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machine head  作者: 伊勢 周
最終章 ほんとに、本当に、ありがとう。
286/286

最終話 覚えていてね(後編)

ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます。この話で、machine head本編最終回となります。

http://ncode.syosetu.com/n1485dw/にて、リルのその後の物語を少しだけ載せていますので、そちらもよろしければ足をお運びくださいませ。


二人は食事を終えて会計を済まして店を出る。


「評判通り、美味しかったな」

「ご、ごめんね、払って貰っちゃって……今度何かお返しするからっ」

「いいってば。なんか任務の手当金みたいなの沢山貰ったし」

「でも、……。じゃあ、次またここに来た時は私が払うからねっ、約束!」


 そんな回りくどい「また一緒に来ようね」の約束を交わして、また通りを歩き始める。

 この祭り、かなり大規模で行っているし、時間帯によって行っているイベントが違う。宗助は祭りの委員会が配っているパンフレットを見ながらどのイベントに行くべきなのか考えていると、隣で見ていた岬が、「あ、これ不破さんが言ってた奴かも」と呟いた。


「不破さんが?」

「うん。美雪さんがブラスバンドに参加したんだって。それで、この祭りでも演奏会に参加するみたいで」

「へ、へぇー……それは不破さん見たいだろうなぁ」

「来てるかもね、不破さんも」

「あー……。ま、今日は会わなくていいや……」

 そう言って宗助は苦笑い。見つかったらからかわれるに決まっていると思ったからだ。

「でも私も、美雪さんの演奏は聴きに行きたいなぁ」

「……確かに」


 そう言いながら岬と顔を寄せて手元のパンフレットのブラスバンド演奏会の項目の詳細を確認していると、演奏開始時刻がちゃんと記載されていた。


「コンサートは夕方みたいだから、まだまだ時間あるよ」

「ほんとだ。じゃあコンサートまではもう少しのんびり回ってみようか」

「うんっ」


 するとなにやら、三十分後に大広場で地元ゆかりのミュージシャンがゲリラライブをやるという情報が出回っているようで、周囲に居たそのミュージシャンのファンたちが一斉に駆け抜けていく。


「誰が来るのか知らないけどすごい人気だな」

「ちょっと気になるね。誰だろう」


 駆け付けようとするファンたちのエネルギーに少しばかり驚きながら見送っていく。徐々に走り抜ける人たちも居なくなって通りは人もまばらになったが、その時。


「お兄ちゃん?」


 聞きなれた声に振り向けば、宗助の実妹である生方あおいが制服姿で立っていた。彼女の周りには三人の女子が居て、皆あおいと同じ制服を着ている。どうやらクラスメイトとこの祭りに参加しているようだ。


「お、おお。あおいか」

「あおいか、じゃないよ。家にも帰って来ないで、女の子とデートですか。うち、めちゃくちゃ大変だったのに」


 随分と冷たい口調、じとっとした目で見てくる妹に、宗助はたじたじといった様子。


「いや、悪かったと思ってるんだけど、こっちも色々あって、本当に……」

「この人、彼女?」


 言い訳しようとする宗助をかわし、そのじと目は岬に向けられた。岬もびくっと体を震わせて一歩引いてしまう。


「ま、まぁ、そんなとこ……」

「ふーん……名前はなんていうんですか?」

「せ、瀬間岬です……」

「初めまして、瀬間さん。妹のあおいです」

「はじめ、まして……」


 あおいは攻撃的な態度とトゲトゲした口調で岬に自己紹介をして、まじまじと値踏みするように岬を見る。意地悪小姑のようなその一連の態度に、周囲の友達もくすくすと笑っている。


「お兄ちゃん」

「な、なに」

「お父さんに、お兄ちゃんは家を出て女の子と遊んでましたって報告していい?」

「……えぇ……そういう訳じゃないんだけど」

「……。…………ふふふっ、なぁーんて、嘘だよ! うそー!」


 あおいはそう言って、イタズラ成功、と言わんばかりに満面の笑みを見せた。


「う、うそ……?」


 家にずっと帰らずに隠し事をしていた負い目から何も言い返せずにいた宗助だったが、あおいのその笑顔とセリフに混乱する。岬は岬で、宗助の家族に悪く思われたくないと思っていたため何も言えずに居たのだが、宗助と同じく流れについて行けず呆気にとられていた。


「こないだね、宍戸さんって人がうちに来て、全部説明してくれたの。お兄ちゃんがうちを出て行ってから今まで何やってたのか……」

「宍戸さんが?」

「うん。見た目は怖い人だったから最初はお父さんも怪しんでいたけど、でも悪い人じゃないってすぐにわかったよ。お父さんも私も、最初は『家族に言わずにそんな危ない事してたのか』って腹が立ってたけど、でも、宍戸さんが『この事件を解決することが出来たのは間違いなくお兄ちゃんのお陰だ』って一所懸命に説明してくれて……良い隊長さんだね」

「…………あぁ。あの人は、いい人だよ。確かに怖いけど」

「瀬間さん、お兄ちゃんをよろしくお願いしますね。どうせ帰ってこいって言っても、『まだうちには帰らない』とか言うだろうから!」

「え、あ、はいっ」


 岬が背筋を伸ばして答えると、あおいはにっと笑ってから背中を向け、「ごめん、行こう」と言って友達と共にその場を去っていった。


「……あーびっくりした。宍戸さんも家族に報告するなら言ってくれればいいのにな」

「あはは……でも、そういうところも宍戸さんらしいね」

「なるほど、そうかもな。ま、おかげで何となく後ろめたく思っていた部分が晴れたよ。家族にもずっと今何してるかって内緒にしてたから」

「良かったね」

「あぁ、良かった」

「あっ、でもっ、私、妹さんに嫌われたりしなかったかなっ!?」

「あはは、大丈夫大丈夫、あいつはそんな簡単に人を嫌ったり――……ん?」

「…………」


 何か足下に気配を感じて視線を落とすと、そこには五歳くらいの小さな女の子二人が立っていて、じっと宗助と岬を見上げていた。


「な、何か用……かな……?」

「お姉ちゃんとはぐれちゃったの」


 片方の女の子がそう言った。落ち着いて良く見ると、この二人服はおそろい、顔がそっくりでしかもどこかで見た事がある顔だった。その顔を見て、宗助は思わず声に出して言ってしまう。


「……。……リル?」

「ちがうよ、るりだよ」


 するとその女の子は不満げな顔で即座に言い返してきた。しかし、そう、宗助がアルセラの見せた記憶世界で見たリルとレナにかなり似ているのだ。二人とも髪の色は黒で目の色は茶色だが。


「こういう時どうしたらいいんだろう、迷子センターってあるのかな……」


 岬はリルとレナの小さい頃を見たことが無いので特にそういう感想も抱かず、この迷子らしき女の子二人の身柄をどうするか本気で心配して考えを巡らせている。


「とりあえず、インフォメーションセンターに行ってみよう。迷子のアナウンスしてくれるかもしれないし」

「うん、そうだね」


 目標が決まり歩き出そうとしたとき、るりは宗助の服の裾を引っ張ってこんな注文をつけた。


「かたぐるま」

「……しろって?」

「うん」


 こくりと短い首を曲げてうなずく。



 そして……。


 

「わぁい、たかーい」

「ちょっ、おい、ふらふらするなって、危ないから」


 るり、と名乗る女の子は宗助の肩の上にまたがってはしゃいでいる。もう一人はと言うと、こちらは岬の背中で大人しくおんぶされている。肩車の方がお姉ちゃんからも見つけやすいし、るりもお姉ちゃんを見つけやすいだろう、との事で了承されたのだが、肝心のるりは姉を探しているのかいないのか、宗助の肩の上でぐらぐらと揺れて遊んでいる。


「本当に迷子なのかこの子ら。胆が据わり過ぎだろ……」

「頼りにされてるんだよきっと」

「そうかぁ?」

「そうだよ。それに、こういうのも悪くないかなぁって」


 そう言って子供をおぶってほほ笑む岬を見ると、確かにそう悪くもないかもしれないと思ったのも宗助にとっての事実であった。


「あーーっ!」

「うわっ、びっくりしたっ、な、なに? お姉ちゃんみつけた?」


 るりが頭上で突然叫ぶものだから宗助は驚いて、そしてその叫びの意味を問う。すると。


「クレープ!」


 屋台のクレープ屋が目についたようで、そっちに行けと宗助の頭をパタパタと叩く。


「いたっ、痛い痛い、ちょっと、お姉ちゃん探すんじゃなかったのか!」

「クレープたべてから!」

「ええ……」

「じゃあ、ここはお姉ちゃんが買ってあげよう」


 そう言って岬がクレープ屋さんに向かい始めたので、宗助は焦って「買う、俺が買うよ!」と言ってすぐさまその後についていった。


 そしてクレープ屋さんの列に並んでいると、今度は雑踏の中から「あーーっ!」という叫び声が聞こえてきた。次は何事かと宗助が少しうんざりした表情でそちらを見ると、中学生くらいの少女が、憤怒の形相でこちらを睨みつけながらツカツカと歩いてきているのが見えた。


「えっ、えっ……?」

「あんたら、こんなとこで何してるのっ!」


 その少女は宗助に向かってそう言ったが、宗助は何のことだかサッパリわからず、往来で年下の女の子に怒鳴られた事にただ狼狽していた。すると。


「おねえちゃん!」


 双子の姉妹は、彼女を見て同時にそう叫んだ。



          *



「ほんっとうに、すいませんでした……」

「あぁ、いや、むしろすぐに再会出来て良かった」


 宗助と岬と女の子二人とその少女、合わせて五人でクレープ屋の近くのベンチに腰かけていた。


「しかもクレープまで買って貰っちゃって……」

「いいよ、気にしないで。ほら、中のアイス溶けちゃうよ」


 そして宗助が驚いているのは、その「お姉ちゃん」がまた記憶世界で見た、当時のジィーナにやけに似ているのだ。


「えっと、あなたのお名前、訊いて良い?」

「あ、私、詩菜(しいな)《しいな》って言います。この子が瑠璃(るり)《るり》で、こっちの子が玲奈(れいな)《れいな》。双子なんですよ、この子達」

「へ、へぇー……」


 その名を聴いて宗助は確信した。

 自分とコウスケがそうであったように、この子たちもこちらの世界のリルやレナ、ジィーナと同一人物なのだと。どういう因果で、必然なのか偶然なのか、こちらとあちらの同一人物は似たような名前を付けられているようだ。それは流石に岬も感づいているようで、アイコンタクトで宗助とやり取りをしていた。

 玲奈は早速岬に懐いたようで、なんだかんだと仲良くおしゃべりしながらクレープを食べている。瑠璃も宗助に懐いているのか彼の隣ではむはむとクレープを夢中で食べている。詩菜はクレープにかじりつきながらも、そんな二人の汚れた口元や手元をウェットティッシュで逐一拭いたりして面倒を見ている。


その三人ともが見れば見る程隣の世界の『彼女』達に似ていて、その上宗助が似ていると思い込んで更に似ているように見えるというスパイラルに突入し、まじまじと詩菜の事を見てしまう。すると詩菜はそんな宗助の視線に耐えられず困ったような表情で「なんでしょう? 私、顔に何かついてますか」と話しかける。


「あぁ、いや、三人とも友達に似ている人がいたから見てしまって、ごめんごめん」


 宗助はそう言って頭をかいて目を逸らした。


「そうなんですか、三人共ってすごい偶然ですね」

「……そう言えば、お父さんとお母さんは一緒じゃないの?」

「ええっと、多分、このお祭りに来ていると思います」

「多分?」

「はい。いつもこの子たちの面倒見るのに忙しそうなので、私がこの子達の面倒を見ておくからたまには二人で出かけてきてって言ったんです。そしたらお父さんもお母さんも、何の迷いもなく、『あらありがとう、お願いね』って。家でゆっくりしているのかもしれないし、お祭りに来ているのかもしれないし……」

「はは、頼りにされてるんだな」

「うーん、そうなんですかね……わからないですけど……」


 詩菜は少し照れくさそうにクレープをひとかじりした。その時隣の岬が「あれ?」と声を出した。


「ん、どうかした?」

「玲奈ちゃんのその膝のところ、どうかしたの?」


 言われて見ると、玲奈の右膝に擦り傷ができていて少し血が滲んでいた。


「……さっきこけたの。でも泣かなかったんだよ」

「ええっ、あんた、早く言いなさいよ、擦り傷だってバイキンはいったら恐いんだから」


 玲奈が誇らしげに言うのを聞いた詩菜は慌てて彼女の膝を見ようとするが、それよりも素早く岬が彼女の膝をじっと見る。


「ちょっと待っててね」


 そう言って鞄から小さな容器の消毒液とティッシュを取り出した。


「ふ、普段から持ち歩いてんの?」

「うん。癖っていうか……。はい、じゃあちょっとだけ染みるからね」


 岬は膝の下にティッシュをあてがって消毒液を垂らすと、玲奈は少し顔を顰めるが必死に耐えている。


「よし、じゃあ次は……」


 岬がバンドエイドを取り出そうとして、迷いがあるのか鞄をまさぐる手を止めた。そして何かを決心して、何も取り出さずにそのまま掌を玲奈の膝に当てる。


「お、おい岬、まさか……大丈夫なのか?」

「わからないけど、やってみる」


 今までならば一般人にドライブを使うことは禁忌だったが、もうそんな不思議な能力があることも世間にはとっくにバレている。そのため多少の使用はもう問題にならない。岬はそのまま目を閉じて集中した。すると。


「……もうあんまりいたくない」


 玲奈がそう呟いて、そして岬が手をどけると、完璧とはいえないが膝の擦り傷は七割方ふさがっていた。


「ええっ!?」


 それを見ていた詩菜は驚きを隠せない様子でぎょっとするが、彼女の能力とその現状を知っていた宗助も驚いて目を見開いた。


「岬、ドライブが……」

「……わからない、けど……前ほどじゃないけど、少しずつ治せるようになったみたい」


 岬自身も驚いているようで、自分の両手をまじまじと見つめていた。彼女の精神状態も、以前よりどんどん回復しているようだ。岬は玲奈に向き直る。


「玲奈ちゃん、痛かったら痛いって言うのは大事なことなんだよ。我慢してて、悪くなったら困るでしょ」


 そう言うと、彼女は少ししょぼくれた様子で「うん……」と答える。双子でもお姉ちゃんで、迷子の中で泣いてしまったら妹に格好がつかないと思って我慢していたのだろう。


「でも、泣かないのは偉かったね」


 岬はそう言って玲奈の頭を撫でると、今度は玲奈もはにかんで「うんっ」と元気に答えた。


「な、何が起こったのかわからないですが、ありがとうございます……」


 ぽかんとした表情のままでも岬にお礼を言う詩菜であった。




 もう三口ほどでクレープも食べ終わるだろう、というところに差し掛かって。


「るりもれいなも、クレープ食べ終わったら二人とバイバイしてあっち行くよ」

「やだー、もっとみさきちゃんといたーい」

「ダメよ、デートの邪魔しちゃ」

「えー」

「えーじゃない! 返事は『はい』でしょ!」

「はぁーい……」

「はは……」


 その目の前のやり取りまでもが、ジィーナとリルのそれにそっくりだったため楽しさ半分、寂しさ半分で生乾きのような笑いが出た。


「どうしたの?」


 るりが、そんな宗助の気持ちを鋭く感じ取ったのか、はたまた偶然か、クレープを食べる手を止めて宗助を見上げてそう尋ねた。


「いや、ちょっと懐かしかっただけ」

「なつかしい?」

「うん」

「ふーん」


 納得したのかどうでも良かったのか、るりは再びクレープにちびちびと齧り付いた。



 そして決めていた通りに、クレープを食べ終えた事により別れの時が来た。人々が行き交う往来で、二人と三人は向かい合う。


「それじゃあ、本当にありがとうございました」


 詩菜は右手で瑠璃、左手で玲奈の手を握りながら宗助と岬にペコリとお辞儀をした。


「うん、次から気をつけてね」


 岬がそう言って手を振って宗助とともに見送り、三人は振り返って歩き始める。

三姉妹の後姿をじっと見送っていると、瑠璃は突然詩菜の手を離してぱっと宗助達の方へと振り返り、その場にじっと立つ。


「るり?」


 隣の詩菜も立ち止まって、どうかしたのかと瑠璃に問いかけるが彼女は無言だ。どうしたのだろうと思いつつ宗助と岬も瑠璃の様子を見ていると、彼女は鼻からすぅっと大きく息を吸い込んで胸を膨らませ……。


「そうすけぇーーっ!」


 突然、その名前を大声で叫んだ。

そして彼女はもう一度息を吸い、再度胸を目一杯膨らませ。


「ほんとに、本当にっ、……ありがとーーーーッ!!」


 そんな感謝の言葉を大通り中に響かせて、ふわりと微笑んでみせた。

彼女の表情は五歳とは到底思えないほど、清々しく爽やかで、凛としていて……。その立ち姿に宗助は心奪われて、何も言い返せないまま彼女と見つめ合い、そして立ち尽くしていた。

瑠璃は微笑んだまま前へと向き直り、詩菜と手を繋ぎ直して歩きはじめ、雑踏の中へと溶けるように消えていった。岬が、それから数十秒経っても未だに動けずにいる宗助の横顔をちらりと見ると……、彼は前を向いたまま「不思議だな」と呟いた。


「……? 何が不思議なの?」

「俺は、あの子の前で岬に名前を呼ばれたり、名前を教えたり、一度もしてないのにさ」

「……え? ……でも、そう言われてみれば」


 ぞろぞろと動いていく雑踏を見ながら、宗助は思う。

 どういう事がこの世界・この場所に起こっていて、それにはどんな原理があって、どんな作用があって……そんな事をイチから理論的に説明してもらわなくてももう構わないと。


 目を閉じると、瞼の裏側に浮かんでくる。


 マシンヘッドと初めて遭遇した時から、アーセナルに初めて来た時の事、リルとジィーナに出会った時の事、フラウアやミラルヴァ、ブルームと何度も死闘を繰り広げた事。去っていった隣の世界の仲間達、拳と拳を合わせた稲葉、共に戦った宍戸、不破、千咲、白神、オペレータールームをはじめとしたアーセナルの仲間たち。


 様々な思い出が一瞬で去来し、宗助の胸に仄かな熱をもたらして……隣にいる岬をちらりと見ると、彼女は柔らかいほほ笑みでその視線を迎え入れた。


 宗助は正面に向き直ってふっと息をこぼすように笑い、もう見えはしない『るり』へと向けて、心を込めて言うのだった。


「あぁ、どういたしまして!」




最後までお読み頂き、本当にありがとうございます。

とても長い物語でしたが、お楽しみいただけましたでしょうか。

率直なご感想(印象に残ったシーン・セリフなど何でも)心よりお待ちしております。

また次回作などでお目にかかることができれば光栄です。


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