音。
その後に耳鳴りのような音が耳なのか頭なのか分からないほどに響き渡る。
不快な感覚に目を閉じ眉を寄せたいがそれも叶わない。
全く動かくことのできない自身に酷く不安を覚えた。
そのまま不快な耳鳴りを感じていると暫くしてから音が止んだ。
そうすると不思議と色んな音が聞こえるようになってきた。
人が何か話し合っている声も聞こえる。
日本語ではない。英語でもないし雰囲気的に中国語でも韓国語でも、フランス語でもなくて、
言語には明るくないからどこの言葉なのか分からない。
それなのに不思議と話の内容が理解出来る。
知らないのに解る。
それは酷く不思議で、不気味に感じた。
話の内容は何かの実験内容に関する事のようで専門用語のような名称やサンプル名のような数字を用いた単語を繰り返している。
そのまま何もできず戸惑っていると、いきなりブシュッという空気の入ってくる音と共に視界が眩い光で溢れた。
目を閉じることができないまま光を直に感じ続け、先程までとは違う白の世界からなかなか視覚が回復しなかった。
さっきまで遠くに聞こえていた会話が先程までよりも近くで聞こえる。
さらに近くで聞こえた、と思ったら上半身を引き起こされたのを感じた。
周りではカチャカチャと何かを取り外す音が聞こえ、その度に自身の体が自由になる感覚を覚えた。
そうしている内に少しずつ視界の白が色のある世界に戻っていく。
そこでようやく瞬きができる自分に気がついた。
瞬きを繰り返しながら見えるようになった世界は真っ白ではなく、色々な色が存在していた。
目に映るのはくすんだアイボリーの壁紙。
黒ずみが所々あるもののきちんと磨かれた灰色の床。
床と同色の天井。
自分の周りを囲んでいたらしい白い入れ物。
そして目の前の金髪碧眼の男と黒髪茶眼の2人の男だ。
状況が全く呑み込めなくて佳織は息を飲んだまま固まった。
とりあえずここまで投稿