第2章:盗賊団
誤字訂正です。"海賊団"→"盗賊団"です。一部に間違いがあり。
第2章
「オラオラ、どけどけ!親分が通るぜ!」
赤いバンダナを付けて、いかにも"チンピラ"風の男とそれと同じ様な男が街の人達を威嚇している。
そして、後から見た目が17〜18歳くらいで、髪は茶色。腰の辺りまで伸ばしていて、見た目はボサボサ頭をしているが、キチンと毛先を青いバンダナで結んだ男が歩いてきた。
赤いチンピラの男が、その人に駆け寄りしゃべり出した。
「ランド親分!今日は、どんな悪さをするんでぃ?」
ランドと呼ばれた男は周りをキョロキョロ見出した。
ふと、BARの方を見て
「よし…今日は、アソコのBARで飯をご馳走してもらうか」
とニヤリと笑った。「へっへっへっ…親分も悪ですね。」と子分はニヤリと笑いBARへと足を運ぶ。
プリムは、こっちに歩いてくる盗賊に少し驚き店の中に戻った。
少し経ってから、盗賊達が店の中に入って来た。
「おぅおぅおぅっ!親分が直々に飯を食いに来てやったぜ!飯を出せ!」
と子分が主人に向かって叫ぶ
もう1人の子分は、席を確保して親分を椅子に招く。
プリムは、少しドキドキしていたがチラッと海賊団の方へ目をやると、親分と呼ばれた男と目があった。親分は何を思ったか、軽く会釈をして席に着く。
見間違いかな?と思いながら、盗賊団の方へ視線を流していると、主人が次々と料理を盗賊達に運ぶのが見えた。
「へっへっへっ、ここの料理は美味いんですよね!どうですか、ランド親分!」
とランドに聞いて来た。
ランドは口をモゴモゴしながら、
「そうだな…。確かに美味いな(笑)」と嬉しそうに言う。
数分と経たない内に、机の上の料理を全て平らげると、何やら盗賊団がゴニョゴニョと集まって何かを話して居た。「あっしは、出て右に→お前は出て左に、親分はどっちかに逃げてくだせぇ!」
どうやら食い逃げの相談らしい。
そして、主人が後ろを向いた瞬間に3人が一気にドアに向かって走り出す。
主人が気付いた時にはもう時すでに遅し…
3人はドアを出て散々に逃げてしまった。
プリムは、はっと気付き慌てて後を追おうとしたが、意外な人物に呼び止められた。
主人である。
プリムは、意味が分からずに主人に問う。
「ちょ…食い逃げですよっ!追わなきゃ!」
と言ったが、主人は落ち着いた雰囲気でこういい放つ。
「大丈夫。大丈夫」
意味が分からなく、その場に立ちずさんでいるとドアがキィと小さな音を出して開いた。
そこに立っていたのは、さっきの盗賊団の親分――ランドと呼ばれてた――が居た。
ランドは、少し申し訳なさそうな表情で主人の居るカウンターに近付く。「まいど!いつも悪いね(笑)」と主人。
「いえっ…こちらこそ、いつも騒がしくしてスイマセン。あ…これ、今日の代金です。」
唖然にとられた顔をしてプリムがその様子を見ていた。
ふと、我に返りランドに聞いて見た。
「えっ?何これ?」
ランドは少し照れ臭そうな顔をしながら答える。
「あっ…今日のお昼の代金を払いに来たんです」
ますます意味が分からないって言う顔をしているプリムに、BARの主人は言う。
「はっはっは(笑)大分、混乱してるみたいだね。彼は、盗賊団の親分なんだけど、まぁ悪事は慣れてないみたいでね。子分の前じゃ見栄を張っているが、何かをした後はその代償を払いに来てくれるのさ」へっ…と言う顔をしているプリムに主人は話始めた。
「はっはっは(笑)無理も無い。私も最初は混乱していたが、今では何とも思っちゃ居ない。
私どころか、街の皆も何とも思っちゃ居ないだろうがね」
とランドに視線を投げる。
ランドはまた少し、照れ臭そうに顔をうつ向かせた。
その時…
また急に外が騒がしくなってきた。
そして、誰かが叫ぶ。
「切り裂き魔が現れた」