作戦変更
私用のため、更新が遅くなりました。
申し訳ありません。
それと、全話の内容を変更しました。主に時系列です。確認していただけたらと思います。
伏見 愛菜は、暗闇の中目を覚ました。
(ここは...?)
硬い床に寝転がっているようだ。その床は、常にごとごとと揺れている。車の中だろうか。
とりあえず起き上がって様子を確認しようとするが......出来ない。手足が縛られ、口にも猿轡をかまされている。周りが暗いのは、目隠しをされているせいらしい。
どうしてこんな事になっているのか思い出せ無い。最後の記憶はたしか、学生任務中に先生から連絡が来て...
(そうだ! 帰還命令が出て直ぐに、誰かに襲われて...)
そこから記憶がない。つまり今、自分は拉致されているのではないか。
その考えに至ったとき、愛菜はどうしようも無い恐怖に襲われた。叫び出したくなる衝動にかられる。だが一欠片の理性が働き、なんとかそうせずに済んだ。今暴れても、状況が良くなるとは思えない。
今は、少しでも状況を把握しなければならない。矢月なら、そうする。
愛菜は、矢月の境遇を知る数少ない友人である。バイト中暇な時は、矢月の食事に付き合って雑談をしたりすることもしばしばあり、彼の武勇伝を無理矢理聞き出したりしていた。
彼なら、こんな時どうするだろう。愛菜は気づかないうちに、いざと言う時矢月を思い浮かべるようになっていた。
耳をすますと、かすかに人の声が聞こえる。自分を拉致した人間たちの会話だろうか。愛菜は全神経を耳に集中させる。
衝撃の内容が、聞こえた。
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「どういうことだルイ! なぜあーなもここにいる⁉︎」
「だから...9人目の被害者がでて、それが伏見 愛菜だったんだよ」
「なんでもっと早く言わなかった⁉︎」
「大学側の安否確認が済んだ後で拉致されたみたいだ。そのせいで、判明が遅れたらしい」
くそが!っと矢月は毒づいた。
現在時刻は午前10時。
今矢月は天来教が潜伏している廃ホテルから、100メートル離れたビルの屋上にいる。敵の警戒状況を確認でき次第潜入し、人質を奪還する予定だったが、早くも狂ってしまった。
この時間まで行動を起こさなかったのは、8人の人質が一箇所に集められるのを待っていたからだった。何箇所かに分けて拘束される可能性も十分考えられたが、今回はそうはならなかった。矢月にとってはその方が都合がいい。よかったのだが...
伏見 愛菜が拉致された。
油断していた。愛菜も第六の学生、それもBクラスのトップチームだ。十分狙われる可能性はあったというのに、大学側の安否確認程度で警戒をやめてしまうとは。
「同じ施設内とはいえ、伏見は他8人とは別室で確保されている。だからと言って矢月、バカなマネはするなよ」
通信機からルイの心配そうな声が響く。だが...
「そんな事言っていられるか。必要なら正面突破だろうと辞さない」
「矢月...。そんな事をしたら、自分の立場が危うくなるぞ」
「知るか。俺が彼女に、どれだけ世話になったと思っている」
「いやそれ胃袋掴まれてるだけ...」
「切るぞ」
「おい待て...」
ブツッ
電話を切る。
はあぁ。矢月は大きなため息をついた後、廃ホテルを見据えて、陰惨に微笑む。
「さあて、俺を怒らせたツケはでかいぞ」
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とは言っても計画は基本的に、目立たず潜入、救出だ。
矢月は今、愛菜が確保されている一室の天井裏に隠れていた。
気づいている人間は1人もいない。
矢月の得意分野は隠密行動。つまり潜入、暗殺である。FOGやPMSCの任務でも、要人暗殺の割合が大きい。故に、ここまでくるのは何の問題も無かった。
難しいのはここからだ。
9人...それも2カ所からの人質奪還。当初の予定では、人質へのダメージを考慮しない雑な連れ出し方をするつもりだったが、愛菜がいる以上その方法は選択肢から外れる。
(結局、ここでの正解は陽動...か)
そのためには敵の気を引く役が必要だ。単独行動の矢月には無理な方法。しかし矢月には、式神がいる。
とびきり、強いやつが。
「暴れてこい...右近、左近」
今回の内容、少し迷走しました。難しいですね、こういう話って。




