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わかりきった結末  作者: 早雲
第三部
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計画

母国から出るときに僕はいくつかの認証を越えなければならなかった。


僕の古い友人、皆藤誠は不安そうにいった。


「政府関連機関が網を張っているのに国外に出ることは可能なのか」


僕は少し呆れた。


「不可能ならこんな計画は立てないよ」


街中、ターミナル、公共交通機関、シェアリングカー。これらの全てにバイオメトリックスが必要になる。


たしかに何の準備なしで突破できるものではない。しかし、さすがにこの計画を考えてからの期間はそんなに短くない。


誠は言った。


「いつから計画を立てていたんだ?」

「一年くらい前かな?」

「何?」

「行動予測装置を作り始めた頃から、予感はあったんだ。もしかしたらこの装置を無効にする必要があるってことと、無効にするなら海外メディアにリークする必要があるってこと、そして国内の通信は傍受されてるから、国外に出る必要があるってこと」

「予感があったからといって実際に準備するのが、君が君たる所以だな」


彼はため息をついた。不思議とこんな様子を何度となく見たような気がする。


「ドクトリーヌという国をあまり知らないのだが、どんなところなんだ?」

「20年前に独立した、バルカン半島の南側の国。約一世紀前にはその土地で大きな紛争があったし、そのさらに前にはヨーロッパの火薬庫なんて呼ばれてたけど、今は平和なもんだよ」

「何故その国を?」

「まず我が国と犯罪者の引き渡し条約を結んでいないから。そして地理的に大きな遠いこと。加えて、そこそこ国際的な地位が高いこと」

「国際的な地位はなんの意味がある?」

「力がない国だともしかしたら”対網”が無茶するかもしれないからね。さすがにある程度国力がある国で好き勝手はしないだろう?」


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