第3章:魂
第3章
広場には人が沢山居た。
その中で、血まみれ―どうやら、切り裂かれた感じで、服はボロボロで首の下から2本の切り傷があった―の倒れた人の中に剣士らしき人が、腕を押さえ倒れていた。
「!!…ガライさんっ!」とプリムが腕を押さえる剣士に駆け寄った。
「大丈夫ですかっ!」
街の病院の看護士であろう。数十人いるだろうも駆け寄って来た。
調査に行った数は5人くらいで、その中で3人は息絶えていた。
残った2人は、浮浪剣士ガライと街の八百屋の主人。
ガライは軽傷で済んでいるが、八百屋の主人は喉を切られて重傷であった。
「大丈夫だ…。」とガライは看護士に声をかけた
「私は大丈夫…。それより、オサムさんの方を見てくれっ!私をかばって切られてしまった!」そう言ってまだガホガホ言っているオサムさんの方を見る。
ガライは起き上がりオサムに駆け寄り
「もう大丈夫だ!安心してくれオサムさん…」
オサムはまだガホガホ言っていた。
看護士がオサムに駆け寄り、タンカに担ぎ病院まで運ぶ。
ガライもとりあえず怪我をしているので、病院へと向かって行った。
そして、BARでプリムは心配そうにクリームソーダを飲んでいる。
BARの主人も、心配そうに見ていた。
何故か隣にはランドも座っており、ランドはレモンスカッシュをちょびちょび飲んでいた。
重い空気が漂う店内。
そんな重い空気に耐えられなくなったか、ランドが口を開く。
「あの剣士さん…"血の臭い"がした…」
と聞いた途端、プリムは怒りを表した。
「当たり前でしょっ!怪我をしてたんだからっ!」と怒鳴り散らす。
これ以上何かを言うと危険と察知したランドはその場を後にして仲間との合流地点を目指した。「あっ!親分!遅かったでヤンスね!」
と赤子分が駆け寄って来た。
「もしかして、主人に捕まっちゃいました?」ともぅ1人の子分が聞いてくる。
どうやら、この2人は親分が後でお金を払って居ることを知らないらしい。
「ん…。まぁ、アレだ。広場に調査隊が帰って来ててな。見てた。」
まぁ、嘘では無いし。
そう言いながら、ふと山の方を見た。
「最近、街の方を賑わしてる切り裂き魔は、山の方に住んでるらしい…っすね」
山の方を見ていたランドに子分は話して来た。
「そうだな…。」と軽く流していたら、もう一人の子分が話だして来た。「親分…何か、切り裂き魔は"魂"を宿してるらしいですぜ。」
この魂とは、命の灯が消え肉体は死に魂だけになった動物の事である。
魂を体に宿す事で、本来の力とその動物の力を融合させ、更に強くなると言うものであった。しかし、魂はそう簡単に手にはいる物では無い。
多額の金で裏取引きをしたり、宿したい動物を殺し無理矢理体に宿したりするのである。
正規な宿し方は、その動物との情があり、お互いに信頼し…そして譲り宿すのが正規のやり方だが、今の時代に動物と情を交し会うなんて者は居なく、ほとんど前者がおおいのだ。
「しかし、"魂"は非合法で手に入れる事は禁じているハズだ!」とランドは子分に話すが、
「今のご時世、非合法で"魂"を手に入れ、悪さをする輩など一杯居ますぜ」
と答える。
もう1人の子分が話しかける。
「親分。今日はもぅ遅いでしょ。今日はお開きと言う事で帰りましょうや。」
気付くと周りは、一面暗くなっていた。
ランド達は、帰路に付く事にした。