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わかりきった結末  作者: 早雲
第三部
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ごめんね

 ”印刷”された銃を傍らに置いて、僕はキーを叩く。


 僕が保持している技術のデータの概要と誠へのメッセージ。結果的に、僕は彼に自分の大事なものを二つ預けることになってしまった。


 愛とAi。


 片方は守り、もう片方は失くしてしまわなければならない。僕がすべきだったこれらのことを、最後までやりおおせなかったのは心残りだ。


 支援もなく追われて、どうやら逃げ切る見込みもなさそうだった。ならば、せめて書き残せることを書こうと思い、僕は誠に伝えるべきことを書いていった。


 夜は明けていく。


 メッセージを送信する。


 僕は印刷された銃を握りしめた。

 

 生き残れる確率は万に一つもないだろう。



 ごめんね、愛。


 最後の言葉が君への言葉じゃなくて。


 最後の時間が君のものじゃなくて。


 本当はずっと君の傍にいるのが正しいと思ってたんだ。


 でも、僕の身は一つしかなかったから。


 せめてこの世界が、少しでもいいほうに行くことを願うよ。


 そのために僕は、頑張ってきたんだ。


 世界が回ってることを信じたんだ。


 それでも、ごめんね。


 世界が、正しくあることを願うよ。


 君のいる世界が。

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