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#008.迷宮二層へ 「ドロップレートを向上させる」

「お。なんか出た」


 二層のモンスターは、ファンタジーでおなじみのゴブリンだった。

 1匹か2匹、多くとも3匹までの集団で遭遇したが、やはり脅威ではなかった。


 この二層でも、『剣術Ⅱ』のおかけで、あいかわらず、ざっくざっくと、一撃で刈り取っていける。ただし3匹もいると、合計3回は攻撃を受けることになるのだが、『盾防御Ⅱ』のおかげで、だいたい防ぐことができている。


 まあそもそもⅡのつくスキルは、取得に10ポイントも必要なわけで……。

 それを二つも持っている俺は、本来だったら、Lv20ぶんものアドバンテージがあるわけだ。初級者迷宮の浅い階層が楽勝になるのも仕方がないだろう。


 さて、モンスターを倒して、はじめて、なにかが落ちた。

 これまでのモンスターは、倒してしばらくすると、黒い煙になって消えてしまった。

 しかし今回は、なにかが残って、その場に落ちている。


 拾いあげてみると――。

 数センチほどの細長いクリスタルだった。透明な材質の内側に、色の付いたコアがあって、それがわずかに光を発している。


「これが魔石ってやつか……?」


 たしか、色で値段が違うらしい。


「赤……、だよな」


 俺はすかして見るようにして、中央のコアの色を確認した。

 赤は、たしか50ギル。――うん。間違いない。メモにあった。


「おいちょっと待て?」


 ここまで、けっこうモンスターを倒してきている。

 エバーリーフが20体近く。ゴブリンは10体ぐらい。

 それでようやくドロップ1個ということは……。


「うっわ……、まずいぞ」


 このドロップレートだと、ぜんぜん儲からない。

 ゴブリンあたりは敵ではないとはいえ、目標の3万ギルまでどれだけかかるのか。


 ちょっと作戦変更しよう。


「ステータスオープン」


 俺はステータスをオープンした。

 そして『転職』を行った。

 戦士はLv3まであがっていたが、レベル上げはいったんやめにして、平民に戻す。


 俺の予想が正しければ、たぶん……。


    ◇


 しばらく戦闘をつづけるうちに――。


《Lvがあがりました。平民Lv5になります。転職可能職業が解放されました》


「よっしゃぁ! きたぁ!」


 予想通りだった! 俺は思わずガッツポーズ!


 さっそくステータスをオープンして確認してみると――。


「商人――これかな?」


 平民Lv5で新たに転職可能となったのは、「商人」「農民」「木こり」「猟師」「狩人」などなど。

 そのうちの「商人」に俺は目を付けた。

 とりあえず転職してみると……。


「でたでた! あたりだ!」


 商人Lv1の取得可能スキルの一覧に、『魔石ドロップ率上昇』『ギルドロップ率上昇』『アイテムドロップ率上昇』『幸運上昇』『魅力上昇』などが見えた。


 もちろんぜんぶアクティベートする。スキルポイントは合計5。安い安い。


 さらにいちおう「農民」「木こり」「猟師」「狩人」も一回ずつ転職してみて、めぼしいスキルは全部アクティベートしていった。


 『腕力上昇』『敏捷上昇』『体力上昇』『器用さ上昇』――このあたりだ。

 そのあとで戦士に戻す。


 そうして、いまの俺の現在のステータスは――。


 ---------------------

 名前:ダイチ

 種族:ヒュース ♂

 年齢:25

 職業:戦士Lv3


 HP :36/36

 MP : 5/ 5

 STR:33

 CON:42

 INT:13

 WIS:12

 DEX:42

 AGI:45

 CHA:25

 LUK:22


 装備 :青銅の剣、革鎧、スモールシールド

 スキルポイント:242

 取得可能スキル:(一覧)

 スキル:

 『大陸共通語/読み書き』『盾装備』『鎧装備』『転職』『剣術』『剣術Ⅱ』『盾防御』 『盾防御Ⅱ』『魔石ドロップ率上昇』『ギルドロップ率上昇』『アイテムドロップ率上昇』 『幸運上昇』『魅力上昇』『腕力上昇』『敏捷上昇』『体力上昇』『器用さ上昇』

 転職可能職業:

 「平民Lv5」「商人Lv1」「農民Lv1」「木こりLv1」「猟師Lv1」「狩人Lv1」

 ▽▽▽

 ---------------------


 だんだんとスキル無双っぽくなってきている。

 俺の予想では、商人のLvをもっと上げていけば、たぶん5か10あたりで、ドロップ率各種アップのⅡが取得可能になると思うのだが……。


 それよりもまず、通常のドロップ率各種アップ効果の、実地テストだ。


 ゴブリンが現れた。3体のチームだ。

 刈る。刈る。刈る。

 もはやゴブリンごときは、モンスターでなく、農作物の収穫の感覚だ。


 黒いもやとなって消えたあと、かろん、と音がした。

 魔石の落ちた音だ。

 そのほか、ちゃりーん、という音と、どさっ、という音も。


 見てみると、魔石が2つ。小銅貨3枚と、大銅貨1枚。さらには、布のかたまりみたいな――ああ。マントかなにかだな。装備品だ。


 装備品はすぐに身に着けた。すこしでも防御力を上げておく。

 魔石の色は赤が1つ。もう1つは……。茶色でもなければ、黒でもない。これは……オレンジ色か? 橙だな。


 受付嬢のエマさんの話では、初級迷宮では、赤より上は出ないという話なのだが……。

 まあ、出たものは仕方がない。

 というか、ありがたい。


 ギルの直接ドロップも、金目当てのいまは、たいへんにありがたい。


 さて……。

 ドロップ率向上スキルの効果も確認したことであるし……。

 そろそろ三層に下りていってみようか!

次回、魔法を覚えはじめます。


レベルアップが早いのは、通常倒せない強さの敵をソロ狩りしているからです。レベルに見合った敵をパーティで倒した場合の数十倍の経験値が入ってきてます。

素で「経験値数十倍」の状態。

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